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ビデオ「ヒバクシャ」

日本人の作った「ヒバクシャ」という映画なのだから、広島、長崎の話が出てくるものと思っていたら、まず出てきたのはイラクの映像だった。湾岸戦争の後、イラクの子どもたちに白血病が増えている。考えられるのは米軍によって使用された劣化ウラン弾の影響だ。ところが経済制裁のせいで薬が十分にない。親も医者も子どもに薬を与えてやりたいが、ないものはどうしようもない...そうして子どもたちは亡くなっていく。

監督の鎌仲ひとみさんは、日本で被爆者に会う前に、イラクでヒバクシャに会い、それが映画を作るきっかけとなった。原爆によって直接被爆した人だけでなく、様々な形で放射能を体内に取り込んで「被曝」した人がいる。この映画で主に描かれているのはそうした低線量被曝を経験した人たちだ。

イラクでヒバクシャに会った鎌仲さんは、日本に帰ってから日本の被爆者の人たちの話を聞く。そのなかで、自身ヒバクしながら、ヒバクシャ治療を続けてこられたお医者さんにいろいろな話を聞いて、さらにその人とともに渡米して、アメリカのヒバクシャの話を聞きにいく。

ワシントン州ハンフォードには大規模な核製造工場があり、その風下地域の住民の健康被害がその工場のせいなのではないかと疑われ始める。そしてアメリカ政府は、なんと、その工場が意図的に放射線物質を風下にばらまいてどのような影響が出るかを調査していた、という事実(!)を認めながらも、その事実と健康被害との因果関係については認めない!その地域は大規模な農業地域でもあり、農民としても、放射線による汚染のある作物だというレッテルを貼られては困るから、その因果関係を認めようとしない...!そしてそこの作物は日本に輸出されていたりするのだ...

鎌仲さんの立場が核に反対であることは、映画を見ていると伝わってくる。でも、彼女は取材するにあたってはいろいろな立場の人の話を聞くために、あまり自分の立場を明確にはしない。見ていて歯がゆくなることもあるけど、そうでないと話は聞けないだろうな、とも思う。

広島、長崎のことも、もちろん忘れてはならないことだけど、低線量被曝は、今の私達に直接関係のある事柄だ。彼女が、この映画を作ったあと、六ヶ所村を取材に行くことになったいきさつがスムーズにつながる。日本だけでなく、イラクで、アメリカで、世界各地でヒバクしている人がいる...そして、それは他人事ではないんだ...

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