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映画「ブタがいた教室」

小学6年生の担任になった新任の先生が教室にブタを連れてきて、「このブタをみんなで育てて最後には食べたいと思うがどうか?」という提案をする。子ども達は「おもしろそう」と賛成するが、世話をするうちに、とてもPちゃん(ブタの名前)を食べることはできないと感じ始める...

卒業を前にして、Pちゃんの処遇をどうするかについて子ども達が意見を戦わせるのだけど、子ども達が一所懸命に考えている姿を見ていて何度も涙が出てきてしまった。子ども達の討論の部分は台本がなく、子ども達自身の言葉で語られたものだそうだけど、はっとするような言葉があって、子どもの力のすごさを感じた。生き物を食べるというのはどういうことなのか。子ども達はこの授業を通して多くのことを感じとっただろう。

見ていてうらやましいと思ったのは、こういう校長先生のいる学校で仕事ができること。新任の先生の試みを「親を納得させられるのか、近隣に迷惑をかけることはないか、大変な授業をやりとげる覚悟はあるのか」などの点を確認したうえで、先生を信頼してやらせてみる。保護者から苦情が来たときの対応もよかったな。保護者の意見に右往左往する管理職が多いなか、自分のビジョンをしっかり持っている管理職は頼もしい。この校長先生が原田美枝子だということに最後のクレジットが出るまで気づかなかった。校長先生にしては若い、と思ったけど、原田美枝子なら校長先生になれそうな年齢だ。でもその年齢を感じさせないくらい今もきれいで、で、性格的にやわらかさのある役柄だったので、原田美枝子だとはわからなかった。私には彼女はなんとなくとんがったイメージ(いい意味で)があったので。

で、その新任の星先生(妻夫木聡)は校長先生の期待に応えたかというと...うーん、新任で経験が浅いから仕方のないところがあるとはいえ、しっかり覚悟を持って授業を展開した、とはいえない部分があるだろう。子どもとともに学ぶ、とか、子ども達に考えさせる、というのは大切だけど、教師としてはやはりある程度結果を予測しておく必要があるし、なりゆきまかせ(というのは言いすぎだろうけど)にするのは無責任だと思う。でも、私は、この先生の試みは意味があったと思う。子ども達にとって強烈な印象を残した授業だったと思うし、子どもはいっぱい楽しんでいっぱい考えていっぱい学んだに違いないから。

はっとさせられた言葉は(以下完全ネタバレなので見ていない人は読まないほうがいいと思います)

「命の長さって誰が決めるんですか。」自分だちにPちゃんの寿命を決める権利があるのだろうか、という問い。
「殺すのはいのちをむだにすることだけど、食べるのはいのちを受け継ぐことなんだ。」ーこれは、父親が食肉業を営んでいる子どものセリフ。

「ブタを育てて食べる」という授業計画だったのだから、本当は食べるところまでやるべきだったのじゃないかなぁと私は思うけど、それをためらう気持ちもわかる。さすがに子ども達にPちゃんの屠殺場面は見せられないか...でも、だったらそもそもこういう授業計画もすべきではなかったのかもしれない。ブタを教室に連れてくる前に、計画について話し合うべきだったのだろう。1年間世話をしたブタを食べようとしたらどんな気持ちになるか...は想像に難くない。
それでも、子ども達が本当にドキドキするような授業をやってみようとする教師は、通り一遍の無難な授業だけこなしている教師よりずっとステキだと思うけど。

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