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本「殺意をえがく子どもたち」by 三沢直子

「バカの壁」で紹介されていた本。"子どもに「人間」「木」「家」の三つの絵を描かせたとき、1981年と1997年では明らかに違う傾向が見られた"、ということで、読んでみたいと思った。

紹介されている絵は確かに違う。全般的に1997年のほうが絵が稚拙になっている。ただ、単に「人間」「木」「家」の絵を書きなさい、と言われたら、私だって、そんなに丁寧な絵は描かないと思うから、絵だけを見て子どもが大きく変わったと言えるのかどうかは素人の私にはなんともいえない。全部の絵が載せられているわけじゃないし、とも思うが、著者の言に従えば、抽出した絵が特殊なわけではなく、明らかにそういう傾向があった、ということだから、同じ人が同じように指示して描かれた絵でそれだけの違いがある、ということは、やはり子どもに変化が生じている、と考えるのが妥当なのだろう。実際、このところ、小学生や中学生によって起こされる事件にはびっくりさせられるのだから。

著者が「母親」であり、心理カウンセラーという仕事をしている、ということで、なるほど、と思える指摘がいくつかあった。

ひとつは、最近の子どもたちが、テレビ、ビデオ、ファミコンなどの「間接体験づけ」の生活になっていることの問題。テレビなどで見ていればなんとなく知っているような気になっているが、直接体験していないものはなかなか心の栄養にはならないのではないか。

大学の授業中、講義をしている教授にはおかまいなく、ジュースを飲んだりおしゃべりをしたり、なんの断りもなく教室から出て行ってはまた入ってきたり、という生徒が出てきた、という大学の先生の話に対して、著者は、「それはテレビを見ている感覚なんじゃないか。」と言う。テレビの途中で、トイレに行きたければ行く、という感覚。あるいは電車の中で平気で化粧する。生身の人間がまわりにいても、ただのテレビ画像に写る人々と同じ程度にしか感じていないのではないか。そして、特に、子どもにとっては、仮想の世界と現実の世界の区別がつきにくくなっているのではないか。子どもたちにはできるだけ間接体験を減らし、直接体験をさせるべきなのではないだろうか。

また、カウンセリングの限界についての話もおもしろかった。カウンセリングをすることで誰かに問題を解決してもらおう、としているような人の場合、カウンセリングは効果的ではないそうだ。

専業主婦であることをとても楽しめる人は別として、女性も社会との接点を何か持っていたほうが生き生きできるのではないか、というのも、そうだな、と思うし、エゴグラムについての解説も興味深かった。

心理学もおもしろいかも、と思う。

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