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ドル離れ

今年度は、PARC自由学校の「アメリカ離れする世界」という講座をとっている。私がこの講座に参加を決めたのは、岡真理さんが講師をされる日がある、と知ったから。岡さんの明快な文章のファン(というほどたくさん読んでいないけど(^^;))なのだけど、関西の方なので、なかなかこちらでお目にかかる機会はなかった。もちろん、そのほかの講義もおもしろそう、と思ったから決めたのだけど、全体的に私にはレベルが高いというか(^^;)...今まででおもしろいと思ったのは、太田昌国さんの「反グローバリズム運動の原点」。仕事の都合で行けないこともあったし、途中から参加のこともあって、全部には参加していないので、おもしろさがちゃんとわからないのかも? でも、先日の「ドル離れー基軸通貨体制崩壊後の世界」は、松村文武先生が、経済学初心者にもわかるように話してくださったので、おもしろかった。

第二次大戦後、ドルが国際的な基軸通貨として機能してきた。それまではおおむねポンドがその役割を担っていたわけだが、二次大戦の舞台となったヨーロッパが疲弊しきっていたのに比べてアメリカ本土は何の被害も受けなかったし、また、当時、アメリカは貨幣としての金(きん)をたくさん所有していた(世界の90パーセント)という事情から、ドルが基軸通貨として力を持つことになった(ブレトン・ウッズ体制)。この頃は、一応(完全ではない)、金本位制に基づいて貨幣は発行されていたのだ。しかし、1971年、アメリカはドルと金との交換停止を発表する(ニクソン・ショック)。これでドルの価値は低落し、ドルは終焉を迎えるだろう、と言われた。ところが、現実はそうならなかった。現在まで、ドルは基軸通貨としての地位を保っている。それはなぜか。

日本をはじめ、多くの国がドルを支える体制を築いているのだ。各国は外貨準備として基軸通貨としてのドルを保有している。そして、多くの場合、それを現金ではなく、アメリカの国債を買う、という形で保有しているのだ。ドルの価値が下がると、ドルを多く保有している国は困るわけで、なんとかしてドルを防衛しようとする(円を売ってドルを買う、など)。そういう事情で、ドルはしぶとく生き残ってきた。

ところが、ユーロが誕生し、「ドルのみが基軸通貨」という状態は揺らぎ始める。アメリカの国債発行額は国家予算の4分の1を占めているし、サブプライムローン問題、貿易収支の赤字、と、先日のリーマンブラザーズの経営破綻を待つまでもなく、アメリカ経済はガタガタだ。今後は、ユーロ、ドル、アジア通貨(誕生は2030年ごろか)...というような三極構造になっていくのではないか...。ただ、依然として、アメリカの金保有量は他国を圧倒しており、アメリカが金本位制の復活を宣言するかもしれない...?

ユーロ誕生の話もおもしろかった。ユーロは4つの厳格な基準を満たす国のみ加入することができるのだが、もし日本がヨーロッパ圏にあったとしたら、はたしてユーロに加入することはできるか。答えは否。ユーロ加盟の条件 のうち、日本は、「財政赤字がGDPの3%以下」「債務残高がGDP60%以下」などの条件をクリアできないのだ。経済大国と思われている日本にしても、ユーロ圏の人たちのの考えている健全な経済ではないわけだ。
経済のことを勉強すると、いろいろわかっておもしろいんだろうなぁ。

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