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本「食品の裏側」by 安部司

おもしろかった。著者はもと食品添加物商社のセールスマン。添加物のすごい効き目に感心し、日本一の添加物屋になろうと決心。日々、添加物について学び、現場にでかけて何が必要とされているかを知り、適切なものを開発、売り込んでいく。添加物のおかげで安くて美味しいものができる。この仕事に誇りを持って嬉々として取り組んでいたのだが、ある出来事をきっかけとして、この人は添加物屋をやめてしまう。

私は、添加物についてはある程度気をつけているつもりだった。醤油,味噌、みりんなどの基本的調味料はまともなものを買うようにしているし、食材はできるだけ生協で買う。それでも知らないことはいろいろあった。ワケのわからないカタカナが並んでいるような食品はなるべく買わないようにしていたが、「たん白加水分解物」「ブドウ糖果糖液糖」などのように日本語になっているものにはそれほど気をつかっていなかった。それらは「調味料(アミノ酸等)」と同様、あまりにも多くの食品に含まれているし、名前から受ける印象はそれほど悪いものには思えないからだ。

一括表示のカラクリにも驚いた。化学調味料として何種類使用しても、同じ目的のために使う添加物は「調味料」と一括表示することが認められている。独特の味を出すために、調味料は何種類も使用されているのが普通なのだそうだ。そして、それらは、「グルタミン酸ナトリウム、アミノ酸、5'ーリボヌクレオチドナトリウムグリシン」と書くかわりに「調味料(アミノ酸等)」ですんでしまう。メーカーは、一括表示にするためにわざわざ余計な添加物を入れることまであるという。グリセリン、プロピレングリコール、とふたつの軟化材を用いれば、具体的な成分名ではなく、「軟化材」と表示するだけですみ、消費者に与える印象がソフトになる。乳化剤、PH調整剤、イーストフードなどについても同じだ。

保育園児に無果汁ジュースを作る過程を見せる講演もおもしろそうだった。この本は、添加物の毒性についていろいろ書かれているわけではない。しかし、それを作る過程を見ていれば、自分では食べる気にはなれない、というものは..

今日は、放送大学の面接授業が遠いところであり、帰りが遅くなるので、夕食は近くに新しく出来たレストランですませた。農家と契約した野菜を使い、調理に良質の水を使っていることをうたい文句にしているレストランだけど、「あのカット野菜(?)は大丈夫なのかな」などと娘達とあれこれ考えてしまった。そのあと、スーパーに寄って、いろいろな食品の表示を見てしばし盛り上がった(^^;)。

事情を知っても、添加物とまったく無縁の生活を送ることはできないだろう。お弁当などにはどうしても「レンジでチン」の冷凍食品も使ってしまう。生協で買っているものでも、結構いろいろな添加物は入っている。この本を読んだからといって、我が家の食生活が劇的に変化することはないけれど、知ることができてよかった。少なくとも、いつも冷蔵庫に常備していた生クリームの代用品ー植物性油脂を原料としたものーを今日は買うのをやめてしまった。これは生クリームよりも長持ちするうえ安いので、冷蔵庫に常備しておくと、思い立ったときにすぐ、キッシュや、かぼちゃのスープを作ったりするのに便利で重宝していたのだけれど...お弁当の冷凍食品はすぐにはやめられなくても、できるだけ添加物の少ない食生活をおくるようにはしたいと思う。

食品の裏側
安部 司著

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コメント

くさらないグレープフルーツを不思議に思う。
友人のお子さんで、アトピー体質の子供が沢山います。
一人、二人ではありません。
徐々に体内に添加物の影響が出てきたのかしら?
・・・でも、便利さ、安さにひかれて買っている私です。

投稿: まみ | 2006.10.23 09:54

まみさん、

そうですね、アトピーとか花粉症とかは、添加物が関係していそうな
気がしますね。気だけですけど。
私も添加物のまったくない生活はできないと思います。
ある程度気をつけて、それ以上はあまり神経質にならないように...
と思っていたのですが、実際に添加物を加えている現場を見たら
食べられなくなるのかなぁ、と思って、やっぱりできるだけ
減らそうと思いました。
著者の方は、「添加物をやめろ」と言っておられるわけではなく、
ただ、どんなふうな実態なのかを知らされていないのが問題、と
書いておられます。実態を知ったうえで、食べるか食べないかは
個人の判断ということです。

投稿: じゃりんこ | 2006.10.23 21:51

値段には理由がありますよねー。
植物性クリーム^^;これ↓の時から買わないようにしてるけど
http://yasaizukip.exblog.jp/3645183/
泡立てないものを作るときには1,2度買ったかも。
で、昨日はなんとなく、ここを読んだあとにお買い物だったので
純生を買ってしまいました^^
自分が食べる分には添加物が入ってても、もういいか、と思うけど
子供たちに食べさせるのは一応避けたほうがいいかな、と
思ってしまいます^^;

投稿: ぴよ♪ | 2006.10.24 06:42

ぴよ♪さん、

ぴよ♪さんが植物性の生クリームもどきを買わないと決めた理由は添加物云々というわけではないのね。やっぱり本物は違う、と気づくということですね。
私は、この日、ちょうど生クリームもどきがきれたところだったので、スーパーで買おうかな、としてやめました。でも純生クリームのものは日持ちしないから、買い置きしておくっていうことができにくいんですよね。まあでも、ある程度献立を考えて買い物をするしかないですね。

この本の著者も、添加物が子どもに与える影響について心配しておられました。添加物の入った濃い味に慣れて、子どもの味覚がこわれていく。毒性云々についてはあまり書いておられないのですが、『食物を食べるということは命をいただくことであり、食が簡単なものになって「命をいただいている」という実感がない子は命を大切にすることができないのでは』と書いておられて、なるほど、と思いました。

投稿: じゃりんこ | 2006.10.24 19:40

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