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ビデオ「プロミス」Promises

とてもおもしろかった。イスラエル、パレスチナの子どもたち7人の生活を追いながら、彼らがそれぞれ相手に対してどんな思いを抱いているのかを聞いていく。取材が開始されたのが1995年、撮影は1997年、1998年、2000年のアル・アクサ・インティファーダが始まる前の比較的平穏な時期に行なわれ、2001年に編集が終わって完成した。

イスラエルの子ども、といってもみんな同じじゃない。エルサレムに住む、比較的リベラルな考えを持つ両親の元で育った子、超正統派ユダヤ教徒の子、ヨルダン川西岸の入植地に住む右派の子ども。パレスチナ側も、難民キャンプに住む子とエルサレムに住む子が登場する。

みんなもちろんカメラは意識しつつも、子どもらしい率直さで思いを口にする。子どもによって、かなりネコをかぶっていると思える子と本音をしっかり出していると思える子はいるけれど。

監督は3人で、それぞれ生まれ育ったところが違う。DVD の特典映像で監督達のインタビューを聞いていると、もともと「こういう映画を作ろう」というはっきりしたコンセプトがあったわけではなく、あったのは「子どもたちはいったいどんなふうに考えているんだろうか」という疑問だった。そして取材を続けるなかで、こういう映画ができあがった。3人の監督のうちのひとりB.Z.は、ヘブライ語とアラビア語を話し、それぞれの子どもたちとかなり深く関わるなかで、自身、映画の登場人物のひとりとなっていく。

おたがいを敵だと思っている子どもたち。あるとき、B.Z.は、その子達それぞれに、「会って話をしてみないか」と提案した。子どもたちの反応は...

この映画が撮影された時期と今とではまた状況が違う。結局、この映画は大勢になんの影響も及ぼさなかった、と言うことはできるけれど、子どもたちの中に希望は見つけられるかもしれない、とは今も思う。

(以下ネタバレ)

ユダヤ人の子どものなかには、正統派のユダヤ教徒達に恐れを抱いている子もいる、というのは知らなかった。この映画の登場人物で、ユダヤ人左派(?)の双子達の考え方は私にはとてもわかりやすいものだった。祖父に対し、「本当に神を信じているのか」と尋ね、兵役についていて負傷した知人を見舞ったとき「人を殺すのはいやだ」と言う。彼らはパレスチナ人の足の速い子ども(ファラジ)に会いたいか、と尋ねられて、すぐに興味を示す。一方、ファラジのほうは「イスラエルのヤツなんかと仲良くできるわけない」と最初は拒絶する。しかし、別のパレスチナ人の子どもが説得する。「子どもに罪はない。話し合ってみないと。」...

すぐ近くに住んでいても、話をすることのないイスラエルとパレスチナの子ども。でも誰も争いは望んでいない。平和に暮らしたい。ただ、どうしたらいいのかわからない。それでもまずは、相手を知ることだ...
実際には言葉の違いもあってコミュニケーションはむずかしかった(それでもどちらの子どもも、ある程度英語でコミュニケーションできるのだ)けど、会って話した前と後とでは相手に対する印象がずいぶんと変わったのは確かだろう。

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コメント

素晴らしい作品に出会うことができました。

>この映画が撮影された時期と今とではまた状況が違う。結局、この映画は大勢になんの影響も及ぼさなかった、と言うことはできるけれど、子どもたちの中に希望は見つけられるかもしれない、とは今も思う。

子供たちは現在20歳を過ぎ、今現在何を考え、どんな生活を送り、何をしようとしているのでしょうか。とても気になります。

投稿: ETCマンツーマン英会話 | 2014.08.05 00:43

ETCマンツーマン英会話さん、こんにちは。
超遅レスで申し訳ありません。
この映画、私も大好きです。
本当に、この時の子ども達、今どうしているんでしょうね…

最近、「友だちになれたら、きっと」という本を読みました。パレスチナとイスラエルの子が文通をしていて、大人になってから会う話です。
子ども向けの作品です(実話だと思います)が、ご興味があればどうぞ。
http://booklog.jp/users/jarinkocafe/archives/1/4790231968

投稿: じゃりんこ | 2014.08.19 23:13

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