« 絵本「ふしぎなナイフ」by 中村 牧江、林 健造、福田 隆義 | トップページ | ビデオ「日本以外全部沈没」 »

映画「少年、機関車に乗る」Bratan

「レール・ロード・ムービーの傑作」というコピーに惹かれて見に行ったら...まあ、その通りだった、電車好きとしては(^^)。タジキスタンの映画で、セピア色の画面が古さを感じさせるけど、製作は1991年だから、普通にカラーフィルムはあったのだろう。カラーフィルムで撮ったとしても、こんなふうにセピア色っぽい画面は多くなっただろうから、どうしてわざわざそんなふうに撮ったのかはわからない。何もない、だだっ広い赤茶けた大地は、中国のシルクロードの風景を思い出させるが、それもそのはず、家に帰ってから地図を確認すると、タジキスタンは中国の西隣にある国なんだった。

17歳の少年ファルーとその7歳の弟、通称"でぶちん"が、遠くの町に住む父親に会いに行く。知り合いの運転士ナビに頼んで(たぶんタダで、あるいはタダ同然で)機関車に乗せてもらう。弟は土を食べるという病癖があり、ファルーはその弟を父に預けて、自分は出稼ぎ仕事をしたいと思っているらしい。どうして父親が遠くに住んでいて兄が弟の面倒を見ているのか(祖母が一緒に住んではいるけど)とか、ファルーのアルバイトの内容とか、よくわからない部分があって、起承転結がきれいにまとまっている話の好きな私には消化不良の感はある。原題のBratan は「弟」(brother)という意味らしいから、この映画の主題もそのあたりにあるんだろう.けど....。確かに、弟を父親に預けよう(押しつけよう)とはしているが、この兄が弟思いであることは伝わってきた。

なんといっても、汽車に乗って、過ぎ行く風景を眺めるのは楽しい。とりわけこの汽車は、駅でもないところに止まったり、まあそのほか、日本の電車では考えられないようなエピソードがいろいろ登場する(^^)。タジキスタンに行くことなんて一生ないだろうけど、映画のおかげでちょっと旅の気分を味わった(^^)。

|

« 絵本「ふしぎなナイフ」by 中村 牧江、林 健造、福田 隆義 | トップページ | ビデオ「日本以外全部沈没」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

じゃりんこさん、一生行かないつもりだったところに行くことがあるのが現代かも知れませんよ。(笑)

我が家は今日は「アフター・ウェディング」に行って来ました。 まったく眠くならない映画と言っておきましょうか。 インドの部分がまるで背景と言う感じがしたのと、やっていることがあまりに古典的な「援助」というところにはちょっと引っ掛かりましたが、スサンネ・ビアというデンマークの女性監督なかなかやります。

同じ監督・脚本のちょっと前の作品「ある愛の風景」(なぜかこれも原題Brødre/Brothers)も11月下旬に公開されるようですので、観たいと思っています。 この映画はMr.スパイダーマンのトビー・マグワイア主演で、ハリウッドでリメイクされるらしいです。

投稿: axbxcx | 2007.10.27 23:04

axbxcx さん、

そうですね、キューバに行くとも思ってなかったし(笑)。

「アフター・ウェディング」は、先日、予告編を見ましたが、うーん、なんか男女のぐちゃぐちゃした話(^^;)は今はあまり見る気がしなくて。
考えてみれば、ここに感想を書いていないのも含めて、映画は結構たくさん見に行っているんですが、恋愛物は最近ほとんど見ていません(^^;)。この間、DVDで「英語完全征服」っていうのを見て、これは、韓国のあかるーい恋愛物でしたけど(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.27 23:44

じゃりんこさん、まあ確かにぐちゃぐちゃしているかも知れませんが、テーマとしてはむしろ家族の愛であって、男女の愛ではないような気がしました。 インドの町の映像は気に入りました。

「ある愛の風景」は原題がBrothersなくらいで、やはり男女もありますが実は家族なのではないかと想像します。 アフガニスタンに派兵されて捕虜になるという話です。

ちなみに「アフター・ウェディング」は手持ちカメラでの撮影が多く、それが眠くならなかった理由でもあります。 ドグマ映画ではないのかも知れませんが、かなりドグマっぽいのではないかと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%B0%E3%83%9E95

投稿: axbxcx | 2007.10.28 00:21

axbxcx さん、

「ドグマ」っていう言葉を聞いたのは「幸せになるためのイタリア語講座」を見たときでした。イタリア語を習っていた仲間数人で見に行ったのですが、いまいち良さがわからず...そしたら、他の人のレビューで、これはドグマの手法で撮られている、というのを読み、ふうん...と思ったのを覚えています。私はどうも芸術性の高いのは苦手で、エンターテインメントとして作られたものにしっかりはまってしまうようです(^^;)。

「ある愛の風景」、紹介を読んで少し興味を持ちましたが、予告編を見てみて、やっぱり映画館に見に行く気はしないな、と思ってしまいました(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.28 01:40

確かに誰にでもお勧めできる映画ではないかも知れません。 ただしこの映画は私ではなく妻のチョイスですが…。(笑)

細かな表情、心の動きを表現するのがうまい女性監督だなと思いました。

投稿: axbxcx | 2007.10.28 08:15

axbxcx さん、

私は、奥様とは映画の趣味がかなりあいそうだなぁと思っていたのですが(笑)。この映画も、見たらおもしろいのかもしれません。

女性監督といって思い出すのは、私はなんかみんなドキュメンタリー系の人たちだったりします。

細かな表情とか、そういう繊細な表現をきっといっぱい見逃しているんだろうなぁと思います(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.28 08:53

難しいことはわかりませんが、過大なお金をかけず、派手な演出を控えて、映画そのもののストーリーや演技に焦点を当てるというドグマ95の目指したものは、ロケや手持ちカメラを多用することも含めて、ドキュメンタリーに通ずる、あるいは映画をドキュメンタリーに近づけるのかなと思っています。

投稿: axbxcx | 2007.10.28 12:08

axbxcx さん、

ちょっと話が変わりますが、「おもしろい」ドキュメンタリーを撮るのって結構むずかしいと思うんです。ドキュメンタリーを撮る人って、たいてい何か伝えたいことがあるわけだけど、素材そのままを提示しても、必ずしもたくさんの人に見てもらえるような作品にならないとか。

先日、「ガイサンシーとその姉妹」というドキュメンタリーを見ました。いわゆる「慰安婦」とよばれる人たちを追ったもので、これを見れば「慰安婦はなかった」なんてとても思えないし、一番インパクトがあったのは元日本兵の人の証言で、証言するのも勇気のいることだっただろうな、と思いました。そういう点で多くの人に見てもらいたい作品ではあるのですが...

たとえば、マイケル・ムーアの「シッコ」だったら、見せるための工夫がいろいろされている。たぶん、素材も自分の主張に都合のいいものを選んで見せているし、演出過剰かもしれないですが、やっぱりおもしろいです。だからたくさんの人が見るし、それが「力」になる。

今日は「100人の子供たちが列車を待っている」というドキュメンタリーを見てきました。チリの子ども達に映画の楽しさを伝えようとした女性教師の話で、「映画」というものを作った人たちの思いがちょっとわかるような作品でした。ドグマ95のめざすような作品もいいし、演出過剰な作品も、それはその人の表現には必要なことだったのだろうなぁ、という気がします。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.28 20:43

じゃりんこさん、私が演出過剰という言葉を使ったのがよくなかったのかも知れませんが、ドグマ映画では「スタジオでのセット撮影」「効果音」「表面的なアクション」「時間的・地理的に乖離すること(例えば回想シーン)」などを使わないというだけで、演出は当然あります。

またドキュメンタリーの場合も編集・構成はあるのが普通でしょう。 ただ脚本のようなものを予め作るとなると、特に政治的な意図がある場合、私は「演出過剰」かなと思う訳です。 言ってみれば仮説ありきで調査をやるようなものだからです。 次第に問題を明確にし仮説を作って行くという調査、それと同じような組み立てのドキュメンタリーの方が説得力があるのではないかと想像します。

もちろん、仮説ありき脚本ありきのドキュメンタリーにもそれはそれでプロパガンダ映画としての意味はあると思いますし、否定している訳ではありません。 ただ誘導されたり誘導したりしてしまうことが怖い、それが究極的にはナチスや軍事国家につながるのではないかという恐れを感じるのです。 レ二・リーフェンシュタールの映像は好きですが、ベルリン・オリンピックの記録映画「民族の祭典」「美の祭典」を観ると、やはりちょっと怖いところがあります。

で私の方は今日デンマーク映画「ミフネ」と「幸せな孤独」を借りて来ました。 「ミフネ」だけ観たところですが、好きな映画でした。 かなり突拍子のない?設定なのに、自然に入り込めるし、人が暖かい…。 印象に残りました。 もっともドグマ映画で一番面白いという評判の映画ですから、他は難しいのかも知れませんが…。

投稿: axbxcx | 2007.10.29 00:52

axbxcx さん、

そうか、そうですよね、映画作品なのだから、当然、演出はありますよね。

「ミフネ」、おもしろそうだな、と思ってディスカスに予約をしにいったのですが、ありませんでした(--;)。レ二・リーフェンシュタールのことは前も話しておられたことがありますね。「アフリカへの想い」と「レニ」を予約リストに入れておきました。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.29 06:00

じゃりんこさん、タイトルと関係のないコメントばかりですみません。 昨日「幸せな孤独」観ましたけれど、やはり好きな映画でした。 監督・脚本が「アフター・ウェディング」や「ある愛の風景」(未見)と同じです。 辛い話(ちょっと「アモーレス・ペロス」を思い出しました)ですし、ぐちゃぐちゃなんですが、やはり最後は人の暖かさでしょうか…。

投稿: axbxcx | 2007.10.30 22:41

axbxcx さん、

「しあわせな孤独」の予告編を見てみましたが、やっぱり今は見る気にならないです(^^;)。
今月は山ほど映画を見ました。スクリーンで9本、ディスカスで打ち止めの8本、図書館からも3本ほど...でも、恋愛物は「英語完全征服」くらいですね。「アイアン・ジャイアント」は結構好きでした(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.30 23:11

「しあわせな孤独」にしても「海を飛ぶ夢」にしても極めてシリアスですけれど、それに真正面から向き合っているところがスゴイと思います。 「ミフネ」もそうで、「レインマン」と同様、お兄さんが知的障害を抱えるという設定です。

「アイアン・ジャイアント」はそれなりに評判になった映画のようですね。 "You are what you choose to be."という台詞はとても心に残りました。

投稿: axbxcx | 2007.10.31 08:31

axbxcx さん、

「ミフネ」、ディスカスで見ると、「この作品はレンタル化されておりません」って出るんですけど、axbxcx さんはレンタルビデオショップで借りられたわけですよね。どういうことなのか、そのうちディスカスに聞いてみます。

「アイアン・ジャイアント」はaxbxcx さんの紹介がなければ見なかったでしょう。私は全然知りませんでした。最後、"I'm superman" と言っているロボットの姿にはちょっとジンとしました。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.31 17:19

じゃりんこさん、ノーサイドという割とマイナーなビデオ屋さんにありました。 ノーサイドは阿佐ヶ谷にもあります。

「しあわせな孤独」は、妻が以前、一人で借りて来て観ていました。 それでもう一度借りに行って「ミフネ」を見つけました。

「アイアン・ジャイアント」も妻のチョイスです。 どこかで評を読んで借りて来たのだと思います。 前にも書いたと思いますが、我が家と一番好みが近いと思われるのは沢木耕太郎です。

投稿: axbxcx | 2007.10.31 19:07

axbxcx さん、

今、ディスカスに問い合わせのメールを出しました。「レンタル化されていない」というのは著作権者がレンタルを許可していないということなのか、それとも、単にツタヤのレンタル部門で取り扱いがないということなのか、ということについて聞いてみました。

図書館ではビデオは借りられますが、DVDは借りられません。図書館内で見ることができるだけです。ビデオには「施設外使用許可」というようなシールが貼ってありますから、ビデオはレンタルできるけどDVDはダメとか、あるのかもしれません。

投稿: じゃりんこ | 2007.10.31 19:46

axbxcx さん、

ディスカスから返答がありました。(何度かやりとりをしました)

「ミフネ」については、「著作権を含む権利問題が弊害になり、レンタルDVD化されていない」んだそうです。
VHSのレンタルの取り扱いはあるようですが、ディスカスはDVDしか扱っていないので...とのこと。

もし、幸運にもどこかで見つけたら借りてみます(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2007.11.06 00:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17663/16892768

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「少年、機関車に乗る」Bratan:

« 絵本「ふしぎなナイフ」by 中村 牧江、林 健造、福田 隆義 | トップページ | ビデオ「日本以外全部沈没」 »