« お疲れ様 | トップページ | ビデオ「真昼の暗黒」 »

ビデオ「ボビー・フィッシャーを探して」

好きな作品だった。

ボビー・フィッシャーは、アメリカ人として唯一チェスの世界チャンピオンになった人。ボビー・フィッシャー本人はその後公の場から姿を消したりして、アメリカのチェス界では、第二のボビー・フィッシャーの登場が待ち望まれていたが、その才能を持った7歳の男の子ジョシュと、彼のまわりの人々の話。

ジョシュは公園での賭けチェスを見るのが好きだった。彼の公園でのデビュー戦はみんなの注目を集め、母親は息子の才能に気付く。それを父親に話したところ、初めは半信半疑だった父親も、息子の才能を伸ばしてやりたいと、チェス界の大物(ベン・キングスレー)に個人コーチを頼むのだが...

正統派チェスの大御所ベン・キングスレーと、公園の賭けチェスメンバーのローレンス・フィッシュバーンが、それぞれの違いを際立たせていておもしろい。息子を愛しながらも、その才能を第一に考える父親(ジョー・マンテーニャ)と、息子の幸せをまず考える母親(ジョーン・アレン)との違いも。そして、なんといってもジョシュ役の男の子(マックス・ポメランク)がすごい。飄々とした雰囲気をもちながら、心優しく、自分の頭で一所懸命考える姿が胸をうつ。ジョシュのライバルになる男の子だけは、ちょっといかにも作られたキャラクターという感じがしたけど...これ以外の脇役の人たち(ジョシュの学校の先生とか、チェスの大会で父親どうし親しくなる仲間とか)もみんないい感じで、印象的な場面も多かった。

おもしろいと思ったセリフが(以下ネタバレ)

「ジョシュに正統派のチェスを教えるためには、公園の賭けチェスをやめさせたほうがいい。公園には行かせないようにしなさい。」と進言するベン・キングスレーに対し、父親は「わかりました」と言うのだけど、母親は「だめよ。ジョシュは楽しみにしているんだから」と反対する。母親は、「公園でチェスをしている仲間はどこで寝ているのだろう、うちの2段ペッドに泊めてあげようよ」と言うようなジョシュの優しさを大事にしたかったのだ。それに対し、ベンが "(It) just makes my job harder."(それでは私の仕事がやりにくくなります)と言うと、母親は "Then your job is harder." (それがあなたの仕事なのよ)と返す。うーん、なかなか言えるセリフじゃないよなぁ。母親は、後にベンが息子に対してひどい仕打ちをしたときにも毅然とした態度を示す。

「勝つためには相手を憎め。軽蔑しろ。みんなは君のことが嫌いだ」と言うベンに対してジョシュが言うセリフも心に残る。最後の決戦を前にしたジョシュとベンの会話、そして決戦を見守る人たちの様子や、決戦そのものもおもしろい。チェスを知ってたらもっとおもしろかっただろうけど、知らなくてもとても楽しめた。

|

« お疲れ様 | トップページ | ビデオ「真昼の暗黒」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17663/17731247

この記事へのトラックバック一覧です: ビデオ「ボビー・フィッシャーを探して」:

« お疲れ様 | トップページ | ビデオ「真昼の暗黒」 »