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謝り方の文化差

ランチタイムの休憩室でこの頃よく一緒になるのは、おたがいに早番のT(20代男性、白人のアメリカ人)とD(40代女性、黒人、イギリス出身)。今日は、Tがこんな話題をふってきた。

T:じゃりんこ、ちょっと質問があるんだけど。うちの家、この間、日本の業者が来て、屋根の補修をやってくれたんだよ。でも、この間雨が降っただろ。そしたら屋根から雨漏りがひどくて部屋がびしょぬれになって。それで電話したら直しにきてくれたんだけど、次の日にまた来てなんとお菓子をもってきてくれたんだよ。何これ?って聞いたら、日本では申し訳ないと思ったときにはこんなふうにしてすまない気持ちを表すものなんだ、って言ってたんだけど、これって日本では普通のことなの?

じゃりんこ:そうね、日本ではよくあることね。

T&D:ほんと!?

じゃ:え、アメリカやイギリスではこれってめずらしいことなの?

T:ものすごーくめずらしいことだね。(Veeery unusual.)

D:すまないと思ったらそう言うだけよ。ものをあげたりはしないわ。

じゃ:じゃあたとえばさ、交通事故を起こして人をひいてしまったとするじゃん。自分に過失があって、相手は入院しなくちゃいけないような状況になったとする。そんな場合に「すみません」って何か持って謝りに行くとかしないの?

T:しないね。

D:保険会社が対応してくれないの?

じゃ:もちろん保険会社は対応してくれるけど。加害者としては「すみません」って謝りにいくものだとされているわ。もし行かなかったら、被害者は加害者に対して悪い印象を持つでしょうね。

そこへ、フィリピン出身のS(20代、女性)が来たので、Tのした経験を話し、フィリピンでは、「申し訳ないと思ったときに何かものをあげて謝る」ということがあるかどうか尋ねてみた。彼女の答えは、「そうね、あげるかもしれない。」とのこと。うーん、申し訳ない気持ちを表すときにものを差し出すのはアジア圏のやり方なんだろうか?

で、部屋にもどってからお昼寝時間にうちのクラスのルームリーダーのR(30代?白人のアメリカ人女性)に訊いてみたら、Tのした経験は、やはりアメリカではまずないものだということ。交通事故の際に被害者に対して加害者が物をもって見舞いに行く、ということもまずない。被害者は加害者に対し、どこに入院している、などの個人情報を知らせたくないかもしれない。また、加害者は、ものを差し出すことで自分が悪いことを認めることになるので、保険交渉で不利になりうる。だから申し訳ないと思っても、ものをあげることはしない。でも、「友達とかなら別かも」と言うので、「じゃあ、自分の家の庭の木が倒れて、お隣の家をこわしちゃった、とか、そういう状況で、ものを持って謝りに行く、とかない?」と訊くと、「うーん、私は持っていくでしょうね。」という返事。すまない気持ちを表すときに、何かものをあげる、ということが相手によって皆無ではないわけだ。それが業者から来るのが驚きということか。

ラスベガスのホテルに泊まったときに、夜、帰ってきてシャワーをしようとしたところ、シャワーが壊れていることに気付いた。フロントに電話をすると「修理の者をよこす」と言うがなかなか来ない。しびれをきらしてもう一度電話して強い口調で不満を述べると、修理の人がすぐに来たが、その人が明るい口調で「How are you?」なんて言うのに違和感を覚えた。日本ならまず「申し訳ありません」と言うとこだろう。修理に来た人が明るい口調で「ごきげんいかがですかぁ?」なんて言おうものなら、「お宅のホテルはどうなってるんだ」とフロントに苦情が入るだろう。

今日はトヨタの社長がアメリカの公聴会で大変だったようだけど、謝罪の仕方について、日米ではかなり感覚の違いがあるようだから、そんなことまで考えると対応は本当にむずかしそうだ。私は車の事情はよくわからないけど、でも、トヨタの社長もやみくもに謝っているわけではなく、「電気系統に問題はないんだ」など、主張すべきことは主張しているようだから、がんばってもらいたい。別にトヨタとか大企業を支持しているわけではないが、今回のトヨタバッシング(と感じる)にはなんとなくフェアでないものを感じてしまう...

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米軍基地保育園」カテゴリの記事

コメント

謝罪じゃなくて感謝の話しなんですけど、以前銀座で若い韓国人カップルの旅行者に道を訪ねられた時、お互い片言英語だったし、私も暇だったんで3ブロック先のレストランに連れて行ってあげたんです。そしたら、女性の方が紙袋からチョコレートバーを出して「ドウモアリガトウゴザイマス」ってさしだしました。私はお礼を貰えるなんて考えてなかったのでビックリしてお断りしちゃったんですが、2人は私に受け取ってもらえなかったのが意外だったみたいで…悲しそうな顔をさせてしまいました。逆に、貰っておいた方が失礼でなかったのかな?なんて。

モノを与えて気持ちを伝える行為って、下世話なのか共有精神なのかは分かりませんが、私は嫌いじゃないです。笑

 

投稿: tabe | 2010.03.03 15:03

tabe さん、

うん、このあたりの対応は結構むずかしいよね。
自分がお礼としてさしだしたものをもし相手が受け取ってくれなかったら、私もちょっと悲しいかも。「遠慮なく」ってもらってもらうのがやっぱりうれしいかな。

私もものをもらうのは嫌いじゃないです(笑)。親からもらうものは私はあまり使わないものだったりすることもあります(バスジェルとか)が、そういうものをくださる気持ちはうれしいです^^。

投稿: じゃりんこ | 2010.03.03 20:32

こんばんは!
私は大学で保育の勉強をしているものですが、米軍基地の保育園で働くことに興味を持っているのでコメントさせていただきました★
米軍基地の保育園を見学することは一般人では難しいでしょうか??(>_<)

投稿: まり | 2010.03.15 19:46

まりさん、

はい、残念ながら、一般の人が保育園を見学するのはむずかしいです。米軍基地で働くことについては、右側の掲示板で質問されている方が結構おられますので、そちらが参考になればと思います。

投稿: じゃりんこ | 2010.03.15 20:44

関連する話を読んだばかりなので、じゃりんこさんの経験を興味深く拝見しました。

トヨタの件については、私は以下に示すサイトの記事と同じ感想を持っています~。

http://www.daijob.com/columns/takashi/article/2389

投稿: Shira | 2010.03.30 18:47

Shira さん、どうも(^^)。

Shira さんご紹介の記事、読んでみましたが、うーんどうなんでしょう...

私は、この記事のなかで言及されている最初のトヨタの会見を直接聞いていないので、はっきりとはわからないのですが...

「謝罪」と「非を認める」ことは違う、というのも、そうかなーという感じです。交通事故の話では、やはり 「Sorry と言えば非を認めることになる」という感じで話す人は何人かいましたから...

だから、事故原因がトヨタの車ではなく、ユーザーの使用ミスであったのなら、トヨタがそれを強く主張する声明を出したのは当然と思います...のは私が日本的な感覚の持ち主だからなんでしょうかねぇ???

投稿: じゃりんこ | 2010.03.30 19:54

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