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ビデオ「彼女の名はサビーヌ」 Elle s'apelle Sabine

おもしろかった。映像の力を感じる作品だ。
フランスの女優サンドリーヌ・ポネール(有名な人らしいけど私は知らない(^^;))が自閉症の妹サビーヌを撮ったドキュメンタリー。少女時代のサビーヌの映像と、現在、施設で生活をする30代の彼女の映像のあまりの差に愕然とする。

少女時代のサビーヌは美しく、目が生き生きとしている。今のサビーヌは目がとろんとしていて、生気がない。「サンドリーヌ、明日も来る?」と、姉が自分のところから去ることをとても心配している。それでも、これはずいぶん回復した姿らしい。

少女時代からかなり人と違った行動を示してはいたものの、家族の愛の中ですくすくと育っていたサビーヌ。しかし、学校でいじめられるようになり、学校へ行かなくなった。成長にともなって、他の子どもたちが家を出、パリから離れて母と二人暮らしをすることになったサビーヌは、兄弟たちに会うことがあまりできなくなり、暴力行為がひどくなる。サビーヌは病院に入院するが、そこで5年間過ごした彼女はすっかり変わりはてて、自分のことが何もできないような状態になってしまった...

自閉症については、今ではかなり知られるようになってきて、「親の育て方の問題ではなく、脳の機能の障害によるものだ」ということを知っている人も多いと思う。人とコミュニケーションをとるのがむずかしい。日常的に接していれば、奇妙に見える行動の理由もわかるようになってきたりするのだが、まわりがそれをわかろうとせず、一般社会の型に無理やりあてはめようとすると...

うちの保育園の2歳児たちは、障害を持っているわけではないけど、まだ言葉を十分に扱えないから、思いが伝えられなくて、悔しくて泣く、ものを投げる、人をたたく。自分のやりたいことが、社会的に許されないことであるのが納得できなくて、やっぱり泣いたり、暴れたり。自閉症の人の気持ちに近いものがあるのではないかなぁ、と想像する。

2歳児の場合、大人は圧倒的に体力で勝っているから、子どもが暴れても薬でおさえつけようなんていうことは(ふつうは)しない。でも、子どもが大きくなって力でおさえつけられなくなると、とりあえず問題行動をなくそうと、物理的に動くことを制限したり、薬でおさえつけたり...でも、そういう対応が間違っていることは明らかだ。

自分の家族を題材にした映画を作る、というのはかなりむずかしいことだと思うけど、家族(あるいはそれと同じくらい親しい人)でなければ作れなかった作品だなぁと思う。

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コメント

あら、私もつい先日この作品を見ました。
DISCASだったら、私が返却したのと同じDVDだったりして。笑
自分や家族を題材にしたドキュメンタリーって、面白いですよね。ただ、監督としてはイッパツ屋で終わることが多いように思いますが。。。

以前仕事関係で、自閉症の子供の思考と視野をバーチャル体験できるDVDを見たことがあります。大人の話しを聞いている最中に、たまたま目に入った金魚が気になって注意が向いてしまい、だんだん大人の声が小さく小さくなって、、、聞こえなくなる。大人の怒鳴り声で、注意は戻るけど何を叱られてるかさっぱり分からない…。
確か製薬会社が啓蒙目的で制作したDVDだったと思います。製薬会社側も、薬だけでは解決しないと分かってきてるんでしょうね。

サビーヌさんは、病院や製薬会社に(結果的に)実験台になってしまったのかもしれないなあと思いました。そういう時期だったのかも…。

投稿: tabe | 2009.12.30 12:27

tabe さん、

>自分や家族を題材にしたドキュメンタリーって、面白いですよね。

うんうん。「花はどこへいった」とか「バックドロップクルディスタン」とか。やっぱり自分のかかわったことは伝えたいという気持ちが強いんだろうね。

>ただ、監督としてはイッパツ屋で終わることが多いように思いますが。。。

これも真理かな。ひとりの人間のかかわれることってそんなに多くないものね。

自閉症の子どもの頭の中なんてどうやってわかるんだ...と思うけど、最近は脳波とかを使ったり、いろんな研究方法が出てきてるみたいだから、そういうバーチャル体験も可能になるんだろうね。

私が養護学校に勤め始めたころも、まだまだ自閉症って単に「自分の殻に閉じこもる人」のことだろうみたいなイメージくらいしかなかった(私がそうだった(^^;))けど、少しずつ知られるようになってきたかな、と思います。でも、ある程度長期的に実際にかかわってみないと、たとえば何の知識もなく一日接したくらいだとかえって偏見を助長することになるかも、という気もします。それでも、かかわってみたほうがいいというか、自閉症の人がもっと街に出られるような支援があるといいとは思います。

投稿: じゃりんこ | 2009.12.30 14:21

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