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本当に非難されるべきなのは

出かけて帰りの電車の中で、「香田さん惨殺」という新聞の文字。それが一面で、裏面に「処刑」というような文字が見え、えぇっとつらい気持ちになった。
家に帰ってネットで見てみると、「イラク中部バラドで米軍が発見、香田証生さんと身体的特徴が一致しているとされた遺体について、別人」だという見解が示されていて、なんとかまだ生きておられる可能性が高いと思われてちょっとほっとした。安心はできないけど、香田さんを拘束した人たちがもし彼を殺したとしたら、きっとそれを宣伝すると思うから。

旅人の自己責任」の記事を書いた後、また、サラさんのブログを見ていたら、「いちばん非難されるべきなのはテロリストですからね。彼には彼なりの理由があったんでしょうし、到底理解できない様なことだったとしても。」というコメントがあり、それはそうだなぁ、と思った。サラさんもそれに同意され、「なんだか彼の両親のところへ嫌がらせのメールや電話が殺到しているそうですが、それは全く的はずれですよね。」と書いておられる。これにも同感。

彼の行動が軽率であったとしても、だからといって、殺していいことにはならない。自分と違った価値観を持った人が、自分の価値観と異なる行動をとったから、あるいは、自分の文化を否定、冒涜するような行動をとったからといって、その人を殺していいことにはならない、と私は思う。文化人類学の講義で、「あらゆる社会に共通する単一の価値尺度(普遍的基準)というものは存在しない」とする、ボアズという人の文化相対主義の考え方が紹介されていたけれど、「自分とは違った価値観を持った者は殺してもいい」というような考え方をする文化があるとしたら、つらいなぁ、と思ってしまう。私は、その文化固有の考え方を尊重したいと思うけど、人間としてゆずれない最低限の普遍的価値というのはあるのではないかと思っている。ただ、直感的なものなので、どうしてそれが普遍的価値なのか、というのが理論的に説明できないのが歯がゆい。

非難されるべきはテロリスト。でも、そんなテロリストが存在するのもしかたない、と思わせるような行動をとっている国があることも事実。本当に非難されるべきなのは...?

(追記)この記事を書いてから、「自堕落な日記」の「遺体がそこにあるという事実」を読みました。「私たちが受け止めなければいけないのは香田さんの遺体では無い事で安堵するよりも、身元不明の遺体がそこに存在するという事実ではなかろうか?」という記事にはっとしました。まったくそのとおりです...

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 イラクで拘束された香田さんの安否が、二転三転しています。とりあえず、米軍が香田さんらしいと判断した遺体が別人と判断されてホッとしている僕です。 [続きを読む]

受信: 2004.10.31 01:02

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香田証生氏がイラクでテロリストに誘拐され、死亡が確認された。 責任の所在はどこにあるのか。 テロリスト。確かにこれはもちろんである。 香田氏の身勝手な行動-高遠... [続きを読む]

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