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すみません

保育園の子供たちの給食のメニューはパスタとビーフをホワイトソースであえたもの。でも、いつものコックさんがお休みで違う人がキッチンだったので、いつもなら0歳児用に細かく切るかフードプロセッサーにかけるかしてあるのが、ビーフが大きくてこの子達に噛み切るのはむずかしそう。それで同室の保育者Mと話して、キッチンからナイフを貸してもらって細かく刻もうということになった。

キッチンはうちの部屋の隣だが、いつも食器洗い機の音やらなにやらで電話が聞こえないらしく、肉声で声をかけるほうが話が通じる。キッチンのヘルプの人が日本人の方なので、「すみませーん」と声をかけた。

部屋まで来てくれたヘルプの人に、入り口のところで事情を説明しナイフを持ってきてもらうようにお願いすると、「わかりました。持ってきます」と言って下さったので、また「すみません」と言って部屋のなかにもどった。

するとMが、「『すみません』と言うのは "Excuse me" という意味だと聞いてたから、話を始めるときに『すみません』って言うのはわかるけど、どうして話が終わったときも『すみません』なの?」と聞いてきた。なるほど、もっともな疑問だ。
「『すみません』は"Excuse me" の意味もあるけど、"Thank you" という意味のときもあるのよ。最後に言ったのはサンキューの意味のほうなの。」と言うと納得した様子だった。ついでに、「『すみません』は "I'm sorry" の意味のときもあるの」と話すと、「それ、聞いたことあるわ。だから、"I'm sorry" と言いたいときは『ごめんなさい』って言えばいいのよね」と言っていた。

『ごめんなさい』と『ありがとう』が同じ言葉で表される、というのはアメリカ人にとってはちょっとヘンな感じだろう。私がヘルプの人に最後に「すみません」と言ったのは「お手数をかけて申し訳ない」という気持ちがあるからで、でも「そうしてくださってありがとう」という気持ちが入っている。あの場面で「ありがとうございます」と言ってもいいけど、「すみません」と言うほうが日本語的には自然な感じがする。でも、もし英語で話していれば、あの場面では "Thank you" と言っただろう。"I'm sorry" と言ったら 「なんであやまるの?」という感じになると思う。「手間をとらせちゃってごめんなさい」という言い方なら、"No problem" (「いいのよ」)と返されるだろうけど。

富山弁では「ありがとう」というのを「きのどくな」と言う。たいしたことをしたわけでもないのに「きのどくな」などと言われると、そんなに気の毒がってもらわなくてもいいんだけど、と最初ちょっと違和感があるけど、「申し訳ない」と「ありがとう」がつながっている、というのがよくわかる言葉だと思う。富山出身の落語家立川志の輔さんがこの言葉について書いているエッセイ を見つけたので興味のある方はどうぞ。

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