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ビデオ「おわらない物語 アビバの場合」Palindromes

主人公アビバを肌の色や体格、性別さえも異なる8人が演じるという実験的な映画。性別が異なる人が演じていたというのは、言われるまで気づかなかった(というか、言われても「誰だったの?」という感じ)のだが、確かに、肌の色や体格がまるで違っていても、それがアビバであるという設定で見ることはできる。

監督のトッド・ソロンズは、「ある人物に対してどのくらい共感できるかに関して、その人物の性別や年齢、人種というものは関係がない。人々が外見によってもつイメージを崩したかった。」と言っているそうだ。そのことは成功していると思う。

ただ、あくまで実験的な映画なので、映画のなかにのめりこんでしまう、というようなことはなく、「映画を見ている」醒めた自分がいる。扱っているテーマも興味深いけど、日本に住んでいる私には極端な例に感じられて現実感に乏しい。退屈はしないし、こういう映画もおもしろいとは思う。DVDに監督のインタビューが収録されていて、それを見ると、ああなるほどそういうことなのか、という感じで、私のような者には解説つきでないと理解しにくい。

赤ちゃんがほしいと願う12歳の少女アビバは、両親の友人の息子と関係を持ち、妊娠する。驚いた両親は娘に無理やり中絶をさせ、その結果、アビバは子どもの産めない体になってしまうが、そのことはアビバには知らされない。彼女は赤ちゃんを持つことをあきらめきれず、家出して男性と性交渉をもったりするが、愛のある関係は得られない。やがて、ママ・サンシャインと出会う。そこでは、様々な事情や問題を抱えた子ども達が楽しく暮らしていて、アビバも自分の居場所を見つけたような気持ちになるのだが...

(以下ネタバレ)

DVDに収録されていたインタビューで、監督は「アビバの家族は中絶の権利を主張する一方、娘の意見は尊重しない。サンシャイン・ホームは中絶反対派だが殺人を企てる。」というようなことを言っていた。このサンシャインホームの立場というのがいまいちよくわからなかった。中絶反対を言うくらい人の命を重く見ているはずなのに、中絶をする医者は殺されて当然なのか。売春は決して許されないこと、としているのもヘンな感じだった。監督としてはどちらの立場でもないのだろうか。確かにどちらも両極端で、そのおかしさを描いているのかもしれない。「人は変わるというが変わることはないのだ」という主張は、さてどうだろう。私は変わると思うけれど...

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