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ままごと遊びが嫌いなわけは

これはうちの保育園の子ども達のことではない。 「あたりまえ」を疑う社会学 という本のなかで、著者の好井氏がご自分の息子さんのことを書かれていたのだ。

息子さんが小学校2、3年の頃、好井氏に「ぼくは保育園のとき、ままごとをするのが嫌だった」と話したのだそうだ。おとうさん役をさせられたのだけど、その役にどうしても違和感があってできなかったのだという。テーブルの前にあぐらをかいて座り、タバコを吸い、新聞を広げて、ご飯ができるのを待つーそういう役。ところが、当時の彼にとって、それはおとうさん(好井氏)のイメージとはかけ離れていた。好井氏はタバコをすわないし、掃除、洗濯、夕飯の支度、後片付けもする。食事が運ばれてくるのをあぐらをかいて待っていたことなどない...そうだ。(p.200)

「おとうさん」というカテゴリー。そこには、いつ、何をどのようにすればいいのか、という実践的な処方がはりついている。それを検討したり、吟味したりすることなく「あたりまえ」に生かしておくことは気持ちのいいことだろうか。ーと好井氏は問いかける。そして、「障害者」とか「ゲイ」とかいう言葉でカテゴリー化されている人たちが、一般的なカテゴリーを壊し、新たなカテゴリーを生成しようとしている取組みを紹介されている。「私たちは同性愛者だが、あなたたちが思っているような「同性愛者」ではない」(「ゲイ・スタディーズ」)

「母の日」や「父の日」に、保育園で何かできることがないかを考えるとき、「おかあさん」や「おとうさん」のイメージを思い浮かべるけど、一般化するのは結構むずかしい。ちなみに1歳児についていえば、「ままごと」もどきのことは、男女にかかわらず、みんな好きだ。料理をするとか人形を寝かしつけるとか。本やダンスが好きなのも男女差をあまり感じたことはない。春になると「虫」にすごく興味を持つのは男の子が多いかな、とは思う。でも、女の子でも興味のある子はいるし...性差なんてもともとはなくて、子どもは社会的に期待される役割を身につけていくものなんだろうか。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

その子は、自分の父親は、そんなんじゃないから、て言って、おままごとのとき、自分の思うようなお父さんを演じることはできなかったのかなぁ。。

そうしようとしても、他の子供たちに、それじゃぁだめ、おかしいとか言われるのかなぁ。。

プロトタイプは怖いよね。なるべくそういうのには捕らわれないでいたいと、常に思ってるけど、でも、どうしても、取り除けないものもあるよね。

男と女の差は、わたしも、そんなものないんじゃないかって思ってた時期もあったけど、でも、最近はやっぱり男女差はきっと生まれた時からあるんだろうなと思い始めてる。その中でも、千差万別いろんなタイプの人はあるけどね。

投稿: ほしの まい | 2006.05.18 13:07

まいさん、どうも(^^)。

想像だけど、この子は自分にとってのおとうさんをやろうとしたら、「そんなのヘンだよ」とかって言われたんじゃないかなぁ。一緒にごはんを作ろうしたら、「おとうさんはそんなことしないよ。そこで新聞読んでて。」みたいな感じで。

「やっぱり男女差は生まれたときからあるんだろうな」と思い始めたのはどうして?たとえばどんなことから?もし、コメントに書くのがあまりにも長くなるようなら、まいさんのブログに書いてトラックバックしてくれれば読みにいきます。コメントでもブログでも、時間がとれそうだったら(でも、もちろん、大変だったら無理しないでね)ぜひ聞かせてほしいです(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2006.05.18 21:17

こんにちは。
横入りして良いですか?
ちょっと面白しろそうな話しなので(笑)

私も、ほしのさんと同じく、生まれたときから性差はあると思っています。もちろん、「社会が育てた性差」「社会や異性が要求する性差」っていうのも大きく影響するとは思いますが。

私が言うところの「社会が育てた性差」は、母親、父親、妻、夫のイメージとか。最近、女性を表現する言葉で「OL」「負け犬」「キャリア女性」なんてのもありますよね。キャリア官僚って言葉があっても、わざわざキャリア男性とは言わない(笑)。
働く女性の増加が要因になっているのでしょうが、良くも悪くも「女性が!」ということを強調している状態にあると思います。

「社会や異性が要求する性差」は、簡単に言ってしまうと、客室乗務員には美人女性が多いこととか、売春するのは女性が多いこととか。


で、こう言った外部の要因で生まれた性差が、世界中の多くの国で、似たような形であ存在します。やはり身体的な違いがあるからこそだと思うのです。
一番大きいのは、出産できるかどうか。それに付随して、生理の問題、ホルモンバランスの問題、こう言ったことが、女性は常についてきます。仕事をするにも旅行をするにも。私は毎月毎月、生理前にはどうしようもなく落ち込みますし(笑) 生理中は、食事、衣服、立ち振る舞いに気遣い、仕事で徹夜とかは避けるようにします。これが毎月。

当然、生活にも仕事にも影響を及ぼします。当然、会社や家庭、周辺にも影響するでしょう。

結局、「女らしく」「男らしく」といった「社会が育てた性差」は、元をたどれば身体的な「生まれもった性差」から発生したものだと思うのです。

上手く説明できているか不安ですが、、、。

投稿: tabeo | 2006.05.22 19:50

tabeo さん、横入りありがとうございます(^^)。
私もこのエピソードを読んでおもしろいなぁと思って。
私の場合、1歳児クラスを担任しているので、生まれ持っての性差があるのかどうか、ということを見るには結構いい環境にあると思うんです。
以前、保育関係のメーリングリストで、ある日実験的に男の子クラス、女の子クラスっていうのを作ったらすごく雰囲気が違ったっていう話が出ていました。男の子クラスのほうがアクティブで、保育者の言葉遣いまで変わってしまう、って。
で、1歳児を見ていると、男の子でもやさしくおっとりした子もいるし、女の子でもすごくアクティブで攻撃的な子もいるし、で、性差よりも個人差のほうが大きいのでは、という印象が強いです。
生まれたときから、親は、女の子は女の子らしく、男の子は男の子らしく、と服やおもちゃも社会一般のイメージするものを買い与えます。そのことが育ちに影響する部分はかなりあると思う。
で、性差が顕著になるのは、やはり第二次性徴が現われ始めてからじゃないかなぁと。自分が男であるとか女であることを否応なくつきつけられる。その頃には、男らしくとか女らしくとかいうことを自分で意識して選び取っていけるわけで、性差というのがどのくらい生まれたときからあるものなんだろうか、というのは私には疑問なんです。
確かに出産できるかどうかっていうのは大きな違いで、性差があることは疑いようもありません(でもって私は、女に生まれてよかったなぁと思っています(^^))が、一般的に女性的とか男性的とされることがはたして生まれつきなのかなぁ、と。
また何か思いつくことがあったらぜひ聞かせてくださいね(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2006.05.22 21:04

しつこく書き込みます(笑)

じゃりんこさんがおっしゃるように、性差が顕著になるのは、第二次性徴が現れるころからでしょうし、その頃に自分の性を意識することがかなり影響していると思います。
その上で、この時期の人格形成に、ホルモンの影響が一切無いとは、、思えないんです。。。まったく、なんの裏付けもないのですが(笑)


それはそれとして、
私は比較的男性の多い業界にいるのですが、頻繁に「女性の役割」をやらされます(笑)年配の男性が多い現場に「場が和むから」とかいう理由でかり出されたり。和みキャラでは無いのですが、お役に立つならとニコニコしてアシスタントをやったりします。。。
特に50歳以上の男性にはニコニコ攻撃は効果大です。それってどーなんだろーーと思いながら「でも、女ってお得」と思ったりもしています(笑)

投稿: tabeo | 2006.05.23 21:49

tabeo さん、どうも(^^)。

「女性の役割」ですか。
「お茶くみは女の仕事か」みたいなことが話題になった時代があり、若かった私は、それを女がすることが当然のようにされるのはイヤだなぁと思っていました。
しばらく前にうちの職場に新しい管理職が来たんですが、彼女が朝、スタッフルームでコーヒーを用意してくれるんですね。アメリカ人はコーヒーを飲むもの、と思っていた私には信じられないくらい、みんなコーヒーを飲まない職場だったんですが、遅番の私がスタッフルームに入っていくとコーヒーの香りがして、気持ちよく仕事が始められます。またトイレに絵を飾ったり、小さなテーブルを置いて花やポプリを置いたり。と、なんかそういうちょっとしたことが気持ちよく仕事をするのに重要だなぁ、と。女性だからできるというわけではないでしょうが、サポート的というかアシスタント的な仕事をすすんでやるっていうのもいいことだなぁと思います。彼女は他の面でも有能で、彼女の前の管理職が大変な人だった(^^;)だけに、みんな彼女が来たことを歓迎しています。
「ニコニコ」は男でも女でも重要ですよね。私は旅が好きですが、言葉の通じないところでも、基本はスマイルだと思っています(^^)。
私の場合、残念ながら「女ってお得」と思ったことはあんまりない(--;)のですが、どうして自分が女に生まれてよかったと思うのかっていうことについては以前書いたことがあるので、お暇があったら見てみてくださいね(忙しいのにわざわざ読むほどのものではないですけど(^^;))。
http://jarinko.tea-nifty.com/blog/2004/11/post_2.html

投稿: じゃりんこ | 2006.05.23 23:14

書き込みが遅くなりましたが、楽しく拝見させて頂いてます。
女性ならではの楽しみってありますよね。(もちろん男性ならではもありますけど)

ほんと、じゃりんこさんのブログは勉強になりますm(__)m


そう言えば、ミクシィにもいらっしゃいましたね(笑)

投稿: tabeo | 2006.05.26 18:50

tabeo さんのブログでブラジルの映画が紹介されていたのでコメントしようとしたら、リンク先にミクシィのIDがあったので...はてなではリンク先が示されるんですね。
いろいろおもしろい映画を見ておられますね。
お仕事もおもしろそう(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2006.05.27 00:06

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