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ビデオ「みなさん、さようなら」Les invasions barbares

女好きの大学教授が末期がんにおかされ、母の頼みで、息子は父によい最期を過ごさせてやろうと力をつくす...

冷静に考えると、主人公のレミはとてもイヤなヤツだ。彼が友人達と楽しんでいる高尚な会話は私にはちんぷんかんぷんだし、次々と女の人に手を出す、というキャラクターも、私が妻だったら耐えられないだろう。息子が父のことをよく思っていないのは当然だ。でも。なにか魅力のある人なのだ。明るさ、かなぁ。だから、妻も夫によい最期を過ごさせてやろうとするのだろう...(でも、私には理解できないけど。)

見ていて、伊丹十三監督の「大病人」を思い出した。

(以下ネタバレ)

思い出したのは、最期、友人や家族に見守られて息をひきとる場面を見た時だ。
(カナダでは安楽死は合法なのだろうか?)

「大病人」で主人公は畳の上の布団の中にいた。
今か今かと最期の時を見守る友人、家族...

愛する人たちに見守られて最期の時を迎える、というのは幸せなことだろう。

「みなさん、さようなら」の監督が描きたかったのは、理想的な最期の迎えかたなのだろうか?安楽死の肯定?....

この映画に出てくる人たちはみんなそれぞれにクセがあって魅力的だけど、「大病人」と比べると、「大病人」のほうがおもしろいなぁ、と思う。考えてみれば、女好きの主人公、というところまで、この作品と似ている。でも、「大病人」のほうが医療制度のあり方とか、主人公の生き方とか、もっといろんなことを考えさせられたし、笑えるところもたくさんあった。「みなさん、さようなら」が2003年アカデミー賞外国語映画賞ということだけど、だったら、「大病人」はそれ以上の賞をもらってもいいと思うなぁ。

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コメント

いまさらですが、レンタルで観ました。 タイトルに惹かれて妻に訊いたら、前に観て気に入ったからまた観てもよいということだったので…。

「大病人」は観ていないので何とも言えませんが、この映画、よくできていると思いましたし、フランス文化?を強く感じました。 社会主義お父さんに、資本主義の権化のような息子、労働組合や警察に対する見方…、「ぜんぶ、フィデロのせい」とかの映画が頭に浮かびました。

おっしゃるように本人、友人たちの設定にはついていけないところがありましたが、会話は楽しめましたし、画面の消えるところでは毎回考えさせられました。

投稿: axbxcx | 2009.05.20 00:12

axbxcx さん、

かなり前に見た映画なので覚えていないところもあります(画面の消えるところ...というのがわかりません)が、会話がちんぷんかんぷんだった、と書いてますから、会話を楽しめたとおっしゃるaxbxcx さんとは、この映画を楽しんだ度合が違うんだろうなぁ、と思います(^^;)。

「大病人」は伊丹監督の作品のなかでも好きなものです。機会があればどうぞ(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2009.05.20 06:52

画面が消えると書いたのは、画面が切り替わるときのことです。 パッと変わるのではなく、一瞬消えるような感じで、余韻を残させる箇所がたくさんありました。 次に何が起こるのかな、どんな台詞なのかなと思っていると画面が切り替わってしまうので、こちらが次を想像せざるを得ない、そんな感じでした。 基本的にヨーロッパ(やカナダ)の佳作には、ハリウッドのように何でも説明してしまうのではなく、観る人に考えさせる作りのものが多いように思います。

「大病人」、なぜ観なかったのか覚えてませんが、恐らく一種の倦怠期だったのではないかと思います。 伊丹十三が出ていたテレビの「遠くへ行きたい」を楽しみにしていました。 エッセーも何冊か転がっています。 もう30年以上前の話ですが、いっときスパゲッティーを作るのに凝ったのも彼のおかげです。 車の話も…。

最近、コーヒーを少し丁寧にいれてみようと思い立って、先の細いコーヒーポットと温度計を買いました。 82~3度というのが思っていたより低いので驚きました。

投稿: axbxcx | 2009.05.20 08:23

axbxcx さん、

カナダの映画っておもしろいの、ありますね。
「グース」っていうのが好きだったし、「大いなる休暇」っていうのもなかなか。「氷海の伝説」はちょっと異色ですが、おもしろい作品でした。でも、それくらいしか思い浮かびませんが(^^;)...

伊丹監督の映画は夫が好きだったので、よく一緒に見ました。

私も先の細いコーヒーポットを愛用してます(^^)。
お湯はいつも沸騰したのを使ってますが、80度くらいのほうがいいんですか?職場だと電子レンジでお湯をわかすので、時間がなくてぬるめのお湯で入れるとあまりおいしくなかったりしますが...。

投稿: じゃりんこ | 2009.05.20 20:21

じゃりんこさん、ドリップの温度は豆の種類にもよるのでしょうが、高円寺の有名な豆屋さんのブレンドは確か80度、先日、杉並区の図書館で読んだコーヒーの本は82~3度とありました。 店によっては90度というところもあるようですが、少なくとも沸騰したてはよくないようです。 うちは苦いのが得意ではないので、それで低めを試しています。

いま「大病人」観ました。 とても楽しめましたが、「みなさん、さようなら」(原題は多分「蛮族の侵入」ですね)とは主題が違うと思いました。 「大病人」はむしろ山崎章郎医師の「病院で死ぬということ」(映画もありましたが)を芸術作品にしたという印象だったのに対して、「みなさん、さようなら」では(尊厳)死は一種の道具立てのような感じがして、主題はむしろ父と子、そしてその背景にオールド社会主義と拝金主義やカトリックなどが使われているという感じがしたからです。

「大いなる休暇」はとても気に入りました。

投稿: axbxcx | 2009.05.20 23:49

axbxcx さん、

たぶん私は「みなさん、さようなら」の主題をとらえきれていないのでしょうね(^^;)。「大病人」を見たのはこの映画よりもずっと前だったと思うのですが、結構印象が強かったので、その主題にひっぱられて見てしまったところがあるのかもしれません。「大病人」ご覧になったんですね(^^)。

コーヒー、沸騰させてから少しさましたお湯を使うのがいいんですかね。コーヒーを飲むときくらい、ゆったりとしたいものですが、私はどうもせっかちのようです(^^;)。

「大いなる休暇」、盗聴というのだけが、どうも気に入らなかった(私がその立場だったら耐えられないだろうと思ったので)のですが、その点を除けば好きな作品でした(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2009.05.21 00:05

じゃりんこさん、温度が10度違うと、素人でもハッキリわかるほど味が変わります。 まあ安い豆ほど差が出るとも言うようですが…。

「大病人」に通ずるのは、ちょっと古いですが、やはり黒澤明監督の「生きる」かなと思います。 不朽の名作と言ってよいのではないでしょうか。 黒澤明監督でも、昔は「七人の侍」や「用心棒」「羅生門」が好きだったのですが、だんだん「生きる」が好きになって来ました。 「東京物語」が好きになるとともに…、というところかも知れません。

盗聴と言えば、大韓航空機撃墜事件で自衛隊が傍受していた交信記録が自動的に米国に流れていたこと、それが官邸も知らないうちに国連安全保障理事会で公表されたこと、当時の官房長官(後藤田正晴)が「これでも独立国家かと思った」と言っていたこと、YouTubeの後藤田正晴のロングインタビューで知りました。 ペルシャ湾への自衛隊派遣を巡る総理(中曽根)とのやり取りの話も興味深いです。

投稿: axbxcx | 2009.05.21 12:52

axbxcx さん、

「生きる」は大好きな映画です。不朽の名作だと思います(^^)。結局私はそういうテーマが好きで、だから、「大病人」とかも好きなのかもしれません。でも、こういうテーマをいいかげんに扱うと白けてしまいそうな気もしますから、「生きる」はテーマといい、役者といい、いいですよね(^^)。

「これでも独立国家かと思った」...というのにも同感です。そういう事実は知りませんでした...

投稿: じゃりんこ | 2009.05.21 17:19

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