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映画「戦場でワルツを」Waltz with Bashir

見たのは年末だったのだが、なんとなく感想を書くタイミングを失ってしまっていた。で、今、月末の放送大学の試験に向けてちょっと勉強しているなかで、「偽りの記憶」の話などが出てきたので、やっぱり感想を書いておこうと思った。

監督のアリ・フォルマンはイスラエル人で、1982年のレバノン侵攻時の従軍経験がある。友人との会話から、自分がそのときの記憶を失っていることに気づき、記憶を探す旅に出る。この映画は、その監督自身の旅の記録であり、ノンフィクションなのだが、アニメーションで作られている。ドキュメンタリーというと、インタビュー映像で構成されたような作品が一般的だ。でも、アニメで作ったからといって、真実性が下がるかというと、そんなことはない。インタビューを切り貼りして、都合のいい作品にしあげることも可能だ。アニメーション・ドキュメンタリーということで、明らかに編集の手が入っていることを示すのも、誠実なやり方なのかもしれない。もうひとつ、映画はやはり見てもらう必要がある、と私は思っているので、「記憶をさがす旅」ということで、若い時代のことや夢について語る場合、それを言葉だけではなく、アニメーション映像によって再現する、という方法は、その点でもかなり有効だったと思う。たとえば、最初の犬が出てくる場面はとてもインパクトがあるが、実映像では描けないだろう。

記憶は嘘をつく。失われてしまうだけでなく、偽りの記憶が形成されることもある。放送大学の講義(「感情の心理学」)でそういう話を聞いたときも、へぇ、と思ったけど、人間っていうのは、そうやって都合よく生きていくものなんだなぁと思う。

映画にはこの戦争を批判する意図が感じられるけれど、パンフレット(このパンフレットは興味深かった)で監督が書いているところによると、イスラエル国内ではそういうメッセージは問題にならなかったらしい。国中がオスカー受賞への期待に浮かれていたという。もちろん、監督が主に描こうとしたのが、自分の記憶の問題、自分の私的なストーリーだったから、というのはあるにせよ...レバノンにいたパレスチナ難民の人たちが虐殺された、その事実に対して何とも思わないのだろうか、自分たちの国の責任について、何も感じないのだろうか。それとも、感じていても感じないようにしてしまっているのか...これも、人間の都合の良さがなせるわざなのだろうか。.....などとエラそうなことを言ってる私がそもそもそうだなぁ...(--;)

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