« ビデオ「活きる」(原題 活着) | トップページ | アイメッセージ »

映画「ファヴェーラの丘」Favela Rising

「ファヴェーラ」というのは、ブラジルの貧しい人たちが住む地域で、だいたい丘の上にある(のだと私は思っていた)。学生時代、サンバが好きだった私にとって、ファヴェーラのイメージは、サンバが歌われているところ。サンバの歌手たちもよくファヴェーラのことを歌っていた。だから、この映画の冒頭で、「ファヴェーラは、パレスチナよりも多くの子どもたちが日々亡くなるような危険なところ」いうふうに紹介されているのは、私のイメージとはわりと違う。でも、確かに、ブラジルに行ったことのある人から「ブラジルはあまり安全な国ではない」という話は聞く。だから私も、行きたいと思いながら行けずにいる。映画「シティ・オブ・ゴッド」で描かれていたように、子どもたちが簡単に凶悪な犯罪に手を染める、そんな地域があるのは事実なんだろう。

この映画は、そんなファベーラで生まれ育ったアンデルソン・サーという人が、現状に対して「なぜ殺しあわなければならないのか」という疑問を感じ、「アフロレゲエ」というグループを結成して、音楽を通じて暴力をなくしていこうとする姿を追ったもの。音楽に「暴力に対処する力」なんてあるのか、と思ってしまうけど、実際、子どもたちは、アフロレゲエに魅力を感じてそのグループに入ろうとするようだ。それがなければ、「夢は麻薬ギャングになること」(一番お金が儲かるから)という子どもたちが、他の夢を持つことができる。単に「教育的」なグループでなく、やっぱり音楽がかっこいいから、子どもたちもやりたいと思うわけだ。

アンデルソンが中学生くらいの子どもたちに「学校に行けよ。勉強は大事だぞ」と話している場面がある。そのときはアンデルソンの言うことに耳をかさなかった子どもが、実は後でアフロレゲエグループに参加したりしている。子どもは単なるお説教は聞かないけど、かっこいい大人のいうことは聞く。(それは2歳児もおんなじなんだろうな(^^;))

音楽ですべてが解決するわけではないだろうけど、音楽に大きな力があるのも事実。
八木啓代さんというラテン音楽の歌手の方が「中南米で大きな政治変動があるとき、かならずそこには歌がある。」と書いておられる。(「PANDORA REPORT」p.29) 生活のなかに占める音楽の比重が大きく、だから音楽家が政治に関わることもめずらしくない。音楽家はオピニオンリーダーであることを期待されている面があるのだとういう。「アフロレゲエ」でもメッセージ性のある歌をたくさん歌っている。

麻薬の売買、それにまつわる暴力沙汰、警察の不正...そんな社会で、ノリのいい音楽にあわせて踊る人たちの明るい(本当に明るい)笑顔を見ていると、やっぱりいつかは行ってみたいなぁと思う。

|

« ビデオ「活きる」(原題 活着) | トップページ | アイメッセージ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17663/40852619

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ファヴェーラの丘」Favela Rising:

« ビデオ「活きる」(原題 活着) | トップページ | アイメッセージ »