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映画「マンデラの名もなき看守」Goodbye Bafana

これが実話だとすれば興味深い話だと思う。マンデラという人は30年近くも刑務所で過ごし、理想の実現のためには「刑務所から解放してやる」という甘い誘いにものらなかった...すごい人なんだ。思わずじーんとしてしまう場面もあった。ただ、看守のグレゴリーが、黒人を見下していた、アパルトヘイトに何の疑問も抱いていなかったのに、しだいにマンデラに惹かれていく過程が、いまいちストンとおちなかった。ここが肝心なところなんだろうに。

マンデラは一生涯をかけて、黒人と白人がともに暮らせる社会を作ろうとしたわけだけど、南アフリカの現状はどうなんだろう。映画「ツォツィ」で描かれているような殺伐とした雰囲気が常態なのだとしたら悲しい。それでも、少なくとも建前は黒人と白人に差別はないという状態を作り上げたことはやっぱりすごいと思う。

じーんとしたのは(以下完全ネタバレ)

20年以上も投獄され、妻との会話もたまにガラス越しにしかできなかったマンデラが、面会の規則が緩められて妻と抱き合う場面。

疑問に思ったことは、グレゴリーは子どもの頃、黒人の子どもと仲良く遊んでいたという事実。ふたりで仲良く並んで撮った写真をアルバムに貼って残しているし、その子からもらったお守りも大切に持ち続けている。白人は従順な黒人とはよい関係にあった、ということなんだろうか。しかし彼は黒人一般を馬鹿にするような発言をしている。...たぶん、それは彼の本心ではなく、心の深いところで、人間は平等である、ということに気付いていた、ということなのかもしれない。

マンデラがグレゴリーに、「妻にチョコレートを渡してくれ」と頼む場面があるが、妻がそれを公表してしまったというのはちょっと信じがたい。事実だとしたら、思慮のない行為だと思う。グレゴリーが好意でしてくれたことはわかりそうなものなのに、それを公表したらどんなことになるのか思い描くことができないのだとしたら。どこまでが実話でどういう部分が創作なのか...たぶん、原作を読めばグレゴリーが変わっていく過程はもっとストンとおちるんだろうな。

あと、邦題の「名もなき」っていうのは私には余計な感じがする。

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コメント

「光州5.18」で書き込みしました「どとうとしや」です。
私自身、この「マンデラの名もなき看守」という作品観ました。
映画の情報で、看守役とマンデラさん役がコーサ語を勉強したとか、そういう熱意があり、なおさら観ざるを得ない気がしました。
法務大臣が、わざわざロベン島に訪ねてきて、マンデラさんに、武力闘争放棄と引換えの釈放を提案してきたシーンがありましたが、マンデラさんがあっさり拒否したところがすごく格好よかった気がします。
ただ、南アフリカ国軍本部での爆破作戦で一般市民に巻き添えで死者が出てくるシーンが少し出てきて、看守のグレゴリーがマンデラさんたちを責めるシーンがありましたが、南アフリカ国軍がモザンビーク・アンゴラその他の周辺国の作戦で一般市民の死者がかなり出ていることには全然触れられず、1976年ソウェト蜂起には手短に言及しているだけで、なんとなく不公平だなという印象がでました。
一般映画で、マンデラさんの登場、感激してます。

投稿: どとうとしや | 2008.06.18 22:45

どとうとしやさん、

他の映画にもコメントをくださってありがとうございます(^^)。

ほんと、かっこいいですよね。
ただ、本文にも書きましたけど、どこまでが事実でどこからが創作なのかはわかりませんが...。どとうとしやさんも、描き方に不公平感があると感じておられるようですが、私も、なんとなく中途半端な印象を受けました。それでも、私のような者には、映画のおかげで、ちょっとは実情を知ることができる気がするので、ありがたいですが(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2008.06.19 00:49

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