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お金の話ー「エンデの遺言」から

エンデの遺言」に書かれていたお金の話をまとめようと思いつつ、できずにいたけど、いいかげん図書館に本を返さなくてはいけない(すでに1回延長した(^^;))ので、簡単に。(...と思ったけど、長くなりました(--;)。しかもうまくまとまってない(--;)。)

紙幣発行が何をもたらしたのか?一つの実例が、ビンズヴァンガーの著書に出ています。たしかロシアのバイカル湖だったと思いますが、その湖畔の人々は紙幣がその地方に導入されるまではよい生活を送っていたというのです。日により漁の成果は異なるものの、魚を採り自宅や近所の人々の食卓に供していました。毎日売れるだけの量を採っていたのです。それが今日ではバイカル湖の、いわば最後の一匹まで採り尽くされてしまいました。どうしてそうなったかというと、ある日、紙幣が導入されたからです。それといっしょに銀行のローンもやってきて、漁師たちは、むろんローンでもっと大きな船を買い、さらに効果が高い漁法を採用しました。冷凍倉庫が建てられ、採った魚はもっと遠くまで運搬できるようになりました。そのために対岸の漁師たちも競って、さらに大きな船を得、さらに効果が高い漁法を使い、魚を早く、たくさん採ることに努めたのです。ローンを利子つきで返すためだけでも、そうせざるをえませんでした。そのため、今日では湖に魚がいなくなりました。競争に勝つためには、相手より、より早く、より多く魚を採らなくてはなりません。しかし、湖は誰のものでもありませんから、魚が一匹もいなくなっても、誰も責任を感じません。...(p.26)

こんなふうに目先の利益を追求する非良心的な行動が褒美を受け、環境を考えて良心的に行動すると経済的に破滅するのが今の経済システムである。この原因は、今日の貨幣、つまり好きなだけ増やすことのできる紙幣がいまだに仕事や物的価値の等価代償だとみなされている錯誤にある、とエンデは言う。

現代の経済システムは、自然と環境を破壊し、貧富の差を押し広げている。それではこのシステムをどう変えればいいのか。

「エンデの遺言」でよく取り上げられていたのがシルビオ・ゲゼルという人の「老化するお金」という考え方だった。ものは何でも、時とともに古くなって価値がさがっていく。ところがお金に関しては100円は何年たってもあくまでも100円である。インフレがあって、100円で買えるものには変動があるので、価値がさがることはない、とは言えないと思うけど。それでも資産をお金の形で持っていれば、何とでも交換できて便利なので、みんなお金をためこむ。それで流通量が少なくなり、お金の需要に対し供給量が減るため、貸出金利が高くなる。そうではなく、お金を老化させよう。長期間持っていたら使えなくなるようなお金だったら、みんなそのお金を使うようになるだろう。というわけで提唱されているのが地域通貨や交換リングという仕組みだ。これが実際に町の活性化に役立った例がいくつか紹介されていてなかなかおもしろかった。興味のある方は、このサイト がわりとわかりやすいかな、と思います。ただ、これはあくまで補助貨幣なので、経済システムを根本的に変えることのできるものなのかどうかは私にはなんともわからない。

「お金をためこむメリットを作らない、お金を長期間保管しておくなら保管料を取る」というシステムにすることで、必要以上にお金を持っている人が仕事もせずに金利だけで生活する、ということをできなくする、という方向に持っていく、というのは確かに解決への方向という感じはする。この本のなかで紹介されていた「マルグリット・ケネディ」という女性建築家の著書「利子ともインフレとも無縁な貨幣」という本にそのあたりのことが書かれているようだ。彼女はエコロジー建築を手がけていたのだけど、そのたびに「採算があわない」と言われて経済的な壁にぶちあたり、お金の問題に取り組むようになったのだと言う。そしてお金の問題を専門家だけにまかせていてはだめだ、と。

具体的な解決策というのはわからないけど、確かに今の貨幣システムってヘンだ、とは思うようになった。

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