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ビデオ「一票のラブレター」 Secret Ballot

2001年のイラン映画。あるイスラム社会での選挙の一日を描いた作品で、イランが舞台、というわけではないらしい。だから、たとえば、実際にイランで、ああいう選挙が行われているのかどうかは知らないけれど、似たようなところはあるのかもしれない。

若い女性の選挙管理委員が島にやってきて、「今日は選挙の日だから、みんなの票を集めてまわらなければいけない」と言う。警備兵は今日一日、彼女と投票箱を護衛しなければならない。「委員は男であるべきだ」と主張する警備兵。しかし、彼女に説得されて、しぶしぶ一緒に出かける。日本なら、選挙権のある人が投票所にやってきて投票するわけだが、ここでは彼女が出向くのだ。待っていても誰も投票に来ない、と。

「地域を、社会をよくするために、投票を」と呼びかける彼女に、島の人たちの反応は様々だが、選挙の意義を理解し、積極的に投票しようという人たちはほとんどいない。日本だって投票率が50%を切ったりするし、実際、どのくらい選挙が有効に行われているのか疑問なところもあるわけだけれど。現代において、西洋的な民主主義は普遍的な価値だとされているようだが、はたしてイスラム社会でうまく機能するのか、と思ってしまう。

映画はゆったりとすすんでいき、私にはじれったく感じられるようなところもあったが、ここでの時間の流れはそんな感じなのだろう。選挙管理委員の女性のひたむきさは魅力的で、イスラムの人たちの考え方も興味深い。大きな事件が起きてハラハラする、というような映画じゃないけれど、ひとつひとつのエピソードにはっとさせられるような作品だ。ケーブルテレビの「ムービープラス」で録画したのだけど、このまま消さずにとっておこう、と思う。

(以下ネタバレ)

ひとつひとつのエピソードが本当に心に残る。

女性達は字が書けないから、代わりに自分が投票する、という男。人間には投票しない、神様に投票する、という人。「何も買ってくれないなら、投票もしない」という人。選挙委員をねぎらうために、料理を提供する村人。砂漠の真中の信号。自分の夫の墓参りでの儀式に参加できない女。そして、最後、選挙管理委員としての彼女の行動に意味があるのか、と言っていた兵士が投票する...

今まで見たイラン映画「カンダハル」「少女の髪どめ」、そしてこの作品は、どれも派手さはないけど、なんとなく心惹かれる、という感じのものだ。また機会があればイランの映画を見てみたい。

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