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映画「今夜、列車は走る」Próxima Salida

最初から終盤までずっと重苦しい雰囲気が続き、決して楽しい映画ではないんだけど、話にぐんぐん引き込まれて...いい映画だったな。

アルゼンチンの小さな町で、鉄道の路線が廃止されることとなった。組合は反対するが、らちがあかない。組合長は閉塞状況に耐えられず自殺。会社は「解雇」という形をとらず、鉄道員たちに「自主退職願」を書かせようとし、組合は抵抗するものの、いくばくかの退職手当をもらって結局はそれにサインしてしまう。最後まで抵抗してサインしなかったひとりをのぞいて。映画は職を失った男たち5人のその後を描く。新しい職を得るのは簡単ではなく、職を得たとしても、生活は苦しい。

私の父は国鉄の機関士だった。私が電車好きなのは、たぶんそのせいだ。父は子どもの頃から「電車の運転をしたい」というのが夢で、その夢の仕事に就いたのだから、当然、仕事は好きだった。不規則な勤務体制で、大変なことはもちろんあったのだろうけど、誇りを持って仕事をしていたのだと思う。国鉄分割民営化の頃には定年に近かったから、新しい仕事に就いていたけど、やはりあまり張り合いがなかったのだろう。誇りを持ってしていた仕事を急に奪われてしまったら...この映画の男たちもそうだったのだ。

ひとつひとつのエピソードが胸にこたえる。あまりにもドラマチックな展開(特にスーパーでふたりが対峙する場面)と、いかにも映画的なラストに、できすぎの感がしなくもないけど、脚本もラストも私は好きだった(^^)。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

遅蒔きながら、夕方から下高井戸で観て来ました。 おっしゃるようにちょっと作り過ぎのところはあるかも知れませんが、よくできていました。 登場人物の数もちょうどよくて、平行してぐんぐん進んで行く感じでした。 カメラワークにオッと思ったところも何ヶ所かあったし…。

次の世代が動くというところがいいですよね。 日本語のタイトルではよくわからないところがありますが、次の出口というところに光を感じました。 いまの日本の情況をこんな風に芸術作品にできる監督、いませんかねえ。

投稿: axbxcx | 2008.08.03 21:13

axbxcx さん、

この映画、よかったですよねぇ(^^)。今もいろんな場面が印象に残っています。

今年は結構日本映画がおもしろくて。昨日、放送大学の試験が終わったので、ポレポレ東中野で「アメリカばんざい」を見てきました。これも日本人の監督で、よくあんな映画が撮れたなぁと思います。でも「花はどこへいった」とか「バックドロップクルディスタン」とかのほうが私は好きでしたけど。どちらも芸術作品というのじゃなく、ドキュメンタリーですが。フィクションでは「闇の子供たち」というのも見たいと思っていますが、そう言われれば、確かに日本の状況じゃなくて、日本人の監督も外国の状況を撮っていますね。でも、日本にも関わりのあることだ、という視点はあると思います。...あ、それから、「休暇」、私は見逃してしまったんですけど(下高井戸あたりでやるのを期待していますが)、これは日本のことですし、おもしろかった、という話も聞いたんで、日本にも結構おもしろい作品を撮る人はいるのでは、と思います(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2008.08.03 22:23

じゃりんこさん、娯楽作品やドキュメンタリーでは面白い日本映画、結構あると思っているのですが、「芸術」(決して難しいという意味ではありませんが)という目で見ると、「泥の河」の印象が強過ぎて、それ以後、あまり感動した記憶がないのです。

複数の友人から「歩いても歩いても」がよかったと聞いているので、見に行きたいと思っています。 「崖の上のポニョ」も、もちろん近いうちに。

小津安二郎の戦後すぐの作品が安かったので買い込んで、最近はそれを続けて観ています。

投稿: axbxcx | 2008.08.04 06:39

axbxcx さん、

「泥の河」は見ていません。私は「芸術作品」は苦手かもしれませんが、これは見てみたいと思います。ディスカスにはないんですが、図書館にあるかなー。

「歩いても歩いても」ですか。他にも気になる日本映画、あるんですが、ペルー行きまではあまりいろいろ見られなさそうです。ポニョは今週見に行きます(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2008.08.04 06:56

じゃりんこさん、「泥の河」、家の近くのTSUTAYAにはあったと思いますけどねえ…。

アルゼンチンにしばらく住んでいた友人(「歩いても歩いても」が気に入ったというのも一人は彼です。ポチョは一昨日観たそうです)から、アルゼンチンは劇場政治・新自由主義の先駆者?と聞いていましたし、もっと主義主張が表に出た映画かと思っていたらそうではなかったと言う意味で「芸術作品」と書きました。 もっとも「今夜、列車が走る」を観に行こうと言い出したのは妻ですが…。

上の娘は昨日「秘密と嘘」を借りて来ていました。 マイク・リー監督も我が家では人気があります。

投稿: axbxcx | 2008.08.04 08:45

axbxcx さん、

その「泥の河」はVHSですよね?DVDは小栗監督のDVD-BOXでしかないようです。ディスカスはVHSは扱っていないし、DVD-BOX の貸出はしていないので...。たぶん、図書館にあるような気がするんですけど、確かめるのは9月以降になりそうです。

そうですね、私は「今夜、列車は走る」を「芸術作品」とはよばないですね。。。「芸術とは何か」という話をここでする気はないですが、映画の場合なら、「ストーリーよりも表現の仕方に重きが置かれたもの」が芸術っていう感じですかね、私にとっては。

私は昨日は「ブエノスアイレスの夜」を見ていました。スペイン語に耳をならそうと思っていくつかリクエストしたなかで来たのがこれでした。まだ途中なんですが、これは「芸術作品」系ですね、私には(^^;)。

マイク・リーって誰?と思ったら、ヴェラ・ドレイクの監督でしたか。好きな映画でしたが、その後この監督の作品はひとつも見ていません(^^;)。

投稿: じゃりんこ | 2008.08.04 18:12

じゃりんこさん、マイク・リーですが「人生は、時々晴れ」を妻が気に入っています。 「ヴェラ・ドレイク」はあの『普通のおばさん』の演技に圧倒されました。 あの時代、ああいうことが実際にあったのかと思ったら、実は完全に創作と書いてあったので、ちょっと拍子抜けしましたが…。(コーエン兄弟の「ファーゴ」のときもそうでした。 そうそう、妻はフランシス・マクドーマンドのファンです。)

投稿: axbxcx | 2008.08.07 10:09

axbxcx さん、

「ヴェラ・ドレイク」は完全な創作なんですか。私も「事実にインスパイヤされた」作品なのかと思ってました。
「人生は、時々晴れ」、レンタルDVDの予約リストに入れました(^^)。

投稿: じゃりんこ | 2008.08.07 21:07

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