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映画「闇の列車、光の旅」Sin Nombre

中南米が舞台の映画ってどうしておもしろいものが多いのだろう...って、単に私が好きなものが多い、ということだけど。

「闇の列車、光の旅」は、ホンジュラスからメキシコを経てアメリカを目指す人たちの話。最初、ホンジュラスのギャング団(?)の様子が描かれる。マラ・サルバトゥルチャと呼ばれるこの組織は宗教団体のようにも見え、いったいこんな組織が現代の世の中に存在するのか、と思ってしまうような集団だ。きびしい掟があったり、犯罪といえる行為をためらいもなく行なう。そんな組織に自分から入ろうとする少年。このあたりの事情が映画からだけではよくわからないけど、パンフレットによれば、そのような組織に属することで組織から自分の身を守ってもらえる、ということがあるらしい。

そんなギャングの抗争があり、経済的にも行き詰っていて、この国では豊かな生活は望めない、と、アメリカをめざす人々。列車に乗るためのお金もないから、列車の屋根に乗る....

キャリー・ジョージ・フクナガ監督はこの映画を撮るために、実際に移民の人達とともに列車の屋根にも乗ったそうだし、綿密な取材を積み重ねたのだという。だからもちろん、この映画はホンジュラスやメキシコの現実を反映している部分はあるのだろう。ただ、ホンジュラスの人たちがこの映画を見てどんなふうに感じるかは知りたい。こんな悲惨なことばかりじゃないよ...という声があるといいな...

展開はとてもドラマチックで脚本としておもしろい。ホンジュラスの社会状況を知らないから事情が汲み取りにくい部分はあるけど、話にぐいぐい惹きつけられて退屈することはない。

なんといっても(以下完全ネタバレなので、これから見る予定の人は読まないほうがいいです)

川を渡る場面が衝撃的だ。
アメリカに行くために川を渡る。渡し人の手助けで浮輪を使って向こう岸へ行くのだ。浮輪はひとつしかないから、ひとりずつしか渡れない。サイラが無事向こう岸へ着いたかと思われたところで、カスペルを追っていたギャング団が登場。それを見たサイラは半狂乱になってもとの岸へ戻ろうとする。彼女の心の痛みがこちらにもつきささった。
そしてカスペルとスマイリーが対峙する場面...この場面も、誰の心のうちを考えても痛い...

それでも、サイラの今後に一縷の望みを抱かせるような終わり方ではあったけれど、現実はきびしいだろうなぁ...

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» 『闇の列車、光の旅』 これは銀河鉄道ではない [映画のブログ]
 闇の中から浮かび上がる巨大な影。  いかめしい貨物列車。  一縷の望みを託した人々が、群がり、しがみつく。  なるほど、この逃亡劇... [続きを読む]

受信: 2010.07.09 23:23

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