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本「清水義範の作文教室」

しばらく前、清水義範著「大人のための文章教室」という本が、あるブログで紹介されていて、おもしろそうだったのだが、図書館にはなくて、リクエストしてきた。そのかわりに見つけたのがこの本だ。

高校の入試問題を見ると、たとえば「自然から学ぶ」というテーマで200字程度の小作文を書かせるような問題があったりする。試験時間50分で、もちろん他の問題もあるなかで、いきなりそんなこと言われても...と思ってしまう。テーマが日ごろから考えているようなことならともかく、このテーマだったら私にはむずかしいなぁ、と思ってしまった。作文を書くにはどうすりゃいいんだ、という思いがあった時に見つけたので借りてきたのだ。

これは、清水義範氏が名古屋在住の弟幸範氏の開いている塾で、小学生を対象に作文教室を開いていた時の記録である。東京在住の義範氏は、「東京先生」と名乗って、ファックスで送られてくる小学生の作文を添削したり感想を入れて送り返し、たまには、名古屋に出かけて授業をすることもあったらしい。

最初の方、子どもの書いた作文に著者のつけているコメントを読んで、「えぇ、そうかなぁ。子どもの書いたままのほうが子どもらしくていいけどなぁ」なんて思うこともあった。でも、著者の子どもに対する見方にはなるほどなぁ、と思わせられる。ユーモアのある文を書く子、正確な報告文が得意な子ども、発想がユニークでややひねくれた(?)見方をする子ども。そして、著者自身、作文教室をとおして、自分の指導方法がまちがっていたのではないか、と気づいたりもしていて、その正直な姿勢に好感がもてる。作文指導を楽しんでいることが伝わってくるし、この人は「先生」だなぁ、と思う。「先生」が天職っていう人っているのだ。もっとも清水義範氏の場合、作家としての才能があったから、先生にはならなかったわけだけど。

基本的に、子どもの作文はほめて書く楽しみを味わわせよう、ただし、文としておかしいところをうまく注意していく、というような姿勢には賛成だ。読書感想文が子どもを作文嫌いにしている、というのもそういうところはあると思う。読書感想文にかぎらず、学校でやたら作文を書かされるけど、書きたくないことは書けないのだ。それでも、提出しなければならないので書かなければならない。苦痛である。しかも、読み手は先生だから、なかなか本音が書けなかったりする。著者は、子ども達に「何を書いてもいいんだよ」と話し、子どもが自由に書ける雰囲気をつくりだしていく。作文指導とは作文力を指導するものであり、子どもの書いた内容に「そんなことをしてはいけない」とかの評価を加えるものであってはならないのだ。

この本で紹介されている子ども達の作文がなかなかおもしろく、読んでいて楽しめた。著者がユーモア感覚を大切にする人なので、それが子ども達にも伝染していったようだ。ユーモアのある文は楽しい。

ただ、著者は、国語力の試験には読解力や漢字力を見るものよりも作文を書かせよ、というのだけど、私はそれはどうかなぁ、と思う。決められた時間内に決められた字数の作文を書くのは大変だ。それが試験ということになると、それこそ紋切り型のものがでてくることになるだろう。著者も、作文を評価するのは大変だし、現実には実現不可能であろう、とはわかって言っているのだけど。

というわけで、この本はおもしろく読んだものの、試験に合格するような作文を書くにはどうしたらいいか、という課題は残ったままだ(^^;)。

4150306184清水義範の作文教室 (ハヤカワ文庫JA)
清水 義範
早川書房 1999-06

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

清水さんは「蕎麦ときしめん」「おもしろくても理科」で、軽めに笑かしてくれる作家というイメージなのです。
どんな風に作文の添削をされてるのか、知りたいので早速また図書館に行ってきます。(あ、今日は休みだ^^;)
>試験に合格するような作文
私自身も知りたいし、何より今は息子に伝授したいです^^;

投稿: ぴよ♪ | 2004.12.13 08:40

あ、「おもしろくても理科」読まれたんですか?
この本の中にもちょこっとでてきますよ。
なんか題名がひねくれてて読んでみたくなりますね(^^)。

清水義範さんのアドバイスの仕方はなるほどなぁ、っていう感じです。
自分がせっかく書いたものにあれこれ言われるのっていやですよね、特に子どもは。でも、ほめるばかりじゃ作文力みたいなものはついていかない。そこでどういうふうにやってるのか、っていうあたり、さすがだなって思わせられるところ、あります。こんなふうに言われたら子どももやってみようっていう気になるかなって。

ほんと、試験に合格する作文、なんとかしなくちゃ、ですね(^^;)...

投稿: じゃりんこ | 2004.12.13 16:50

読み終わって感想っぽいこと書いたので、トラバさせていただきました
「大人のための文章教室」も読まれたんですね^^
私も読んでみたい♪けど、この前図書館でいろんな本5冊借りてきたのでたまっていくばかり・・・
この暮れの忙しいときに、ネ(^^;

投稿: ぴよ♪ | 2004.12.21 21:57

ほんと、この暮れの忙しい時に私は何してるんでしょう(^^;)
今、我が家では清水義範ブームが起きていて、先日、私が「おもしろくても理科」、次女が「どうころんでも社会科」、長女が「国語入試問題必勝法」を借りてきました。今日の夕食時には、「おもしろくても理科」に出ていた慣性の法則の話でもりあがりました。
しかし、受験前だというのに緊迫感のない長女といい、明日、もえないごみの年内最終日だというのにまったくかたづけられない私といい、これでいいのか、という気がしなくもないけど(^^;)...

投稿: じゃりんこ | 2004.12.21 23:39

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