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児童労働

日曜のフェアトレード研究所主催のドキュメンタリー上映会で見た映画からもう一本・・「働く子どもたちー私たちの声をきいて!ブラジルの児童労働」。サンドラ・ヴェルネッキ(Sandra Werneck)という監督は、ブラジルでは有名なドキュメンタリー映画の監督だということで、さすがというべきなのか、印象に残る場面が多かった。ドキュメンタリーなんだから、インタビューされている人が話す内容について監督がどうこうできるわけではないだろうし、誰が撮ってもそんなに違わないのでは、という気もするのだが、とにかく、この作品では子どもたちが生き生きしていた。

サトウキビ畑での農作業、タイヤの修理、鶏の屠殺、ダンボール集め、などの仕事に従事する4人の子どもが登場して、自分の仕事についての思いを語る。子どもたちは学校に行かずに仕事をしていたりするわけだが、とても賢くてしっかりしていることに驚く。「ボスとちゃんとした契約を結びたい」と話す彼らを見ていると、学校に行かなくてもこんなにしっかり考えられる子に育っているんだからいいんじゃないか、なんて、映画製作者の意図とは反対のことを感じてしまったり(^^;)。

単に児童労働をやめさせればよい、というものではないだろう。子どもの稼ぎが一家を支えている(父親不在の家庭で、仕事から帰ってきた少年に「ちっちゃいパパ」と言って抱きつく幼い妹の姿が印象的だった)、という現実がある場合、児童労働は違法だから、とやめさせるだけでは、その一家を飢死にに追いやってしまうことになる。ただ、子どもだというのに、爆発の危険もあるようなタイヤ修理の仕事をしていたり、大人用にデザインされた重い鎌を使っていたり、など、好ましくない環境で仕事をしている子どもたちがいる。しかも、子どもであるという理由で、不当に安い賃金で長時間こき使われていたりする。

子どもたちが自分の雇用主のことをよく思っていないのは悲しい。雇用主の話を聞いていると、「いかに儲けるか」ということが最大のテーマで、子どもを雇えば安上がり...という考えだから、子どもたちがそんなふうに感じるのももっともだ。

鶏の屠殺に携わっている子どもが、「この仕事?...内臓をきれいにするのは好きだよ」と言いながら、「動物は殺されるためじゃなくて生きるために生まれてきたんだ。だから本当はこの仕事は大嫌いだ」と話す言葉は胸に痛かった。それでも「大きくなったら農場を持ちたい」と夢を語る。それが実現する可能性があまりあるとも思えないのだけど、この子が夢を持っている、というだけでも少し救われる気はする。他の子は「この仕事を続けているだけでは将来は何も明るくない」と話したりして、確かにそのほうが現実的に思える...ただ、そんなふうに語る子どもの顔も暗くはなかったりする。何故なんだろう...仕事を持っていることの誇りがあるのかもしれない。

だったら仕事を持っているのも悪くないのでは...と思ってしまったりするが、やはり危険な仕事に従事していたり、不当な低賃金で長時間労働をさせられているのは問題だろう。子どもが低賃金で雇えるぶん、大人には仕事がまわってこなかったりするわけだし。子どもが子どもである時代を楽しめるようにすることが大人の責任で、子どもからそれを奪い取ることは大人としてやってはいけないことなのに、そんな大人がいるという現実がある。

ただ、この映画が作られたのが1995年だから、今は状況が少しでも改善されているといいけど...どうなんだろう。

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