« 映画「マンデラの名もなき看守」Goodbye Bafana | トップページ | 映画「さよなら。いつかわかること」 Grace is gone »

60年目のパレスチナ難民

パレスチナこどものキャンペーン」の主催するシンポジウムへ行ってきた。パレスチナの人たちが難民となってもう60年もたってしまったのだ。先日、イスラエルでは建国60周年を祝ったようだけど、パレスチナ難民の人たちにとってはもちろん祝い事ではない。

今日のゲストスピーカーは放送大学の高橋和夫先生と、もうひとり、映画「ガーダ」の監督である古居みずえさんが来られる予定だったが、3月からガザに行っておられた古居さんは、検問所が開かなくてガザを出ることができず、来られなかった。しかし、古居さんの送ってこられた写真を見ながら電話インタビューを聞くことができた。

電気がないのでろうそくのあかりで食事をする家族。ろうそくすらなく、配給の食用油に布を浸して燃やし、それをあかりにしている場合もある。5日から1週間おきにくる水をもらいにいってポリタンクにためておく。ガソリンがないから食用油を燃料にして走っているが、その臭いがひどく、乗っていると気分が悪くなる。廃油の利用といっても山田周生さんがやっておられるようにちゃんと精製しているわけじゃないからだろう。そして、これも身体に害があることがわかって禁止されてしまった。ガスがないから昔ながらのかまどでパンを焼く人...古居さんは「ガザには20年間通っているが、今の状況は最悪だ」とおっしゃる。人々の関心事は、とりあえず今日の食料を確保すること。国連の配給でなんとか暮らしているけれど、本当は人々は施しを受けるのではなく、自分で働きたいと思っている。国境をあけてほしい、仕事がしたい。そしてハマスとファタハが争いをやめてひとつになってほしいーそれが人々の願いだという。

続いて、高橋先生は中東情勢とアメリカの状況をからめて話をされた。高橋先生の話はやっぱりわかりやすい(^^)。パレスチナの人たちは何故60年間も難民であり続けなければならなかったのか。それはアメリカがイスラエルを支持しているから。では何故アメリカはイスラエルを支持するのか。それはアメリカにいるユダヤ系の人たちの力が強いから。民主主義の国アメリカの政治家にとっては選挙がすべて。ユダヤ系市民は約550万人で人口の2パーセントにすぎないのだが、ユダヤ系の人たちはよく組織されていて選挙での投票率も高い。ユダヤ系の企業も多くお金があり、政治献金をしてくれる。メディア(ニューヨークタイムス、ワシントンポストなど)をにぎっていて影響力が大きい。もし、イスラエルを非難しパレスチナを支援するような態度をとったらどうなるか。ユダヤロビーは次の選挙で対立候補をたてて経済的に支援し、イスラエル批判をした政治家は負けてしまうだろう。政治家としてはユダヤロビーと喧嘩をしたくないのだ...ただし、アメリカにいるすべてのユダヤ人がイスラエル支持かというと、そうではない人も多い、とは話しておられた。また、ユダヤ系ではないがイスラエル支持をしているのが、キリスト教原理主義の人たちで、この人たちは全パレスチナがユダヤ化されることがイエス再臨の前提であると考えている。さらに、中東各国の状況や、大統領選の民主党、共和党それぞれの候補の主張について、など、なるほどそうなのか、と思わせられることがいろいろあった。

それで結局私たちに何ができるの、ということになると、明るい見通しはあまりないのだけど、パレスチナの人たちがおかれている状況を伝えて、イスラエルが国境封鎖をやめるようにという世論を作り上げていくこと...国際社会がイスラエルへの非難を強めていけば、ユダヤロビーとしてもアメリカ政府としても決してそれを無視できなくなっていくだろうから...。

|

« 映画「マンデラの名もなき看守」Goodbye Bafana | トップページ | 映画「さよなら。いつかわかること」 Grace is gone »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17663/41318975

この記事へのトラックバック一覧です: 60年目のパレスチナ難民:

« 映画「マンデラの名もなき看守」Goodbye Bafana | トップページ | 映画「さよなら。いつかわかること」 Grace is gone »