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ビデオ「A2」

「A2」も「A」と同じく、そんなにすごい映画だとは思わないのだけど、こういう形で撮影されることで見えてくるものがあるなぁと思う。

A2は「A」の撮影後、さらに2年半後のオウム信者の人たちを追った作品だ。この作品には「A」に登場していた荒木広報部長はほとんど登場しないし、村岡代表代行、上祐元広報部長の他は、私はほとんどマスコミで顔を見たことのない人たちだ。

「オウムは悪」というイメージが定着し、オウム関連の施設はどの町でも受け入れられない。信者が居住しようとすると町の住民の反対運動が起こる。「オウム出ていけ」と叫ぶ住民と、低姿勢で対応する信者たち。「自分の町にサリンの製造なんかやっていたオウムが来るなんて怖すぎる」-その気持ちはわかるけれど、こういう映像を見ていると、人間は簡単に暴力(身体的なものというわけではなくても)を加える側になってしまうのだなぁ、と感じてしまう。

しばらく前に「エス」という映画をDVDで見たのだが、与えられた役割によって人間がどんなふうに変わっていくのかが見事に描かれていてとても興味深かった。現実に、同僚が管理職になったとたん、まるで人間が変わったようになる、ということも何度か経験している。

話を「A2」にもどすと、しかし意外なことに、そのうち、オウムの監視を続ける住民とオウム信者の間には段々と交流が生まれ、「こいつらも普通の人間じゃん」という気持ちが生まれ、和やかに談笑する姿が見られたりする。一般のマスコミによっては、こんな状態はほとんど報道されたことがないのではないだろうか。オウムに入信してきた人たちは、もともと心の問題を抱えてそれをなんとかしたいと思うまじめな人たちが多かったようで、人の命をなんとも思っていない殺人鬼だったわけではないだろう。実際に接してみないとわからないことというのはあるものだ。

それにしても、監督の森達也さんの懐の深さ(?節操のなさ?)には恐れ入ってしまう。右翼の街宣カーにまで乗りこんでしまうのだから。などと感じてしまう私はやっぱり色眼鏡から自由になっていないのだろうな...

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