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映画「フリーダム・ライターズ」

ヒラリー・スワンク演じる新米の国語教師が、問題の多い高校に着任して奮闘する話。こういうストーリー展開はわりとよくある。たとえば「デンジャラス・マインド」。でも、これは見ていて、ミシェル・ファイファーの演じる教師役にいまいちリアリティが感じられなかった。そんなうまくいくとは思えないなぁ、と思ってしまった。それに比べると、「フリーダム・ライターズ」はよかった。最初、見向きもされないミスG(ヒラリー・スワンク)が生徒の心をつかんでいく...のはもちろんそんなに簡単なことじゃないけど、不自然にもみえなかった。

ミスGが本気で生徒のことを考えている、ということを生徒達が感じ取ったからだろう。「保育士は私の天職だ」と思っていたこともあるけど、彼女を見ていると、「私にとって保育士が天職」だなんて言えないなぁ、と思ってしまった。入れ込み方が違う。私にとって保育士は「仕事」に過ぎないけど、彼女にとっては教師が生き方そのものだ。

彼女は自分を犠牲にしてそうしていたわけじゃない。そうしたかったからそうしていたのだし、身を粉にして働くことを心から楽しんでいた。ただ、その結果失ってしまったものもあるわけで...でも、誰もパーフェクトにはなれない。実話に基づく、というだけあって、そのあたりのこともリアルに感じられた。

(以下ネタバレ)

ミスGが生徒達に与えたノート、はたして生徒達がそこに書くのだろうか、と思っていたけど、「読んでほしい」と棚に積まれたノートを見て私も嬉しくなった。人は自分のことを語りたい、誰かに聞いてほしいのだと思う。

生徒達がどんどん本を読む楽しさを知っていき、「アンネ・フランクをかくまった女性を高校に呼ぼう」と活動を始めるくだりは見ていてワクワクしたし、実際にその人が高校に来たときは感動した。人を変える(change)ことは大変だけど、不可能じゃない。誰もがこのミスGのようにできるわけではないけど...でも、現状に問題があるとき、人はきっと変わりたいと思っているんだと思う。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

じゃりんこさん、近々行きたいと思っていました。 実は一昨日もちょっと迷ったのですが、結局「ツォツィ」にしてしまいました。

「ツォツィ」はちょっとイメージ違いました。 南アということもあるんでしょうが、何だかハリウッド映画を見せられているような気がしました。 脚本もカメラも音響(音楽)も人工的で、逆に言えばリアリティがあまり感じられないと言うか…。

あと「魔笛」も観に行こうと思ってます。

投稿: axbxcx | 2007.08.15 08:08

axbxcx さん、

放送大学の試験が終わったら、これと「ブラインド・サイト」を見たいと思っていたんですが、キューバ行きがわりと急に決まったので、いろいろ調べていたらなかなか映画に行けなくて。昨日は、ツーリストカードの受け取りに都心に出たので、せっかくだから、とひとつだけ見ることにしました。

「ツォツィ」はよかった、という感想を読んだので、私も見たいと思っていたのですが、アフリカの実情を知っている人から見るといまいちでしたか。まだやっていたのか、と思って調べたら、下高井戸シネマでしたか。相変わらずおもしろそうなラインナップですね。見たいと思いつつ見逃してしまったようなのをやってくれてます(^^)。

昨日、シャンテシネの予告編を見ているとおもしろそうなのがたくさんありました。旅行から帰ったら「長江哀歌」はぜひ見たいと思っています。「オフサイド・ガールズ」もおもしろそう。「シッコ」は近所のシネコンでもやりそうなので見に行くと思います。

投稿: じゃりんこ | 2007.08.15 08:42

じゃりんこさん、映画の趣味は人それぞれと思いますが、「ツォツィ」についてはアフリカをまったく知らない妻も同じ感想でした。 感情移入できないと言ってました。

最近ビデオでフィンランドのアキ・カウリスマキ監督の「過去のない男」と「浮き雲」を観ましたが、かなり気に入りました。 いつ失業するかわからないオン・ディマンド・ワーカーとしてはなおさらです。 「街のあかり」も観たいと思っています。

投稿: axbxcx | 2007.08.15 19:55

axbxcx さん、

私も「街のあかり」おもしろいかも、と思って、ツタヤディスカスで「過去のない男」をリクエストしているのですが、このところ、キューバ関連のビデオばかり立て続けに見たので、「過去のない男」はまだ見ていません。たぶん「街のあかり」は見に行けないだろうな、と思います。

アキ・カウリスマキは見たことがないのですが、なんだか雰囲気があっておもしろいな、と思った映画の評で「アキ・カウリスマキに似ている」というのがあって、どんな人なのかな、と気になりました。今、その映画のタイトルが思い出せないんですが...小さな工場の主人とそこの女性従業員、ふたりともわりと高齢なんだけど淡い恋心があって...というような話だったと思います。

キューバ関連ビデオでは「サルサ!」が好きでした。舞台はパリでキューバはほとんど出てこないんですが。「苺とチョコレート」も結構よかったです。キューバでは"Lista de espera" のDVDが買えるといいな、と思っています(^^)。一応、リージョンフリーのDVDプレーヤーがあるのですが、調子がいまいちなので、そこが問題ですが(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2007.08.15 20:48

じゃりんこさん、DVDを借りて来て、ようやく「フリーダム・ライターズ」を観ました。 ほとんどずっと涙が止まりませんでした。 「ブラインド・サイト」もそうなんですが、少数の主人公たちだけではなく、一人ひとりのストーリーが見える映画が好きです。 聞き取り調査に夢中になるのも同じ理由かも知れません。

それにしても生徒から「ホロコーストって何ですか?」って訊かれて、「じゃあホロコーストって何か知っている人は手を挙げて」っとやったら、手を挙げたのが一人、それもクラスに一人しかいない「白人」…。 愕然としますよねえ。

さらに「友だちや仲間が殺されたことのある人」って訊くとその「白人」以外の(多分)全員。 それが「二人以上殺された人」「三人以上殺された人」って訊いて行ってもあまり減らなくて、「四人以上」でようやく減る…。 それがリアリティだという恐ろしさ。

"The Freedom Writers Diary"、読もうと思います。

投稿: axbxcx | 2007.11.20 23:56

axbxcx さん、

もうDVDが出ているのですね。
友達や仲間が殺されたことのある生徒がそんなにいるっていうのはほんとに愕然としますね。
私はやっぱり主にミスGに注目して見ていましたが...。

この感想を書いたとき、赤ちゃんクラスを担当していたので、「保育士は仕事」という感じが強かったのですが、2歳児クラスになって、やっぱり私も結構仕事好きなんだなぁと思います。ミスGのように、なかなか子どもの心に響くような接し方はできませんが。

子育て関係でおもしろそうな洋書を2冊買ったのですが、放送大学の通信課題などもあってまだ手をつけていません。一教科はあきらめようかと考え中です(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2007.11.21 00:19

じゃりんこさん、唯一の不満はミスGと夫との関係の描写に厚みがないこと、そういう意味じゃお父さんや科長(「ヴェラ・ドレイク」のリアリティはなかったような)もいまいちかな…。

ラテン系のエヴァ、黒人のマーカスにアンドレ、カンボジア系のシンディとか、忘れられないような気がします。

http://www.youtube.com/watch?v=XfbBEAuARfk

「ミリオンダラー・ベイビー」はあんまり好きな映画じゃないんですが、ヒラリー・スワンクは強烈でした。

投稿: axbxcx | 2007.11.21 02:03

axbxcx さん、

夫との関係があまり描かれていないのは、結局ミスGの心の中に夫の占める割合が少なかったからなのでしょうね...仕事にのめりこんでいくなかで、確かに夫は忘れられた存在という感じになっていたし、夫はそのことで疎外感を感じていたのだろうな、とは思います。

紹介していただいたユーチューブの動画に出てくる男の子には覚えがありません(^^;)。

あ、「ミリオンダラー・ベイビー」、私もあんまり好きじゃないんです。昔、感想を書きました。
http://jarinko.tea-nifty.com/blog/2005/05/post_6d31.html
ヒラリー・スワンクがすごかったから、よけい見ているのがつらかったのかもしれないとは思いました。

投稿: じゃりんこ | 2007.11.21 16:57

じゃりんこさん、マルコが演じたアンドレは、最初の方の教室でのケンカで立ち上がって掴みかかって行った子です。 最後の方では、お兄さんが終身刑になった後、またドラッグの運び人か何かをやらされてしばらく学校を休んでいました。

個人的にはアンネ・フランクを助けたという女性をエスコートした男の子、最後でお母さんのところに帰って行ったマーカスが一番印象的でしたが…。

いずれにせよ、彼らの書いたオリジナルの日記が読むのが楽しみです。 ちなみに、私に「ブラインド・サイト」と「フリーダム・ライターズ」を勧めてくれた友人(参加型の同志で、水産の研究者)はすぐに「フリーダム・ライターズ」のDVDと本を注文していました。 「一人ひとりの姿が見える、ストーリーがわかる」ということに関心が行くのは、一種の職業病かも知れません。 エスノグラフィーなんかと一緒ですから…。

下の娘に言わせると、ミュージカルはそれぞれが持ち歌を唄うような組み立てになるので、必然的にそういうスタイル(一種の群像劇?)になるそうです。

投稿: axbxcx | 2007.11.21 19:25

axbxcx さん、

マーカスというんですね、私もその子が一番印象に残っています。彼は顔も思い出せますが、マルコの演じていたというキャラクターに覚えはありますが、顔は覚えていませんでした。

ミュージカルは「レント」は好きでしたけど、やっぱりまだ積極的に見ようという気にはなれずにいます。「ドリームガールズ」もまだ見ていません。「ヘアスプレー」は評判がいいので少なくともDVDでは見ようと思っています。

投稿: じゃりんこ | 2007.11.21 20:20

じゃりんこさん、「ドリーム・ガールズ」はまあまあ程度です。 「ヘアスプレー」は観る予定がありません。

下の娘は「レント」を除くと「コーラスライン」とか「バレエ・カンパニー(The Company)」のような下積みモノが好きなようです。 私自身はやっぱりアンドリュー・ロイド・ウェバー。 舞台で観たのは「ジーザス・クライスト・スーパースター」と「オペラ座の怪人」だけですが…。

実は下の娘とブロードウェイに行くことを企んでいるのですが、「レント」「ウィーキッド」「コーラスライン」「ヤング・フランケンシュタイン」「スプリング・アウェイクニング」を考えています。

いま「フリーダム・ライターズ」を観直していました。 明日にはペーパーバックが着くはずなので楽しみです。

投稿: axbxcx | 2007.11.22 00:06

axbxcx さんのあげておられるミュージカル、「レント」以外はひとつも見ていません(^^;)。
ミュージカルといって思い出すのはまずは「サウンドオブミュージック」、あとは「ウエストサイドストーリー」とか「マイフェアレディ」くらいです。サウンドオブミュージックやウエストサイドストーリーには好きな曲がありますが、ストーリーを持った作品として見ると、つい、「今ここで歌ってる場合じゃないでしょ、さっさと逃げないと」とかつっこみたくなってしまい(^^;)...

娘さんとブロードウェイですか、いいですねぇ(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.11.22 00:37

じゃりんこさん、下の娘はミュージカルおたくですが、古典的なミュージカルにはほとんど興味を示しません。 恐らく、唄とダンスに同じくらい興味があるので、古典的な踊りはダメなんだろうと思います。 ボブ・フォッシーの話をするときは目が輝きます。

昨晩あげたミュージカルですが、映画になったのは多分「レント」と「コーラス・ライン」だけで、私も他は知りません。 下の娘の選択です。 「ヤング・フランケンシュタイン」はメル・ブルックス(「プロデューサーズ」)の新作で、ブロードウェイでも10月に始まったばかりです。 「プロデューサーズ」と同じように映画が先にあったので、DVDは持ってますが…。

「サウンド・オブ・ミュージック」はミュージカルというよりは映画として好きです。 最初の空撮のシーン、あれは本当に最高で、あれを観るとスイスに行きたくなります。 曲としては"Sixteen Going on Seventeen"がカッコよくて一番好きかも知れません。 何年か前に日産のCMか何かで使われていました。 あとはジャズのスタンダードになっている"My Favorite Things"、これも素晴らしい曲です。 ドレミにエーデルワイスは名曲とは思いますが、特に好きではありません。

「ウェストサイドストーリー」は古典的なミュージカルにしてはものすごくモダンな感じがしますね。 下の娘もスカラ座版の公演を観に行っていて、結構好きなようです。 私も実は昔、指揮者としてのレナード・バーンステインのファンでしたが…。 曲としてはまず"America"でしょうか。 後はお決まりの"Maria"に"Tonight"…。

「フリーダム・ライターズ」って、現代版の「ウェストサイドストーリー」って感じがしますから、いっそのことミュージカルにしたら面白いんじゃないかと思ってます。 実際、もう作り始めてるかも知れませんが…。

最後に、ミュージカルに違和感を感じる方はみなさん同じことをおっしゃるような気がしますが、私は「舞台」自体がそういうものだったのではないかと思っています。 映画やテレビと、舞台やミュージカルはやはり別物ではないかと…。 誤解を恐れずに一言で言えば、前者はより「連続性」が勝負ですが、後者はとにかく「場」、一人ひとりの見せ場が勝負というところがあると思います。

投稿: axbxcx | 2007.11.22 09:07

axbxcx さんのコメントを読んで、ああそうか、私、舞台でミュージカル見たことないんだなぁと思いました。映画とはまた別物なのですね。

サウンドオブミュージックはサントラを何度も聴いているのでどの曲も好きです。まだ携帯の着メロダウンロードが一般的でなかった頃、My favorite things の音をコツコツと入力して着メロにしていました。最初の場面で流れる"The hills are alive..." もすごく好きだし、エーデルワイスもやっぱりいい曲だと思います。修道院長さんがマリアに歌う"Climb every mountain..." も大好きな曲です。

スイスアルプスを少しだけハイキングしたことがありますが、ずーっと絶景が続いて、あれ以上ぜいたくなハイキングはしたことがありません。サウンドオブミュージックは子どもたちも大好きなので、オーストリアのゆかりの地を訪れるというのもやってみたいですが...

ウエストサイドストーリーではやっぱりAmerica とか Tonight が好きです。でもビデオを一度見ただけですが(^^;)。自分がブラバンをやってたり、娘達も音楽部に入ったりしていたので、曲のほうは結構聞く機会があって耳に残っています。

投稿: じゃりんこ | 2007.11.22 14:04

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