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ビデオ「美しき運命の傷痕」L'Enfer

歯の浮くような邦題だけど、原題のフランス語の意味を調べてみると「地獄」。事実、そういう内容の話だが、登場している女性達にみんな存在感があって、最後まで見てしまった。

夫の浮気に悩む長女のソフィ。老人ホームに入って物言わぬ人となった母を毎日訪ね、近所に住む老女にも優しくしている次女のセリーヌ。不倫相手の大学教授から別れを告げられた三女のアンヌ。どう考えても楽しい話になりそうではないけど、絶望にうちのめされる、という感じの終わり方にはなっていないところが救い。

監督が「ノーマンズ・ランド」のダニス・タノヴィッチだと知ってびっくり。題材が全然違うので。でも、ひとりひとりの心の中身が見えてくるような描き方は共通しているのかもしれない。

ちょっとおもしろいと思ったエピソードをいくつか。(以下ネタバレ)


アンヌの不倫相手の大学教授の講義「偶然と運命」について。合理的に説明の出来ない不可解な出来事を合理主義者たちは「偶然」とよぶことにしたけれど、「運命」と考えるほうが好きだ、とこの教授は言う。そのほうが品がある、と。大学の講義にしては、なんとも学問的でない説明だけど、偶然のように見えることは実はそうでもないのかもしれない、と思うことはある。これに対して、後でアンヌが「私の存在は運命なの?偶然なの?」と教授に問い返すのは鋭くて好きだ。そもそもどうして彼女のように賢い人がこんな人にそれほど恋焦がれているのかがわからないけど...って恋はそういうものなのかなぁ。

もうひとつ。
バーで以前会った男に会うことを期待してエビアン(水)を飲んでいるセリーヌ。そこにやってきたその男が言う。エビアンのボトルに貼られているラベルを逆側から読むと naive. 「馬鹿な」という意味だ。「水なんかにお金を払っている君は馬鹿なんだ。」

男女間のドロドロした話は苦手なんだけれど、セリーヌが電車に乗っている場面が何度も出てきたり、チョコレート好きのおかあさんにいつもチョコレートを買っていっていたり、と電車とチョコレートの好きな私には妙にはまるところのある作品だった(^^;)。

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