« 教会は何をするところ? | トップページ | 保護されたWMAをMP3に変換する »

映画「私の中のあなた」 My Sister's Keeper

白血病の姉ケイトを救うドナーとして作られた妹アナ。アナは出生直後から、臍帯血、骨髄などをケイトに提供し続けてきたが、11歳となってさらに腎臓の提供を期待され、両親を訴える。もう姉に臓器を提供するのはいやだ、自分の体は自分のものだ、と。

ドナーにするために子どもを作る、というのはおそろしい考えだと思う。人を道具として利用するために作るのだから。ただ、自分の子どもが重い病気で、その治療にはドナーが必要で、でも、マッチするようなドナーはなかなか現れない。両親でさえ、適合した臓器を提供することができない。そんな状況で、医者から、「公には勧められないが、完全に適合する子どもを作るという方法がある」と言われたら?「臍帯血は劇的に有効なんだ」と聞かされたら?それをしなければ自分の子どもは死んでしまう、と思ったら?あそこで遺伝子操作による子どもを作る選択をしてしまった母親サラ(キャメロン・ディアス)を私は責める気にはなれない。ただ、もし、そうやって生んだ子どもから、そのことを訴えられたら、確かにそのとおりだと思うし、反論はできないけど...

ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァの笑顔に何度もじんときてしまった。自分の子どもを生かしたい一心でまわりの見えない母親役のキャメロン・ディアスもよかったし、アナ役のアビゲイル・ブレスリンについては「リトル・ミス・サンシャイン」のかわいいイメージしかないけど、そこからもっと賢く成長した女の子の役が似合っていた。

好きだったのは(以下ネタバレ)

ケイトとそのボーイフレンドテイラーとのエピソード。重い病気を持っていて、あんなふうにデートしたり、ということが本当に可能なのかどうかは私にはわからないけど、こうであってほしい、という願いが描かれているんだと思う。きれいでいたい、とか、恋をしたいとかいうごく普通の願い。病気だからってすべてをあきらめたくはない。

ただ、テイラーにしてもケイトにしても、あっけなく死んでしまうのがなんとも...だけど。

ケイトをビーチに連れていくことに猛反対したサラが、後からビーチに駆けつけて、夫とキスをし、それを見てケイトが笑顔で拍手するシーンも好きだ。

ケイトの作ったアルバムは見てみたい。

|

« 教会は何をするところ? | トップページ | 保護されたWMAをMP3に変換する »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

I saw this movie again on the flight and I am reading the book now. As you probably know, the movie and the book are different, especially at the end. I geuss the movie is excellent as a movie, and the book is excellent as a book.

To me, Sara in the movie was too much. She represents "the right answer" but it was probably "a little too far" as Campbell said. And "the right answer" was not the right answer for everybody. Ironically, not even for Kate.

The book seems almost like "Rashomon" by Kurosawa based on "Yabu-no-naka" by Akutagawa. All the family members talk about their truths sincerely, but only the readers can see the truth, something like that.

投稿: axbxcx | 2009.10.25 05:53

axbxcx-san,

You are not in Japan now. But it looks like you are able to read Japanese, so I'll write in Japanese. If you can't even read Japanese, please let me know.

確かにサラはいきすぎですよね。おっしゃるように、サラが望んでいることはケイトが望んでいることじゃなかった。ただ、私にはサラの気持ちもわかります。傍目から見たら、本人の気持ちさえわからずに自分の気持ち(エゴ)だけのために正論(でもないですよね、彼女の言ってることは無茶苦茶です)をふりかざす母親...っていう役柄にキャメロンはあっていたと思います。

原作の結末が映画と違う、というのは2ちゃんねるで知りました(^^;)。聞いただけでは、映画のほうが私は好きです。

映画を見たときは羅生門は思い浮かびませんでしたが、確かに共通点があるかもしれません。
この監督の「ジョンQ」というのも、かなりぐっとくる映画でした。

投稿: じゃりんこ | 2009.10.25 08:16

キャメロン・ディアス、In Her Shoesでホオッと思いましたが、いい女優になりましたよねえ。

映画はサラを「やり過ぎ」にしてしまっていて、それが欠点だと思ったんです。 本は全員が完全に「対等」「独立」の構成ですから、ずっと丁寧でしっとりしています。

サラが「やり過ぎ」な部分はともかく、彼女が本質的に言っていることは「正論」で、誰も反論できないところがある、けれども…というところに焦点を当てるかどうかによって観方、読み方は違って来るかも知れません。

沢木耕太郎が「銀の街から」で映画を先に観た方がよいと書いていましたし、ニック・カサヴェテス監督が「原作のファンは私のことが大嫌い」と答えていたので、私も映画からにしました。(^^)

この監督は「きみに読む物語」しか観てません。 こちらの原作は買ったまま積んであります。(^^;

http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200910050244.html

投稿: axbxcx | 2009.10.25 11:14

axbxcx さん、

In Her Shoes、見てません。キャメロン・ディアスって苦手だなぁって思ったことがあって、それ以来わりと避けてきました。飛行機のなかで「ベガスの恋に勝つルール」を見たり、ジャック・ブラックが好きなので「ホリディ」を見たりはしましたが、特にいいとも思いませんでした。でも、今回の役柄は彼女によくあっていたと思います。

原作を読んでいないので比較はできませんが、母親としてはサラの気持ちはわかる。彼女の言っていることと、弁護士キャンベルの言ってることを比べれば、キャンベルの言ってることのほうが筋が通っている。弁護士であったサラにそれがわからないはずはないけど、ケイトを失いたくない一心で、法的には正しいような理屈をつくりあげてしまう。

ジョンQは映画館で見ましたが、親としてはやっぱり涙が出てしかたないような作品でした。axbxcx さんの前のコメントにあるリンクで監督の言を読むと、「(「私の中のあなた」では)原作と違って奇跡を起こすのをやめた」と言っておられますが、ジョンQはまた違います。原作は知りませんが。ジョンQでは臓器移植に何の疑問も呈してない、と感じられたので、そのあたりがひっかかりましたけど、でもかなりこたえる映画でした。「きみに読む物語」は私には特になんということもなかったですが...

投稿: じゃりんこ | 2009.10.25 12:14

映画は多分「母親」としてのSaraに焦点を当てて、そのためにSaraを「やり過ぎ」にしたのではないかと感じたのです。 でもAnnaもSaraと同じ気持ちかも知れないということは映画からも十分にわかりました。 彼女は悩んだ末に、Kateを失いたくないという自分の気持ちよりも、Kateの気持ちを優先させることを選び、それで芝居を打った訳です。

だからSara「だけが」、母親「だけが」特別だという印象を与えるのは、この話に限っては私はむしろまずいと思ったのです。 実は全員が違う形で、しかし同じくらい強くKateのためになりたいと思っている…。 そしてそこで問われるのはそれぞれが「何ができるか」「何をするか」ではなく「誰が決めるか」という、家族それぞれの気持ちの問題だと…。

Annaの年齢も、映画では多分原作より2歳落としてますけれど、それはAnnaが自分で決めるべきことなのか、あるいは親が決めてよいのかを、さらに微妙にするための戦術かなと思いました。

それにしてもあのアルバムは堪らないです。 思い出しただけで涙が出ます。 Jesseに対しては「あなたが親を一番必要とするときに自分が奪ってしまった」、Annaに対しては「本当は自分が世話をしてあげなければいけないのに逆をさせてしまった、私のためにつらいことをしてくれた」…。 そう、結局、本当にわかりあっていたのは、Kate、Jesse、Annaの3人の子どもたちだったんでしょうね。

私が親だったら…、多分何もできないけれど、モンタナにだけは絶対に連れて行ったでしょうね。

投稿: axbxcx | 2009.10.25 14:20

補足です。 「Kateを失いたくない」の部分、Kateを物理的に失いたくないという気持ちよりも、Kateの心を失いたくない気持ちを優先させたというべきかも知れません。

投稿: axbxcx | 2009.10.25 14:23

axbxcx さん、

ケイトにすれば、自分の存在が家族に迷惑をかけている、と思うのはつらいことでしょうね。誰もそんなそぶりを見せていないし、みんなケイトのことを愛していたし、ケイトがそんなふうに感じる必要はないんだけど、自分がケイトだったとしても、やはりそんなふうに感じてしまうだろうな、と思います。

でも、子どもたちはおたがいを思いやる心を持っていて、この夫婦の子育ては結局成功しているんだとは思います。母はケイト第一、になりがちだったけど、子どもたちはそれをひがんでいるわけじゃないし、両親が自分たちをももちろん愛していることは感じていたのでしょう。

私が親だったら...やっぱり自分の子どもの死を前にしたらサラのようにジタバタしそうです。

あのアルバム、実際に作ったんでしょうから、見てみたいですね^^。

投稿: じゃりんこ | 2009.10.25 14:49

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17663/46569640

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「私の中のあなた」 My Sister's Keeper:

« 教会は何をするところ? | トップページ | 保護されたWMAをMP3に変換する »