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本「エンデの遺言」by 河邑厚徳+グループ現代

副題は「根源からお金を問うこと」。
人からお金を借りたら利子をつけて返す。私達はそれを当然のことと思っているけど、それってそれほど当然のことなんだろうか。

「モモ」「ネバー・エンディング・ストーリー」で有名な作家ミヒャエル・エンデがお金についても深い見識を持っていた、と知ったのは映画「六ヶ所村ラプソディー」を見に行ったとき。監督の鎌仲ひとみさんが、六ヶ所村のことに関わっていて、「結局はお金の問題なんだなぁと思った」ということで、昔、製作にたずさわった「エンデの遺言」というNHKの番組のことを話されたのだ。そこでエンデは、今の通貨システムのおかしさについて語ったのだと言う。この本はその番組をもとにして書かれたもの。

お金はそもそも、ものとものとの交換の手段として生まれてきた。物々交換では等しい価値のものが交換されるが、私の持っているものをほしい人が私のほしいものを持っているとは限らない。そこで、ものの価値を表す手段としてお金が発明され、便利に機能してきた。ところが、現代のお金は別の機能を持っている。

重要なポイントは、パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、二つの異なる種類のお金であるという認識です。

そして今や、この「商品として売買されるもの」としてのお金が、交換手段としてのお金の何十倍もの量になっているのだ。

この本のなかで書かれている経済理論については正直わかりにくいところもあったが、引用されているエンデ自身の言葉はどれもわかりやすく、うなずけるものだった。

あなたが人生の岐路で悩んでいるとき、ちょうどぴったりの瞬間に、ちょうどぴったりの本を手にとり、ちょうどぴったりの箇所をあけ、ちょうどぴったりの答を見つけるならば、あなたはそれを偶然だと思いますか?

ここを読んだとき、確かにそういうことはある、と思ってしまった。本に限らず、偶然に見える出会いも、偶然ではないのかもしれない、と思うことはある。産休に入ってから、友人の貸してくれた母乳をすすめる本を読んだこと。次女が小学校に入ってしばらくしてから今の仕事に出会ったことなど...

具体的に今の通貨システムをどんなふうに見直していけばいいのか、という実践例については、(十分理解しているとはいえないけど(^^;))また書きたいと思う。

エンデの遺言
河邑 厚徳著 / グループ現代著

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コメント

じゃりんこさん、現場で市場経済(原理主義)やグローバリゼーションの問題を痛感して、市場(あるいは競争)をがっちりとコントロールしない限り、市場経済(競争原理)は成り立たないということを確信するようになりました。

そんな中で内橋克人の著作を集中して読んでいるのですが、そこにこのエンデの話も出てきました。 内橋さんは労働の対価や商品を買うための「おカネ」と、投機のための「マネー」を区別して使っています。

私は元々プランナー(都市・地域計画)として教育を受けているせいもあって、「計画」なしに自由にやったらグチャグチャになるという感覚が強いのかも知れませんが、教育や保健分野への過度の市場原理導入にはとても同意できません。

投稿: axbxcx | 2007.05.30 11:17

axbxcx さん、

「ものを買うときの手段としてのお金と投機のためのお金は別物だ」ということをエンデも強調していたようです。

マネーゲームっていうのは、いくら合法だとしても、なんか聞いていて気持ちよくないなぁと感じてしまいます。誰かが得しているということは誰かが損している。利子っていうのも、お金のある人がお金のない人に貸して、そしてお金のない人は利子をつけて返さなければいけない...ってなんかヘンだなぁと感じます。金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になるようなお金のしくみってやっぱり根本的に変えないといけないんじゃないかと思います。

「教育や保健分野への過度の市場原理導入」っていうのがどういうことをさしておられるのかよくわかりませんが、市場原理にまかせておけばすべてうまくいくっていうことはないだろう、とは私も思います。

投稿: じゃりんこ | 2007.05.30 20:05

じゃりんこさん、市場原理と書いたのがまずかったのでしょうか? 要するに競争原理です。 教育再生会議では、学校選択制、学校評価と成果主義による予算配分、教育バウチャー制度などを進めようとしていますが…。

投稿: axbxcx | 2007.05.30 20:20

axbxcx さん、

「競争原理」なら、なるほど、という感じです。
競争っていうやり方は、成果を出すためにとても効果的なことはありますが、デメリットもありますよね。勝ち負けということになると、負ける者がでてくるわけですから....。教育再生会議で議論されている内容についてはよく知らない(^^;)のですが...

投稿: じゃりんこ | 2007.05.30 23:46

> 教育再生会議で議論されている内容についてはよく知らない(^^;)のですが...

え、ホントですか? 教員をしている私の友人たちは真剣ですが…。

国立大への競争原理導入(運営費配分)が行われた場合、運営費交付金が半額以下になるのは(1)兵庫教育大学(90.5%減!)、(2)愛知教育大学(89.8%減)、(3)京都教育大学(89.6%減)、(4)鳴門教育大学(89.6%減)、(5)福岡教育大学(87.8%減)と軒並み教育大学という試算が出ています。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070522ddm003040022000c.html

また教育バウチャー制度を言い出したのはミルトン・フリードマンで、まさにいまの市場原理主義(規制緩和、民営化、小さな政府)の流れを作った人です。

投稿: axbxcx | 2007.05.31 00:14

axbxcx さん、

ほんとです(^^;)。遠い世界に目を向ける前に足元を見なさい、と言われそうですね(--;)。

今日、娘が学校からもらってきた進路だよりにちょうど運営交付金の話が出ていました。運営交付金の占有率は上位10大学で42.9%、その他73大学で57.1%。どうせ勉強するならこのように大きな資金が注ぎ込まれているところのほうがメリットがあります、というような書き方で、ちょっとうーんと思ってしまいました。

投稿: じゃりんこ | 2007.05.31 20:21

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» お金の話ー「エンデの遺言」から [じゃりんこのコーヒータイム]
「エンデの遺言」に書かれていたお金の話をまとめようと思いつつ、できずにいたけど、 [続きを読む]

受信: 2007.06.03 22:26

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