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ビニャーレスへのツアー

キューバで過ごせるのは、到着と出発の日をのぞけば、丸三日しかない。そのうち一日は郊外へ行きたいと思っていた。民宿のおかみさんに聞くと、近くにある大きなホテル「ハバナ・リブレ」のツアーデスクで申し込むのがいいと言う。それで、着いたその日にホテルまで行って、さっそくビニャーレスへのツアーを申し込んできた。

翌日の朝7時45分にホテルでピックアップとのことだったけど、実際にバスが来たのは8時過ぎ。いくつかのホテルをまわって、最後が「ハバナ・リブレ」だったようで、後ろまで見ても空席がない。しかたなく、カバンの置いてある席の隣の人に、「ここに座っていいか」と尋ねると、カバンをのけてくれた。座るときに目に入ったのがその人の持っていた本。スペイン語の練習の本...ということは...「英語を話しますか?」と尋ねると、答えはイエス(^^)! スペイン語を話せない者としては、英語を話す人に会うと同郷の人に会ったような気分になる。ほっとしておしゃべりを始めた。

彼はアイルランド出身のシステムエンジニアで、現在はイギリスで仕事をしている。年は尋ねなかったけど、40歳くらいかな。キューバに来てもう1週間くらい。私と同じくカサ・パティクラルに泊まっている。カサ滞在とスペイン語・サルサのレッスンがセットになったツアーがあって、それを利用したそうだ。というわけで、平日は毎日スペイン語の個人レッスンを受けていたし、それ以前にも自分で勉強していたようで、私よりはずっとスペイン語ができる。

おしゃべりしていたら、ガイドさんの説明が始まったので、口をつぐんだ。ガイドさんは20代と思われる聡明な感じの女性で、まずはスペイン語、それに続いて英語、とバイリンガルでのガイドをしてくれた。乗客は20人くらいで、私とその隣の彼のほかに、もうひとり、イギリス人の男性が、英語を必要とする乗客だった。

Truckツアーを利用してよかったと思うのは、このガイドさんの説明が聞けたことだ。目的地へ向かう道すがら、見える景色のことだけでなく、いろいろなことを話してくれた。たとえば、ヒッチハイクで車を待っている人がたくさんいる。写真のように、トラックの荷台に乗る人もたくさん見かけた。どうしてこういう状況になるのか。キューバで道路はある程度整備されているのだけど、人の数に見合うだけの交通手段は整っていない。というわけで、移動の手段としてヒッチハイクは奨励されている。30分で乗れることもあれば、何時間も待ち続けなければならないこともある。...あるいは、ツアーバスの通る道で、ローストチキンや果物を売っている人たち。キューバは社会主義の国だから、余分のお金を得たら、国に税金を納めなければいけないけど、この人たちはそれをしない。つまり、違法なんだけど、現実問題として、サラリーだけでやっていくのは大変だ...などなど、キューバの教育、医療、暮らしの様子などを具体的に聞くことができたのは彼女からだった。ハバナの街中で英語を話せる人に出会うことは少ないし、初めて会った人とそんな込み入った話をすることもない。まあ、自分がスペイン語で自由自在に会話ができれば、問題はないわけなんだけど(^^;)。

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旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

そうか、「バスを待ちながら」でバスを待っていたのもヒッチハイクしていたのも、必然だったんですね。

昨日はデンマーク映画「エマ」をビデオで観ました。 さすが沢木耕太郎お勧めだけあって、なかなか印象に残りました。

投稿: axbxcx | 2007.08.27 00:43

axbxcx さん、

「バスを待ちながら」、かなり探し回ったんですけど、見つけられませんでした。「○○へ行けば、コピーだったら手に入ると思うわ」と言われたんですが、「英語の字幕がついてるか」と尋ねると、「それはないと思う」とのことだったので。CDもDVDもコピーがあたりまえのように出回っています。

デンマーク映画ですか。
私のほうは日本のアニメ「時をかける少女」をビデオで見ました。おもしろかったです(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.08.27 06:35

じゃりんこさん、バングラデシュやネパール辺りもコピーしかないという状態です。 正規版が欲しくても買えない…。

最近、フィンランドなどの映画、面白いなあと思っています。 行きたくなりますね。 「バスを待ちながら」ですが、Amazon.comに出店しているMovieMars.comというところで14.78ドルでした。 1枚だけだと送料が9.79ドルと高くついてしまいますが…。

「時をかける少女」で思い出しましたが、大林宣彦監督の尾道三部作を観直したいと思っています。 「東京物語」を観ては尾道に行きたいなあと…。 去年、ヴェンダースの写真展「尾道への道」で見たOnomichi Sunsetも印象に残りました。 どうせなら、「東京物語」のロケに使われた竹村家や魚信に泊まりたいものですが…。

投稿: axbxcx | 2007.08.27 07:46

その国それぞれの悩みがあるものなのですね。

社会主義って、言葉はわかっていますが、説明できない私です。
ヒッチハイク出来るって、それはそれで平和の証拠ですかしら・・・。
みんながお金持ちでないのなら、それもいいかも。

投稿: まみ | 2007.08.27 13:06

axbxcx さん、

「バスを待ちながら」のDVD情報、ありがとうございます。その値段なら悪くないと思いますが、今、リージョンフリーのDVDプレーヤーの調子がいまいちなので、買ったとしても当分見られない、ということになりそうで...キューバで見つけたらぜひ、とは思っていたのですが。とりあえずはキューバ映画祭とかラテン映画祭なんかで再映されることを期待することにします。

今日、ディスカスから「過去のない男」が届いたので、近いうちに見る予定です。

私は尾道に特に思い入れはないのですが、日本にも素敵なところはたくさんありますよね。


まみさん、

ヒッチハイクができるのは、確かに「安全だから」というのはあるようです。ハバナの治安は以前と比べると悪くなっている、と言われていますが、実際、危険を感じるようなことはなく、とても安全な街、という印象でした(^^)。


投稿: じゃりんこ | 2007.08.27 20:02

じゃりんこさん、私のマランツのDVDプレーヤーは、たまたま数字を打ち込むだけでリージョンフリーになる古いタイプだったので助かりました。 PCの方は父からいらなくなったDVDドライブを貰って、それをリージョン1専用にしています。

尾道に特に思い入れがあった訳ではないのですが、「東京物語」を繰り返し観たのと、それに大林宣彦作品のおかげです。 「亀は意外と速く泳ぐ」の百段階段(三浦市)なんかもそうなんですが、海と階段には強く惹かれますね。 それは私が瀬戸内海のそばで生まれたからかも知れません。

投稿: axbxcx | 2007.08.27 20:31

axbxcx さん、

お生まれは瀬戸内海のそばでしたっけ。
私が行ってみたいと思う景色は、広大な景色かな、と思います。
わりと最近では、「世界最速のインディアン」の塩平原の風景に惹かれました。他にも、アメリカの広大さを感じさせる景色には惹かれます。
これは京都という狭い盆地で生まれたせいなのかもしれません(笑)。

投稿: じゃりんこ | 2007.08.27 23:13

じゃりんこさん、あ、そういう景色にももちろん憧れていました。 オクラホマやカンザスの360度地平線で雨が来るのが遠くからわかって、ロッキー山脈に向かうと何もないところから地平線に徐々に山が見えてくるような世界、そしてケニアの半乾燥地の全てが薄茶色の世界、バングラデシュの雨季になると一面湖の世界…。 オクラホマもケニアも夜に地面に寝っころがると見えるのは満天の星だけでした。 ただ、最近、そういう景色にはむしろ見慣れてしまっているので、山と海と町が一緒にある景色が懐かしくなっているのだろうと思います。

「世界最速のインディアン」、気に入りましたし、とても共感を覚えました。 何しろ持っている車が1961年と1983年の製造ですから…。

生まれたのは香川県坂出市の母の実家です。 裏はすぐ山で、二階からは瀬戸内海が見えました。 本籍とお墓は京都ですが…。

投稿: axbxcx | 2007.08.27 23:31

>オクラホマやカンザスの360度地平線で雨が来るのが遠くからわかって

axbxcx さんが、ニフティのフォーラムでその話をされていたのを覚えています(^^)。ああ、それ見たいなぁ、って強く思ったので。でも、その機会はないでしょうねぇ。

「世界最速のインディアン」、よかったですね。アンソニー・ホプキンズって、こわい人の役より、ああいう役のほうがステキだな、と思います(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.08.28 20:14

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