« 働く | トップページ | ジブリ美術館 »

映画「Women in Struggle」

パレスチナで政治活動を行なってイスラエルの刑務所に投獄された4人の女性たちにインタビューして作られた映画。政治活動というのは、爆弾を作ったり、爆弾をしかけたり、ということだったりするので、イスラエルやアメリカから見れば彼女達は「テロリスト」ということになる。しかし、監督のブサイナ・ホーリーさんは彼女達の行為の善悪を問うことはしない。監督もまたパレスチナ人女性であり、彼女達がどうしてこんな行動をとったのか、またその後、どんなふうに感じているのかについて伝えようとしている。

パラダイス・ナウ」は、自爆攻撃に向かうパレスチナ人男性を描いたフィクションだったけど、これはドキュメンタリー。実際に爆弾をしかけた人の話を聞く、というのはちょっと不思議な感覚だ。彼女のしかけた爆弾によって人が死んだ。そのことを知って彼女はどんなふうに感じたか。死んだのは彼女達を苦しめているイスラエル人だ。それでも...
衝撃的なのは、刑務所で受けた拷問の話で、人間には残酷な面があるんだなぁと思う...そのような拷問を受けた結果、出獄した後も、普通の夫婦生活を送ることもできなくなり、彼女達の人生は大きく変わらざるをえなかった。

刑務所で何年も過ごさなければならなくて、子どもを産んで母親になる、という夢もかなわなくて、それでも、彼女達は今、誇りをもって生きている。

映画の後、監督と話す機会があった。主催者側が、タイベビールというパレスチナのビールを用意されていて監督がそれを手にしておられたので、思わず「ムスリムじゃないんですか」と訊いてしまった。いきなり宗教を話題にするのは失礼だよな、とすぐに思ったけど、口から出てしまった言葉はしかたない(--;)。監督はムスリムではないそうで、「パレスチナの人はほとんどがムスリムだと思っていました」と言うと、「そうでない人もいるのよ。日本人だってみんなが仏教徒というわけじゃないでしょ」と言われた。

監督のブサイナさんはアメリカに5年間住んで、映画制作について勉強されたそうだ。「アメリカで5年間勉強するとなったらすごくお金がかかると思うし、そんなふうにできたブサイナさんはラッキーだったんですか」と訊くと(だいたい、こんな話も失礼だ(--;))、「アメリカにパレスチナ人はいっぱいいるわよ」とのことだった。

ブサイナさんはヨルダン川西岸の出身だ。ガザから出るのはすごくむずかしいけど、西岸の事情はまた違うのだろう。パレスチナを含む中東地域に何度か行ったことのある人とも話したのだけど、その人の話では、ガザにも立派な家はあり、西岸でもキャンプの外と中の様子はずいぶんと違うとのことだった。イスラエル国籍を持つパレスチナ人もいるし、パレスチナ人といっても一枚岩ではない。それでも、イスラエルによる占領がその人たちを苦しめていることは共通している。

映画には「目線」という副題がついていて、「どうしてこんな副題がついているんですか」と尋ねると、ブサイナさんはそんな副題がついていることを知らなかった。"Women in Struggle ー目線ー" というタイトルなので、日本語ではそんなふうになるのか、と思っておられたようだ。確かにパレスチナ側の視点に立った映画だと思うけど、監督に説明しないで勝手にそんなふうに付け加えるのはどうなのかな、と思ってしまった。

映画は、ちょっとわかりにくいところがあり、また、私はその前に4本、別の映画を見たためか、眠くなってしまったところもあるけれど、実際に爆弾を仕掛けるというような行為をした人の心境や、また刑務所で女性たちがどんな仕打ちを受けたのか、ということについての証言はとても貴重なものだと思う。

|

« 働く | トップページ | ジブリ美術館 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17663/15621535

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「Women in Struggle」:

« 働く | トップページ | ジブリ美術館 »