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映画「リトル・ミス・サンシャイン」

楽しい映画だった。アメリカ人とは笑いの感覚が違うなぁと思うこともあるのだけど、これは可笑しかった(^^)。

アルバカーキ(ニューメキシコ州)在住の4人家族は、問題行動のために老人ホームを追い出された祖父(父の父)をひきとったばかり。そこへさらに自殺未遂を起こした母の兄をあずかることになる。父、祖父、長男、おじさん(母の兄)、と男達はそれぞれ独自の哲学を持つ個性の強いキャラクターで不協和音はどうしようもないが、7歳の長女オリーブが美少女コンテストに出場することが決まり、一家でミニバスを借りてカリフォルニアへ出かけることになった。

男達はそれぞれ自分の考え方に凝り固まっているから会話はかみあわないし、バスは調子悪いし、様々な出来事が起きて、はたしてコンテストに無事に到着できるのか、という事態になる...

登場人物の設定が見事で、エピソードのひとつひとつがおもしろい。映画を見てこんなに笑ったのは久しぶり(^^)。それでいて、なんかあったかい気持ちになれる映画だ。(ただし、お下劣ギャグはまったく受け付けない、という人は楽しめないかな)

以下完全ネタバレ、なのでまだ映画を見ていない方は読まないほうがいいと思います。

笑ったところはたくさんあるけど

フランクがおじいちゃんに頼まれてエロ雑誌を買っていて、昔の恋人に会う場面。
この雑誌がまた後で役にたったりして笑える。
亡くなったおじいちゃんを病院から運び出す場面にはびっくりしたけど、そのあとパトカーに止められて...
コンテストの会場に遅れたけれど、なんとか受付してもらった後、受付の人に「何か質問は?」と訊かれた父親の答え(^^)。
ダンスに登場したオリーブが「このダンスをおじいちゃんにささげます」と言ったあと、司会者に「おじいちゃんは今どこにいるの?」と訊かれたときの答え(^^)。

ちょっとかっこいいことを言っていたのはゲイのおじさんフランク。「18歳まで何もしたくない」と言う15歳の長男に、「人間は幸せなときは何も学ばない。苦労していたときこそ、後で思い出して、得たことがあるのに気づくものだ」とかなんとか。
こんな人見たことないなぁ、と思っていたら、"The 40 Year Old Virgin" に出ていた人(スティーブ・カレル)だとはまったく気づかなかった。役柄が違うとずいぶんと印象が変わる。

コンテストを明日にひかえて緊張しているオリーブ。「パパは負け組が嫌いだから」と涙ぐむ姿に胸が痛むが、それを励ますおじいちゃんがなんともステキだ。

今年1作目の映画は大あたりでした(^^)。

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コメント

私の場合、去年、最後に観て、「ああ今年一番の映画だったかも知れない」と思いました。(笑) 「イカとクジラ」もそうでしたが、最近は家族劇みたいなのがいいですねえ。 アメリカが内向きになっていることの象徴かも知れませんが…。

今年最初の映画は「愛されるために、ここにいる」だったんですが、暮れにみた「親密すぎるうちあけ話」と設定が似ているようなところもあって、フランスはフランスで熟年の出会いが流行かと…。

あと父から借りた「シルミド」は想像していたほど真面目な映画ではありませんでしたが、昨日観たキム・ギドク監督の「うつせみ」はいかにもという感じでよかったです。 キム・ギドクはバングラデシュで偶然「春夏秋冬そして春」を観て以来気になっているのですが、モノスゴイ映像の美しさと暴力的なシーンあるいはゾクッとするようなシーンの落差が…。 流行りの韓流は観たことがありませんが、表現の激しさに感覚の違いを感じたりしています。

投稿: axbxcx | 2007.01.04 11:28

axbxcx さん、

イカとクジラはDVDが出たら見ようと思っています。多様な家族の有り様を認めているのがアメリカだなぁと感じますが、それにしてもここまでクセの強いキャラクターが集まった家族はちょっとないかな、と(^^)。

日本でも「紀子の食卓」とか、家族をテーマにした映画が話題になりましたよね。韓国映画「グエムル 漢江の怪物」も家族がテーマだと聞きます。どちらも劇場では見られなかったのですが、DVD が出たら見たいと思っています。中国映画「胡同のひまわり」もある意味家族がテーマになっていました。世界各国で家族がテーマになりつつあるのでしょうか。

キム・ギドク監督の作品は見たことがありません。「弓」というのを予告編で見て激しい人だなぁ、という印象は受けました。暴力的なシーンがあるのは苦手かもしれません。

韓国映画では「おばあちゃんの家」というのが好きです。「トンマッコルへようこそ」も好きでした。この作品が嫌い、という人については、それはそれでわかる気もしますが。「シルミド」から「猟奇的な彼女」まで、韓国映画もバラエティ豊かですよね。

投稿: じゃりんこ | 2007.01.04 17:49

じゃりんこさん、「多様な家族の有り様を認めているのがアメリカだなぁ」だとよいのですが、現政権下ではマイノリティーかも知れません。(苦笑)

キム・ギドク監督、暴力的とは思いませんが、「うつせみ」には暴力シーンがあります。 また「春夏秋冬そして春」からご本人が相当の達人であることがわかります。 海兵隊に何年かいた人です。

「グエムル 漢江の怪物」は妻が観に行くと言っていました。 下高井戸シネマで1月8日?までやっていると思います。

投稿: axbxcx | 2007.01.04 19:41

axbxcx さん、

うーん、少なくとも日本よりは多様性が認められている気はします。

そうか下高井戸シネマ、という手があったのですね。「グエムル 漢江の怪物」は劇場で見たほうが迫力あるだろうな、と心は動きますが、年末年始、遊びすぎて、家のかたづけも終わらない状態なのと、そろそろ放送大学の勉強を始めないと2月初めの試験にまにあいそうにないのでやっぱりDVDを待つことにします。

でも、下高井戸シネマ、思い出させてくださってありがとうございました(^^)。やっているのがほとんど、私が見たいなと思って見逃しているものだったりします。放送大学の試験が終わったら、「蟻の兵隊」を見に行こうかな、と思います。「マーダーボール」もおもしろい、と言っていた友人がいるので。やっぱりここと飯田橋ギンレイホールは時々チェックですね。

投稿: じゃりんこ | 2007.01.04 21:05

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