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映画「ナイロビの蜂」The Constant Gardener

私にとってはいい映画だった。この映画を見なかったら気づかなかったようなことに気づかせてくれた。

この映画に描かれているようなことは実際にあることなんだろうか...先進国の製薬会社がアフリカの人たちを実験台にして自分達の利益を追求する。政府もそれに加担している。それに気づいて告発しようとした人が殺されてしまう...殺されてしまう、までのことはないにしても、これに近いことはあるのだろう...
送られてくる救援物資の実体は使用期限の切れた薬品。無料でエイズ検査や結核検査を行っている製薬会社の真の目的は...

広大なアフリカの風景。優雅に飛んでいく鳥の群れ。ひしめきあう貧しい家。...そんななかで、最後のほうに映し出された子どもたちの笑顔が印象的だった。

ラブストーリーとしては共感できない部分があるけれど、映像の持つ力を感じさせられる作品だった。

(以下ネタバレ)

テッサは素敵な女性だと思う。おかしいと思うことに対して率直に発言し、言うだけでなく、実際に行動もする。スラムのなかに入っていく。有力者に対して直接に訴える。それでいて、バリバリの活動家というイメージでなく、子ども達と同じ目線で会話する優しさがある。夫や仲間と冗談を言い合うやわらかさがある。彼女の笑った顔は本当に魅力的だ。
ただ、私が納得できないのは、大切な話を一番大切な人に話さなかったことだ。夫をまきこみたくなかったから?夫には理解してもらえないと思っていた。確かに、死産した病院から帰る道で、彼女の隣で生まれた赤ちゃんを抱いて遠くの家まで歩いて帰る子どもを車に乗せるのを拒否する夫だ。彼女にとって、不正をやめさせる闘いは大事なことだった。これをやめたら彼女が彼女でなくなってしまうようなことだ。そのことを話せない夫が彼女の最愛の人だったのか。黒人医師アーノルドのほうが彼女のよき理解者だっただろう。恋愛は理解とはまた違うことだから?...多分そういうことなのかもしれないけど。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

じゃりんこさん、先を越されてしまいましたね。(^_^) 先週、観に行くつもりが、まだ行けずにいます。 そんな映画とは全く知りませんでした。

話がそれるかも知れませんし、素人なので間違っているかも知れませんが、ちょっとだけ。 RENTの中ではAZTという薬が使われていましたが、AZTはARV(抗レトロウィルス薬、(核酸系)逆転写酵素阻害剤)の一種で、このARVがアフリカの国々でも無料で手に入るようになってきているのです。 そのおかげで、寝たきりだった人が、普通に仕事ができるようになったりしています。 私もそういう人たちにたくさん会いました。

ARVにもいろいろな種類がありますが、日本での薬価は一番安いAZT(ZDV)[1回2カプセルを1日2回服用]が100mg331.30円 、1日400mg処方の場合30日で39,756円、AZT/3TC併用の場合は1錠1,958.80円、1日2錠処方の場合30日で117,528円、一番高いのがddcの0.375mg707.50円、1日2.25mg処方の場合30日で127,350円です。

アフリカの普通の人たちはとてもそんなお金は払えませんが、インドや南アフリカでコピーした薬が安く出回るようになったのです。(価格が1/10くらいらしいです。) 特許よりも人命という世論に押されて?、大手製薬会社が特許権侵害の訴えを取り下げたからです。

ただ、そのようなコピー薬は、ケニアの場合、確か3種類の古くからあるARVだけで、薬剤耐性化した患者に対して、新しい、まだ特許権の問題のあるARVを提供することができません。 RENTにもあったように毎日きちんと薬を飲まなければならないのですが、それをやめるとすぐに耐性化してしまうのです。

それから、アメリカのCDC(Centers for Disease Control、米国厚生省疾病管理・予防センター)はケニアのキスム(私が行っている町です)に研究施設を持っており、ARVを使った治療や、ARVの使い方の研究をしています。

確か1994年だったと思いますが、フィリピンでBeyond Loveというドキュメンタリーの本を読んだことがあります。 AIDSの病原体の同定で、フランスのパスツール研とアメリカのNIH(National Institutes of Health、米国国立衛生研究所)が競争するという話でした。 NIHの研究員がパスツール研から標本を盗んだという話(これが事実であることは後にNIHが公式に認めました)には唖然とさせられました。 Beyond Loveの原作者はフランス人のDominique Lapierreで、City of Joy(アメリカ人の若い医師がカルカッタに赴任したときの話で映画化されてます。マザー・テレサも出てきます)なども書いています。

以上、周辺情報でした。

投稿: axbxcx | 2006.05.31 00:05

axbxcx さん、

周辺情報、ありがとうございました(^^)。
アフリカでエイズの治療薬が無料で手に入るようになってきているとのことですが、その費用は誰が負担しているのでしょうか。...この映画を見ると、それは結局製薬会社の利益になっているのでは、と勘ぐりたくなってしまいますが...axbxcx さんはもう少し詳しい事情をご存知のようですから、映画をごらんになったらぜひ感想を聞かせてくださいね。

シティオブジョイは好きな映画でした。その作者が書いたドキュメンタリーの話とはおもしろそうですね。でも、医療関係の話を英語で読む気力は今はちょっとありませんが(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2006.05.31 16:38

じゃりんこさん、大手製薬会社は特許権を放棄した訳ですから、儲かっているとしてもインドや南アフリカでコピー薬を作っている会社でしょうか。 1/10の価格で売ってどれだけ儲かるのかは私にはわかりません。

それからお金を出しているのは「あなた」だと思います。 詳しくは知りませんが、2002年度から3年間に、日本は2億6,500万ドルを世界エイズ・結核・マラリア基金に拠出していますし、二国間の協力を加えれば、もっと大きな数字になるはずです。

個人的には、そのようなお金のかなりの部分が人件費に消えているように見えることが気になります。 現場の役人が、本来の業務をやるのにも日当・交通費・謝金を取っているからです。 給料が安いのはわかりますが、例えば村でセミナーをやるのに1日3,000円と言うのは…。 そして、四輪駆動車にオートバイ…。 村でワークショップをやっているのに、村の人より役人の方が多いなどということすらあります。 もちろん、日当・交通費が出るからです。(出席するだけで日当が貰えることをsitting allowanceと言います)

ちょっと皮肉っぽくなってしまいましたが、それでも現場の役人たちは、中央よりよほどましだと思っています。 さらに、それが中央の政治家になると、年収が何億円だか何十億円だかわかりませんし…。

投稿: axbxcx | 2006.05.31 20:15

日本での薬価はすごく高いですが、10分の1の値段でもインドとかなら同等に近い価値があるのかも...

今日、昼休みにフィリピン出身の同僚と話していたんですが、彼女はフィリピンでは看護婦をしていたそうです。そしてフルタイム労働で1ヶ月の給料は200ドル以下だったとのこと。それでも「フィリピンの物価から考えたらやっていけるっていうことはないの?」と聞いたら、やっぱりきついと言っていました。ご主人はフィリピン人ですがアメリカの市民権を持っているので、今、彼女のおとうさんを引き取ることを考えているとのことでした。以前も、フィリピンに自分の子どもを残してうちの保育園で働いていた人がいましたが、普通に働いてもなかなか思うような暮らしのできない国というのがあるのですね。日当3000円と言われたらとびつきたくなるでしょうね。

エイズ基金とかいうのがそんなふうな人件費に消えているとは考えたことがありませんでした。ホワイトバンドも、売り上げの大部分は直接貧しい人たちのもとに届くわけではない、ということが説明不足だと批判されていましたが。

この映画では、また少し違った角度から製薬会社のやり方が描かれています。それってありそうな話なのかまったくのフィクションなのか、axbxcx さんの感想を聞いてみたいな、と思っています。

投稿: じゃりんこ | 2006.05.31 21:23

1/10を負担しているのは「あなた」で、ケニアなどでは無料で配布していますから、患者の負担はゼロです。

それから、給料については、ブログにも少し書いたと思いますが、サトウキビ農場で働いて1日50円とか、そんなものです。 現場の役人の給料は8,000円くらいです。 フィリピンと一般のアフリカの国ではまた5倍もしかすると10倍給与水準が違うとお考えください。 ただ、フィリピンも大金持ちがいることで有名ですが、アフリカもとんでもないです。

投稿: axbxcx | 2006.05.31 21:28

あ、それから現場の役人の日当3,000円は、政府の規定です。 役人が正式に受け取ってよいことになっているのです。

投稿: axbxcx | 2006.05.31 21:30

だから10分の1の価格で売ってもそこの会社としてはかなりの儲けになるわけですよね。でも、大手製薬会社はまったく儲けを放棄したのかどうか...とちょっと勘ぐってしまいます。

現場の役人の給料が8000円で、日当が3000円ですか...自分の1か月分の給料の3分の1以上を一日でもらえるというのはすごい話ですね。どうしてそういうことになっているのかまったくわかりませんが。さらに、それ以上のすごいお金持ちというのもいるのですね...

投稿: じゃりんこ | 2006.05.31 21:42

どうも私の説明がうまくないようで。 また周辺情報になりますが、ちょっとだけ。

1.まず特許料は著作権と同じで、当然必要なものだと思います。 なければ調査研究が進まないでしょうから。 ですから、問題は南北の格差があり過ぎて、先進国の中では機能しているシステムが世界的には通用しないことにあって、それにどう対応するかが問われているのかなと…。

2.1/10の価格で売って大儲けがどうかは私にはわかりません。(コピー薬を作っているところが本来の製造元に特許料を払っていないのですから、本来の製造元が儲かっていることはないと思います。) ただ、南アとその他のアフリカの国では所得水準が桁違いなので、ケニアでは大儲けでも南アではカツカツということがあり得ます。

2004年の一人当たりGNI(世銀)で比べると、日本は世界9位、37,050ドル、南アフリカは92位、3,630ドル、フィリピンは136位、1,170ドル、インドは159位、620ドル、ケニアは171位、480ドル、マラウイは201位、170ドルとなります。

つまり、同じ南部アフリカにありながら、南アとマラウイの所得格差は20倍以上ということです。 技術的にも、南アでしかできないものがたくさんあると思いますし、南アにはトヨタの工場もあります。 ただ、南アの貧しい人は、マラウイの貧しい人と同じくらい貧しいのではないかというのが私の想像です。 そうなると、20倍以上の格差というのは、南アとマラウイの間に存在するだけではなく、南アの内部にも存在することになります。

3.ケニアやマラウイでは、ちょっと大きなお店や工場はンド・パキスタン系の人がやっていることが多いのです。 ケニアの場合、インド・パキスタン系の人が8万人いて、商工業を押さえている訳です。 アミンの時代にウガンダがインド・パキスタン系の人たちを全て追放した背景には、そういうことがあります。

4.役人に手当てを払うシステムができてしまった理由は、もちろん援助が入ったからです。 国際機関や各国の援助機関、NGOが入れば、国際水準の給与と国内水準の給与の格差からどうしても給与水準が上がりますし、人材の取り合いになりますから…。 ケニアなどでは、ナイロビ大学を出た一番のエリートが、国際機関や国際NGOを希望するのです。

その上、次官クラスの役人には世銀から国際水準の給料が出たりすることもあります。 また、正確には覚えていませんが、ケニアの反独占委員会委員長の月給は350万シリングだったか、日本の首相より高かったと思います。

もう一つの背景は、雇われコンサルタントの存在です。 植民地時代からの伝統で、役所の局長クラスに、白人やインド系の人を外から雇っていたのです。(日本も明治の始めはそうだった訳ですが…。) そういう人たちは、当然、国際水準の給料ということになります。

例えばマラウイの場合、局長クラスの役人は役所を一旦やめて、役所とコンサルタント契約を結びます。 そうすると給料が三倍くらいになったりする訳です。 昔は外の人間がそれをやっていたのでしょうが、いまはマラウイの普通の役人がそれをやるのです。

また国際機関のプロジェクトのマネージャーになっても話は同じで、役所から出向する形で三倍くらいの給料が貰えたりします。 その上、車やパソコンも自由に使えます。 そうなると、優秀な人は国際機関のプロジェクトを渡り歩くようになり、上しか見ない、留学したり海外に研修に出ることばかり考えて現場を見ない、当たり前ですよね。

もっとも、こちらも日本に家族がいますから、国際水準の給料で働いている訳で、何だか後ろめたい気持ちはあります。

以上、参考になったかどうかわかりませんが…。 いずれにせよ、私は全てがグレー、アナログだと思っていますので、誰かだけが悪いとか、誰かだけが儲けているとはあまり考えません。 マスコミや映画を作る人たち、そして政治家は、単純化して○×で話をするのかも知れませんが…。

投稿: axbxcx | 2006.05.31 22:47

axbxcx さん、

いつもながら丁寧な解説をありがとうございますm(^^)m。
>問題は南北の格差があり過ぎて、先進国の中では機能しているシステムが世界的には通用しないことにあって

結局そういうことなんだろうなぁと思います。
じゃあ、フェアトレードってどういうことをやってるんだろうとかって疑問がわいてきたりするんですが、これ以上、axbxcx さんに無料国際関係講座をお願いするのは心苦しいので、また自分で調べてみるようにしたいと思います。

>いずれにせよ、私は全てがグレー、アナログだと思っていますので

これを読んで、昔々、白黒をつける云々という話をしたことを思い出しました(^^;)。覚えておられるかどうかわかりませんが...axbxcx さんは変わっておられないなぁと(^^)。axbxcx さんにすれば、私のものわかりの悪さも相変わらずだなぁというところでしょうか(^^;)。

放送大学、フィールド社会心理学の通信指導課題が「印刷教材では住民の合意形成過程が震災後のマンション復興について詳述されているが、住民の合意形成が求められる具体例を身辺からとりあげ、その建設的な解決の条件を箇条書きにして考察しなさい」というもので、まったく手が出せずにいます(--;)。今週末にやっつけで作文することになりそうです。

投稿: じゃりんこ | 2006.06.01 00:17

半分寝ぼけて書いていたので、反汚職委員会とするべきところを反独占委員会としていました。 失礼しました。

住民の合意形成、なかなか難しい宿題ですねえ。 現場では同じ土俵で話ができるようにする手助けができればと思っています。 土俵にのらないと議論にすらならないですから…。 逆に話が始まれば我々の仕事は終わりです。 あとは外部の人間がとやかく言うことではありませんから…。

「白黒」、覚えてませんねえ。(^_^; ただ、現場に関われば関わるほど、「羅生門」(藪の中)の世界になって来て、一人一人真実は違うと思わざるを得ないのです。 一つの正解があるのなら正解を見つければよいのですが、正解がないのであれば合意点を見つけるしかないし、合意点は事前には誰にもわからないということになります。

投稿: axbxcx | 2006.06.01 00:46

axbxcx さん、

「すべてがグレーと言われるけれども、震災後のマンションを建て替えるか修復するか、のように、どちらかを選択するしかない、白黒をつけなければいけないときがある」みたいな話をしたことがあったので、つい、今、頭の隅にひっかかってる課題のことを思い出したわけです。

今、「お笑い裁判傍聴記」という本(マンガ)を読んでいるのですが、グレーのことに白黒をつけようとする試みのむずかしさというかほとんど荒唐無稽の行為が行われていることもあるらしい、というような実態を読んで、白黒をつける、あるいは妥協点を見出すというのは多くの場合大変なことで、こんな簡単に課題に出されてもなぁーと文句を言いたくなってしまって。

あ、ここでグレーとか白黒とかの話を蒸し返すつもりは毛頭ありませんので(^^;))。

投稿: じゃりんこ | 2006.06.01 07:47

今年80になる私の父(「市民からの環境アセスメント」という本を書いています)は、投票の結果が60:40だったら、それは60人が白、40人が黒ということではなく、それぞれの人の中で白60、黒40というような葛藤があるはずだという言い方をしています。 白の人も黒の人もいなくて、全員がシェードの違うグレーだという可能性があるということです。

私が言いたかったのも、白黒はつかないことが多いということだったのです。 妥協点は白黒じゃなくて、グレーなんです。 世の中、白じゃなければ黒などという単純なケースはほとんどなくて、実は複数の要因が複数の度合いで絡まっていることばかりで、それをまるで白か黒かしかないような二分法、あるいはリニアな考え方で議論してしまうことにこそ、根本的な問題があると感じているのです。

震災後のマンションの宿題も、私なら土俵を整理する方法を考えるだろうと思いました。 決して二者択一ではなく、どのような選択肢がどのレベルにどれだけあるかを整理するということです。

例えば廃棄物処理場に反対だとして、それが絶対反対なのか、家の前にできるから反対(いわゆるNIMBY:Not In My Backyard)なのか、廃棄物処理場の場所の選定に合理性がないから反対なのか、廃棄物処理場自体が必要ないと思っているから(ゴミの量を減らせば解決する、他の処理場が使える、ゴミの総量は減らせなくても分別するだけで処理量が減らせるなど)など、いろいろな考え方があるはずです。 それを廃棄物処理場に賛成か反対かで白黒つけただけでは、何の解決策にもならないと思います。

ですから、そのような要因を丁寧に土俵に載せ、比べられるものは比べ、比べられないものは分けるという作業をすることで、より建設的な議論ができ、よりよい妥協点=合意に達することができるというのが、私の考え方です。 私なら、宿題をそのようなやり方で整理すると思います。

震災後のマンションについてはまったくわかりませんが、完全に崩壊したのでなければ、何もしないか完全に建て替えるかという二分法だけではなく、例えばどうしても必要なところだけ補強する、一部建て替える、何もしたくない人はある程度のお金を貰って出て行くというような形で、様々な妥協があり得たのではないでしょうか?

投稿: axbxcx | 2006.06.01 09:21

今日は映画の日で1,000円だったので、「ナイロビの蜂」、観て来ました。 まず邦題、ようやく意味がわかりましたけれど、ほとんどパズルですね。 原題(The Constant Gardner)が訳しにくかったのはわかりますけれど…。

映画としてはとてもよくできていると思いますし、まったく眠くなりませんでした。 背景もリアルですし、メッセージも明確です。 けれど…

アフリカの景色もケニア(やスーダン?)の人たちもただの小道具だと思いました。 お金をたかるだけの警察官はもちろん、アーノルドも、まったく人間として描かれていないからです。 白人の話、白人の映画ということであれば、それでよいのかも知れませんが、現実は何も描かれていないのではないかと感じました。

あと、蜂の悪玉は「ヴェロニカ・ゲリン」の印象が強かった役者だったので、出てきただけでどんな人間かわかってしまう感じでした。(それがよいのかどうかわかりませんが…。) それはUN/WFPのパイロット役も同じで、多分「名もなきアフリカの地で」でとてもよかった人(ルオという部族の役者です)なので、出てきた途端、いい人だと思ってしまいました。

それからHIV/AIDSですが、どこでも罹患した人が多いという訳ではなく、ビクトリア湖畔の我々のいるところ(上述のルオという部族の地域)が突出して高いのです。 ホマベイ県は全国六十数県の中で貧困度が最下位で、HIV+が全国平均の三倍以上です。 ですから、なぜツルカナなんだろうとは思いました。 ツルカナ湖の景色を使いたかったからでしょうか。 ツルカナ族は遊牧系で、カトリックが多く、FGMもしませんから、恐らく、罹患率は低いだろうと…。

また、保健大臣が5万ドルでそういう危ない話に動くかどうかも「?」と思いました。 何しろ、軍艦が消えてしまう(9.11の後、買ったはずの軍艦がないのです)国ですから、何百億円というようなお金が動いているのではないかと思います。

それから大製薬会社の話ですが、当然あり得るだろうと思いますが、私にはまったくわかりませんし、また現場で見たことも聞いたこともありません。 「国境なき医師団(MSF)」やイギリスや日本のNGOなどが活動しているのは知っていますが…。

個人的には、例えばイラクに関してテッサとほとんど同じ観方です。 そしてそういう人は結構多いだろうと思っています。 でも、彼女のようなことはしないでしょうねえ。 違うやり方で、自分の理想を追う、目的を達成しようとすると思います。

それから、イラク侵攻に反対したクック元外相や、イラク侵攻に抗議して辞任した女性のショート国際協力相のような人たちがトップにいたことを思うと、あのイギリスの外交官の描き方にはちょっと複雑な思いがあります。

投稿: axbxcx | 2006.06.01 18:20

axbxcx さん、

映画としてはよくできているけれど、現実は何も描かれていない...ですか。アフリカを知る人にとってはそういう印象になってしまうのですか。

西洋の人にとっても私たちにとってもアフリカは知らない世界です。この映画は、映像という形で少しアフリカの現実を知らせてくれたし、先進国とアフリカの関係を考えさせられるきっかけになっていると思います。アフリカの人たちが人間として描かれていないということですが、アフリカの人たちのことを描くというより、アフリカと関わっている西洋の人たちのことを描くのが主眼だったのだと思います。

ナイロビの蜂という邦題は原題をそのまま訳したりカタカナでの邦題にするよりは映画の雰囲気を伝えるのに貢献していると思います。私にはこれ以上の訳は思いつきません(^^;)。

詳しい感想をありがとうございましたm(_ _)m。

また、宿題のヒントもありがとうございました(^^)。「住民の合意形成が求められる具体例を身辺からとりあげ」ということなので、駅前開発のことを書こうと思っているのですが、何年も争われている問題で、私などがちょろっと「建設的な解決の条件」なんて書けるはずもなく...でも、言っていただいたように、ひとつずつ論点を整理する感じでレポートは書けるかな...がんばります(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2006.06.01 21:31

また長くなりますが、お許しください。 初めてアフリカに行ったのは1999年ですが、以来、ケニアで約20ヶ月、マラウイで9.5ヶ月、ウガンダで40日過ごしていますから、どうしても思い入れがあるのです。 今後もできるだけアフリカに行きたいと想っています。

アフリカを描いた欧米の映画のDVDとして、メリル・ストリープ主演の「愛と哀しみの果てに(Out of Africa)」(1985アカデミー作品賞)、キム・ベイジンガー主演の「永遠のアフリカ(I Dreamed of Africa)」、それからドイツの女性監督カロリーヌ・リンクの「名もなきアフリカの地で(Nowhere in Africa)」(2003アカデミー外国語映画賞)を持ってますが、ケニアの人たちが単なる「環境」ではなく一番「人間」として描かれている気がするのは、「名もなきアフリカの地で」です。 もしまだご覧になっていなかったら、レンタルでお試しください。 私がバリンゴ県というところにいた頃に撮影されていますので、顔見知りの村の長老がちゃんとセリフのある役で出ていたりします。

それから「愛と哀しみの果てに」のケニアの景色、特にフラミンゴが舞うところの空撮には参りました。 あれを観て、アフリカに行きたいと思いました。

「永遠のアフリカ」も実話の映画化で、バリンゴ県の隣りのライキピア県というところで撮られており、モデルになった女性はいまもロッジを経営されています。 ただ残念ながら、映画としてはあまりできがよくありません。

http://www.gallmannkenya.org/aboutus.php

もう1本、ドキュメンタリーですが、レ二・リーフェンシュタールという女性の「アフリカへの想い(Her Dream of Africa)」という映画があります。 レ二・リーフェンシュタールが1960年代に撮ったスーダンのヌバ族の写真には、鳥肌が立ちました。 去年の11月にAfricaという写真集が復刻されたので、高かったのですが買ってしまいました。

http://www.leni-riefenstahl.de/eng/dienuba/1.html

このレ二・リーフェンシュタールは、ナチスの党大会や、1936年のベルリン・オリンピックの記録映画(「民族の祭典」「美の祭典」)を撮った人で、戦後、何かと批判されていましたが、スゴイ人であることは間違いないと思います。 70過ぎてからダイビングを始めて、海洋映画を撮ってしまったり、上述のドキュメンタリーのときには既に90台でした。 3年前に101歳で亡くなっています。

そうですね、いま思ったのですが、きっと日本人が「SAYURI」(観てませんが)や「ラスト・サムライ」や「ロスト・イン・トランスレーション」を観て感じるよそよそしさを、私はケニアの映画に感じているのかも知れませんね。

投稿: axbxcx | 2006.06.02 00:33

axbxcx さん、

いつも丁寧なコメントをありがとうございますm(^^)m。

>きっと日本人が「SAYURI」(観てませんが)や「ラスト・サムライ」や「ロスト・イン・トランスレーション」を観て感じるよそよそしさを

ああ、なるほど。私も SAYURI は見ていませんが、そんな感じなのか、とわかる気がします。

「名もなきアフリカの地で」は2年ほど前ビデオで見ました。あの料理人の人がいいなぁと思って、映画生活のサイトを見たらaxbxcx さんの書き込みを見つけ、ああ元気にされているんだなぁと思ったことがあります(^^)。でも、この作品がすごく印象に残っているということはないのですが。
確かに「ナイロビの蜂」と比べるとアフリカの人が環境でなく人間として描かれている、というのはそうなのかもしれないな、と思います。

投稿: じゃりんこ | 2006.06.02 23:49

あ、書き込み見られてましたか。(^_^; あの料理人(シデーデ・オンユーロ)が「ナイロビの蜂」ではUN/WFPの飛行機のパイロットになっていたのが、一目でわかりました。 彼はルオ族なのですが、私がいま行っているビクトリア湖畔のニャンド県・ホマベイ県は大半がルオ族です。 特典で彼のインタビューを観ましたが、実にいい受け答えをしていました。 頭のいい人です。 「これまではマサイの闘士とか、絵葉書のような役しかなかったが、今度は本当に演技ができた」と言っていました。

「名もなきアフリカの地で」は実話で、ドイツに戻ってからのSomewhere in Germanyという本もあるらしいのですが、まだ見つかりません。 カロリーヌ・リンクは大好きな監督の一人で、「ビヨンド・サイレンス」「点子ちゃんとアントン」もよくできています。

投稿: axbxcx | 2006.06.03 00:05

axbxcx さん、

>これまではマサイの闘士とか、絵葉書のような役しかなかったが、今度は本当に演技ができた

なるほど。axbxcx さんが「環境ではなくて」とおっしゃるのがわかる発言ですね。

「ビヨンド・サイレンス」などもまたそのうち見てみようと思います。

投稿: じゃりんこ | 2006.06.03 00:35

映画見ました。

原作には「イヴェット・ピエルパオリに捧げる」との謝辞があり、調べてみたらアルバニアで殺害された慈善活動家で、テッサのモデルになっているのですね。人道支援のための資金を得るためには男性と関係を持つことさえ厭わなかった方のようです。

ここ数ヶ月アフリカをテーマとした映画を中心に見ています。こちらのコメントでまだ見ていない映画をたくさん知ることができました。感謝です。

投稿: ETCマンツーマン英会話 | 2014.06.12 13:06

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