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4枚カード問題

ここに4枚のカードがある。どのカードも一方の面には文字が、もう一方の面には数字が書いてある。2枚のカードは文字の面が、残りの2枚のカードは数字の面が表になっている。「一方の面にAと書いてあれば、もう一方の面には7と書いてある」ということが正しいかどうかを調べるためには、次の4枚のうち、どのカードを裏返してみる必要があるか。

A G 7 8

正解は


Aと書かれたカードと8と書かれたカードだ。
ところが、この問題は大学生においてさえ正答率が10パーセントに満たないことがあるという。たいていの人は「表にAと書かれたカードをひっくり返してみるべきだ」ということは正しく推論するのだが、多くの人が「7と書かれたカードをひっくり返すべきだ」と主張するのだそうだ。7のカードの裏にどんな文字が書かれていようと、この命題の正しさを検証するのには関係がない。でも、もし8のカードの裏にAと書かれていれば、この命題は正しくないことになるわけだから、ひっくり返して確かめなければならないのは8のカードのほうなのだ。

実は私も、問題の意図がはっきりとつかめなくて、正解がわからなかった(^^;)。娘二人も不正解。これは「人間は抽象的な思考が苦手」という話で、放送大学「学習科学」で紹介されていたもの。

この問題と同じ型だが具体的なことになると正答率はぐっとあがる。
たとえば、

あなたは警察官で、カフェで「ビールを飲んでいる人は20歳以上でなければならない」という規則が守られているかどうかを調べなければならない。カフェでは4人の人が何か飲んでいる。ひとりはコーラを飲み、ひとりはビールを飲んでいるのがすぐにわかった。あとのふたりは何を飲んでいるかはすぐにはわからないが、同僚が年齢を知っていて、ひとりは16歳でひとりは22歳である。飲み物の種類もしくは年齢を調べなければならないのはどの人か。

という問題では、ほとんどの人が正しく、「ビールを飲んでいる人と16歳の人」と答えることができる。

そうなんだなぁ。人間は意味のないことを考えるのが苦手で、ついなんにでも意味を与えてしまいたがるわけだ。というわけで間違って推論することも多い...

今期の放送大学、あまりまじめに勉強していなくて、通信課題提出のためにあわててざっと目を通したのだけど、「学習科学」は結構おもしろい。「神経心理学」のほうは、おもしろくないわけではないけど、車の中で録音したテープを聞く、という私のスタイルだと、ちょっとそれだけで理解するのは大変。テキストをちゃんと見て理解しないと。というわけで、今期はパスすることにしてしまった(^^;)...

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コメント

じゃりんこさん、私も問題の意図がわかりませんでした。 要因は二つあると思います。

一つは、ビールの例ではカフェ内の4つのケースだけ調べればよいということが明確ですが、AGの問題ではその4枚だけではなく「常に真実」でなければならないと思い込んでしまうことです。 ビールとか年齢だから具体的なのではなく、カフェで4つのケースだけ調べればよいということが具体的とでも言うか…。

もう一つは数学でA⇒7ならば間違えることがないと思うのですが、普通の日本語でA⇒7と説明されると、同時に7⇒Aと思い込んでしまうことです。 具体的な例であれば逆が真でないことが自動的にわかりますが、AやGではそれがわかりにくいのです。

ということで、この4枚のカードだけで真であればよいということと、「一方の面にAと書いてあれば、もう一方の面には7と書いてある」ただし「一方の面に7と書いてあるからといって、もう一方の面にAと書いてあるとは限らない」ということが出題文で明確であれば、意図がわからない人はほとんどいなくなると思いますが…。

投稿: axbxcx | 2007.12.06 08:42

axbxcx さん、

講義のなかで話題になっていたのはまさにその「思い込み」でした。この文だと、最初に「ここに4枚のカードがある」と言っているのですから、この4枚のカードについて話していることは明確です。コンピューターならこの問題を間違うことはありません。でも、人間はつい、述べられていない前提を勝手に補って推論してしまったりするわけです。それは人間が社会生活を営むうえでそのほうが円滑にやっていける、というような事情があって、与えられた条件だけで杓子定規に解釈しているといろいろなところに支障が出てくる。というわけで、書かれていないことまで補って考えてしまうのが人間の思考の特色のひとつ、というような話でした。

ただ、私も、この4枚カード問題はいいんですが、ほかの問題で、え?と、わからないものもあり、質問してみようと思っています。でもこの講義を担当されていた波多野誼余夫先生は亡くなられているので、どなたが答えてくださるのかわかりませんが...。

投稿: じゃりんこ | 2007.12.06 17:39

じゃりんこさん、試しに実際に4枚のカードを作って上の娘にやってもらったら、「こういうの好きなの」と大喜びでカードを動かして、しばらく考えてからですが、正解していました。 何でも就活の準備でこの手の問題はたくさんやったのだそうで、きちんと論理的に考える癖がついているそうです。

投稿: axbxcx | 2007.12.09 10:53

さすがaxbxcx さんの娘さんですね(^^)。うちはカードを作ったとしても正解したかどうかあやしいです。
で、実際にカードを作ったっていうaxbxcx さんもさすがです(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2007.12.09 18:08

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