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コミック「きみの声 ぼくの指」by 横谷順子

副題は「私と『手話』で話そうよ!」。生まれつき耳の聞こえない「るる」という女の子が主人公。中学校まで聾学校で過ごしてきたが、高校は普通校を選んだ。まわりは聞こえる者ばかり、という環境に最初はとまどいながら、どんどん人とコミュニケーションする力をつけていく。そして、るるが来たことで、クラスメートも変わっていく。「多文化共生のコミュニケーション」を読んだばかりなので、それを実感できるようなストーリーだった。耳の聞こえない人の立場に立つことはむずかしいけど、コミックは少しそれを手助けしてくれる。

「手話」は長らく否定的にとらえられてきたらしい。聾学校などでは、唇を読み、声を出すという教育が長らく重視されてきた。でも、聞こえない音をどうやって発音するのか。自分の思いをどうやって伝えればいいのか。赤ちゃんは文字を読むことなんてできない。そんな子にどうやって言葉を教えるのか。手話があればそれができるのだ。そして赤ちゃんは自分の思いをどうやって伝えればいいのかを理解していく。

登場人物がわりとみんないい人ばかりで、現実にはなかなかこんなふうにはいかないだろうな、と思わなくもないけど、人と人とのコミュニケーションを阻んでいた壁が少しずつこわれていくのが気持ちよく、電車の中で読みながら、何度もボロボロ泣いてしまった(^^;)。機会があったら、手話もやってみたい。マンガのなかで、るるが、大学のカリキュラムに手話を取り入れようと奮闘するエピソードがあるけど(これをやることになった理由とその結果がまた泣かせる(^^;))、放送大学でやってくれないかな...っていうのはムシがよすぎるか(^^;)

4063344959きみの声ぼくの指 1―私と「手話」で話そうよ! (1)
横谷 順子
講談社 2002-01

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです。
まさかこっちでこんな風に紹介していただいてるとは
思ってもみませんでした(^^;

いいでしょ、この本。
突然終わっちゃう感じがいいような淋しいようなですが
自分の日常を振り返りながら、いろんな人がいたんだと
忘れずにいられる、そんな感じのいい本です。

手話を学び始めの人にもいいと思いますし
現実問題、奈良のろう学校では手話も口話も身振り手振りも
すべてokで、子どもに寄り添ったコミュニケーションをと
保育・教育されていますが、これすらも先進的らしく
10年前ではまだ理解されていなかったそうで、
他府県ではまだまだ手話禁止の学校もあるし
それゆえ奈良へ家族で引っ越してこられる方もよく聞きます。

私の腰痛もですが、聴覚も目に見えない障害のひとつ。
身近なところにそういう人がいることで
気張らずお付き合いも出来るかと思います。
たまたまかかわった方がいたので、
私の場合は眼鏡をかけてる人と同じ感覚。
拙い手話と口話、筆談や身振り手振りで伝えています。

投稿: ぴか | 2007.07.10 10:48

ぴかさん、どうも(^^)。

このところ、たまたま耳の聞こえない人や手話通訳にお目にかかる機会が多く、また多文化共生を考える集会で「『手話』ってひとつの言語なんだ」って知ってから興味をもっていました。で、ぴかさんのおすすめを読んで早速本を取り寄せようとしたら、これってもう絶版になってるのね。アマゾンの中古だと、1-4まとめて買っても1冊ごとに手数料、送料がかかるらしいので、ヤフオクで4冊まとめて1000円というのを見つけて買いました(^^)v。

で、ほんと、いい本だった(^^)。確かに最後は、うーん、もうちょっと続いてほしい気はしたかな。あのあと、るるがどういう選択をしたのか知りたいよね。でも、どっちの学校を選んでもいいし、どんな男性を選んでもいいわけで、あそこで終わって正解なのかな。マンガ描く人ってすごいよね。ストーリーも考えて、絵も描けて、で、ストーリーのためにいっぱい調べて...。うちは今、長女が高3なんで、彼女が進路を考えるにもいい本だったと思う。

そうなんだ、奈良は進んでるのね。私もよくは知らないのですが、東京ではまだ公立の聾学校では手話はそれほど認められていないようです。口話を強制されるのがいやで、手話中心の私立の聾学校に転校させたら、子どもがすごく明るくなった、という話を聞いたことがあります。

耳の聞こえない子が自分のクラスにいるとなると、ちょっと負担な気持ちがしてしまいそうだけど、でも、実はまわりの者のコミュニケーション能力もどんどん広がっていくし、いろんなことに気づかされるっていう面があるんだよね。

本当にいい本を紹介してくれてどうもありがとう(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.07.10 20:28

横谷さんを探す事幾星霜。
実は4巻以上の描き溜め分が存在してました。
正確には3-4巻の間だと4巻から先2巻分ほど
と聞き及んでます。
残念ながら所在不明です。

現在、逆に口語兼用や手話のみという学校も増えてます。タブレットや携帯電子機器が増えてるのでその内手話も廃れてしまうのではないかと。

お邪魔いたしました。

投稿: 傷痍軍人 | 2013.05.15 16:43

傷痍軍人さん、めちゃくちゃ亀レスで申し訳ありません。
手話をやってみたいと思いつつ、結局取り組めていない私です(ーー;)。
この本、続きがあったのなら読んでみたいですね。
便利な電子機器も出てくるかもしれませんが、
ふだんの何気ないコミュニケーションには
やはり他の道具を介さない手話のほうが強力そうですよね。

投稿: じゃりんこ | 2013.09.19 11:07

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