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「ありがとう」を言わないわけは

しばらく前、tabe さんが日記にこんなことを書いておられた。

ちょっと込んだ電車の中で。中国人の母親が、むずがる子どもの相手をしているのを見かねて、ある男性が席をゆずった。するとその母親は当たり前のようにどかっと座って子どもを膝に乗せ、男性に対する感謝の気持ちを示すということがまったくなかったらしい。まわりの日本人の雰囲気は硬くなり、「中国人はなんて礼儀知らずなんだ...」という空気が流れた。

tabe さんも「会釈くらいすればいいのに」と思って、でもそこで、「中国って老人や弱い立場の人に優しくする文化がある。弱者に席を譲るのは当たり前の行為と考えられているからわざわざお礼を言わないのかも」と思ったそうだ。

tabe さんはこれに続けて、韓国での体験とか中国の映画の話を書いておられてとてもおもしろかったので、ミクシィの会員で興味のある方はこちらへどうぞ。(本人の了解済みです)


私もtabe さんの話を聞かなかったら、きっと「失礼な人」と思ってしまっただろう。国や育った環境の違いで考え方の違いがある、と頭ではわかっていても、なかなかふだんの生活でそのことを考えられない。

で、先日、「世界地図がよくわかる本」(by 荻野洋一)というのを読んでいたら、おもしろい記事を見つけた。インド語には日本語の「ありがとう」にあたる言葉がないんだそうだ。

「ダニヤワード」という一語がそれに近い表現とされているそうだが、これは目上の人物が目下にいう「ご苦労だった」というニュアンスが含まれているため、友人同士や見知らぬ人同士が気楽に使うにはふさわしくない。最近のインドの若者の間では、仕方なく英語の「サンキュー」という表現を使っている(中略)。なぜ、インドに「ありがとう」という一語が発達しなかったのか。その理由は、インド独特の身分制度であるカースト制度にのっとった、ギブ・アンド・テイクの精神が関係しているという。この考え方は、物乞いの人たちにも浸透しており、彼らも金を恵んでもらっても「ありがとう」とは決していわない。金という物質的なギブをもらう代わりに、功徳というテイクを与えてあげたという考え方があるのだ。(p.121)

私はインドに行ったことがないし、この著者の書いておられることが本当かどうかを確かめたわけじゃないけど、そういうこともあるのかもしれないなぁと思う。なんでもつい自分の価値観で判断してしまいがちだけど、自分の価値観がすべてじゃないって、機会あるごとに思い出さないといけないんだろうな。

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コメント

いえいえ、私もよく分からないで書いているので(^^; 
私の言うことはあまり信用しない方がいいです。笑

でも、インドに「ありがとう」がないとか、ほんと言葉って面白いと思います。
以前アルゼンチンで、日本に旅行する人向けの会話本を買ったら、レストランの項に、やたら牛肉の部位を細かーーく分けて日本語に訳してありました。肩の前部、中部、後部、内部、とか。アルゼンチン人にとっては大きな違いなのでしょうが、日本のレストランで「仔牛より少し成長したくらいの、背中の前の方の奥めの肉」とか指定したところで、、、ねえ(笑)
 

投稿: tabe | 2008.05.28 18:59

tabe さん、

いえいえ、なんか、そんな見方ができるのってすごいなって思いました、ほんとに。やっぱり自分の価値観ですべてを判断する人が多いと思うし、私もその傾向ありそうだもの。

アルゼンチンでその本を買った人が日本に来てレストランでそれを使って牛肉の部位を指定しても「は?」っていう顔をされるでしょうね、たいていの場合(^^;)。「大事なこと」って必ずしも世界共通じゃないのね。
エスキモーだと雪に関する語彙が豊富だし、アラビア語だとラクダに関する語彙が豊富なんだそうです。
でも「ありがとう」は世界共通かな、と思ってたらそうでもないと知ってびっくり。普遍的なものってなんなんだろうね。子どもに対する親の愛とかかなぁ...?

投稿: じゃりんこ | 2008.05.28 21:04

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