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かんしゃくを起こす子

これだけは知っておきたい保育の禁句・保育の名句という本を読んだ。幼稚園の園長先生などをされた方の書かれた本だけど、「うーん...」と思ってしまうようなことが多かった。「こんな言い方をしてはいけない」とか、保育者ならみんな(理想としては)わかっているようなことが多いけど、現実に問題行動が起きたときにどう対応するのか、というのはやはりむずかしい。

たとえば、「自分の思い通りにならない時に、すねて、通常の行動をとらなくなり保育者を困らせる子が時にあります。」(p.162) として、誰彼なく見境いなしに八つ当たりして暴れる子の例を出しておられる。

私の担当したクラスにも、自分の思い通りにいかないと、椅子を倒したり、クレヨンを投げ捨てたり、誰彼なくたたいたりする子がいた。その行動は、誰かがその子のおもちゃををとったとか、ちょっとしたきっかけで起こり、いったん起こると、原因となった子があやまったとしてもおさまらず、危ないので、ひとりの保育者がその子につきっきりにならざるをえない。そういうわけで事務の人に電話をして管理職にきてもらって園長室でその子と話をしてもらったりする。

この本の著者の場合も、「こんな子を園長が担当することがよくあります」と書かれている。

で、園長に強くしかられるだろう、と覚悟して入ってくる子に対し、この園長先生はしばらく何も言わず、まったく違う話をするんだそうだ。虫の好きな子には虫の話、別の子にはディズニーランドの話、など、楽しく話したり遊んだりし、最後に注意をすることもあれば、注意をしないこともあるという。こんなことが2,3回続けば、「園長はしからない」ということを理解して園長のいうことを素直にきいてくれるようになるという。長い目でみることが必要だ、と。

確かに長い目で見ることは必要だと思うから、こういう対処の仕方がまちがっている、ともいえないと思うけど....

私の担当したクラスにいたAの場合、父親が長期出張に行ってからその行動が始まったのだという。誰も何もしていないのに、突然、目に涙がたまって、暴れだす、ということもあった。どんな事情があっても、人を傷つけてはいけない、ということをわかってほしい、と思ったけど、むずかしかった。ある日、彼は園長先生のところに行ってママに電話をしたかったらしいが、その日対応してくれた副園長先生が「ママに電話はしない」と言うと、相当暴れたという。しかし、5分くらいするとかんしゃくもおさまり、やがてはちらかしたおもちゃやらなにやらを片付けたそうだ。

彼が落ち着いているときには、家のことを話してくれたり、楽しめる活動もあったのだけど、いったんかんしゃくが起こると、どう対応していいかわからなかった。
私が別のクラスに移ってからも、時々、園長室に向かう彼と保育者を見かける。こういう子にはこういう対応を、という完璧なマニュアルなんてないんだろうな。この本の著者のようなやり方もありなのかもしれない。この子の行動がすぐに変わることはないだろうけど、この子が「自分はダメな子」だと思ってしまうこともないだろうから。

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