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映画「Ray/レイ」

基地で "Ray" が上映されていた時、放送大学の試験前だったこともあって、どんな映画なのかをチェックしなかったため、レイ・チャールズのことだとは思いもしなかった。それが日本で公開されることになってレイ・チャールズのことだとわかり、見に行きたいと思ったが、なんだかんだで機会を逃しているうちに、近所のシネコンでの上映が終わってしまった。DVD を待つつもりだったけど、塩野さんの感想などを読んでやはり行きたくなり、今日、都心まで見に行ってきた。

で、見に行ってよかった(^^)。音楽が気持ちいいし、2時間半という長さを感じさせない。音楽だけでなく、ひとりのミュージシャンの生涯を描いたものとして、その当時の時代背景も含めて興味深いので、DVD でももちろん楽しめるとは思う。一方、レイ・チャールズの音楽に興味のない人にはどっちにしてもそんなに楽しめないかな、とも思う。彼の生き様は、決して偉人として小学校の教科書に載せられるようなものではない(愛人を作ったり、ドラッグにおぼれたり)し。ただ、映画としては、彼の良い部分もきたない部分もみんな描かれているのがおもしろく、特に、へぇ、この曲はこんなふうにして生まれてきたのか(あれらのエピソードはみんな本当なのかなぁ)というのが興味深い。レイを演じたジェイミー・フォックスがアカデミー主演男優賞をとったのも思いっきりうなずける。

(以下ネタバレ)

私が胸をうたれたのは、ヘロインで体をこわし、社会的にも刑務所行きが懸念されるようになっているレイにむかって妻のビーが「薬をやめて」と訴えかける場面。豪邸に住み、使用人を使うような暮らしをしている彼女に、レイは「贅沢はやめられないさ」と言うのだけど、彼女がほしいのは贅沢ではなかった。

盲目の彼がひとりで生きていけるように、涙をのんで厳しいしつけをした母親。幼い頃、弟が水死する場面を目撃したショックがトラウマとなっていたこと。バンド仲間とのつきあい、レコード会社の人たちとのつきあい。ジョージア州で、黒人を隔離する施設で歌うのを拒否したこと。自分で苦しみながらヘロイン中毒を克服したこと。彼の生涯については何も知らなかったので、どれも興味深いエピソードだった。

彼の愛人マージーを演じていたレジーナ・キングは自分で歌っていたのかなぁ。すごくいい声だった。彼女がレイのもとを去る決意をした場面も胸がしめつけられる思いだった。彼女はレイに奥さんがいることはわかっていたのだから自業自得なわけで、レイはこの点では罪深い人だ...ただ、彼女やもうひとりの愛人メアリー・アンの存在がレイの音楽にインスピレーションを与えたことも事実で、そんな状態から生まれた歌だからといって彼の歌の価値が下がるわけではない。天才だからなんでも許される、というつもりはないけれど、まだ黒人差別が色濃く残っていた時代、地域に生まれ、貧しい暮らし、しかも子ども時代に視力を失い...そんななかでこんな音楽を生み出したこの人はやっぱりすごい。

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