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ビデオ「Temple Grandin」

テンプル・グランディンという自閉症の女性の物語。ドキュメンタリーではなく、俳優によって演じられているけれど、内容はかなり事実に忠実なようだ。

テンプルは4歳の時にまだ一言も話すことができず、自閉症と診断される。医師は「今後も話せるようにはならないでしょう」と言い、母親に施設入所を勧めるが、母はそれを断ってなんとか彼女に言葉を教えようとする。ハグされるなど、人から接触されることを極度に嫌う。極端な偏食。パニックを起こすと手がつけられない。そんな彼女は学校でもいじめられ、なかなか受け入れられず、ますます人との接触が嫌いになっていく。

しかし、彼女はラッキーだった。施設入所を断った母。テンプルが物事を絵として理解する能力に優れていることに気づく先生。奇異に見える行動も彼女には意味があるのだと理解しようとした叔母。さらに盲目のルームメートなど...彼女は自分を理解しようとする人に恵まれ、自分の不安を彼女なりのやり方で解決することを認められ、普通の人の持っていない優れた能力を開花させていく。

自閉症の人がすべて彼女のようだというのではないけれど、こんな感じ方をする人がいるのだ、ということを知る手助けにはなる。彼女が世界を視覚的に理解する方法がイメージできるような映像がはさまれたり、新しい世界への扉の映像が効果的に使われている。テンプル役、叔母役、先生役、母親役の人などもそれぞれに素晴らしく、たくさんの人に見てもらいたい作品だけど、テレビ映画として作られたものであるせいか、日本では公開されていないし、日本語版のDVDも出ていないのが残念。

(2012.3.18 追記:テンプルグランディンの日本語字幕付き動画がネットで見られるようです。ma さん、情報ありがとうございました(^^)。この他にもテレビ放映などもされたようですね。)

印象に残る場面はたくさんあるが(以下ネタバレ)

大学の卒業式でのスピーチ。
恩師の葬式の後、母親に軽く肩を抱かせてあげるテンプル。
あんなにハグされることをいやがっていたのに。
スーパーマーケットで、屠殺場関係者の妻と出会う場面。
最後の全国自閉症会議での発言。。。

これがすべて事実かどうかはわからないけれど。。。

私は人と違っているけれど、それは劣ってるっていうことじゃない。私は人と違う形で世界を見ることができる。他の人の見えないものを見ることができる。

なんて素敵な発言だろう。

今の保育園で働き始めたときに、研修を受けた。身体的発達、社会的発達、認識的発達、健康...などの15項目からなっていたが、そのうちのひとつが「自己評価の構築」だった。自分を肯定できる人になれること。それが子どもにはー子どもだけじゃなく、人にはとても大切なことだと思う。周りの人が、その子のいいところを見つけて、認めて、その子に自信を持たせてあげること。

私もそんな保育者でありたいなぁと思う。

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コメント

いいお話ですねぇ。
でも、そういう幸せを見つけられる人は、
残念ながら多くはないのかもしれませんね。

良い所見つけてください。

投稿: ナナシ@横浜ww | 2010.10.17 00:29

ナナシ@横浜ww さん、

今年は観た映画の感想をあまりブログに書けていないんですが、この作品は書いておきたいと思いました。実際に見たら、ほんとにぐっとくるところの多い作品です。

子どものいいところを見つけられる人がいい保育者、いい教育者なんでしょうね^^。

投稿: じゃりんこ | 2010.10.17 01:08

オリバー・サックスの本でテンプル・グランディンのことを知ったのですが、自分のことを「人類学者が(人のいない)火星にいるような感じ」と言ったのがそのまま本のタイトルになっていました。 そのことをNiftyの英会話フォーラムに書いたら、彼女がラジオに出たときのテープを送ってくださった人がいて…。 そんなこんなでずっと興味を持っていました。

たまたま7月に機内映画で見つけたときは本当にビックリしました。 二度観てしまいました。 恥ずかしながら、涙が止まりませんでした。

投稿: axbxcx | 2010.10.17 02:09

axbxcx さん、

Niftyの英会話フォーラムのときからの話なんですか。
機内で映画を見つけられたのは縁だったんでしょうねぇ^^。
話自体が興味深いですが、映画としてもよくできていますね。

オリバー・サックスを読んだことはないのですが、「レナードの朝」もとても好きな作品でした。
他にも映画化されているのがあるなら見てみたいです。

投稿: じゃりんこ | 2010.10.17 07:17

じゃりんこさん、テープを送ってくれたのはシスオペ! 英会話フォーラム、懐かしいですねえ。

特典に入っていたのではないかと思いますけれど、この映画を作った人たちの姿勢と言うか、真面目さが伝わって来るような映画だと思いました。

「レナードの朝」(Awakenings)は何とも哀しい映画でしたね。 あの映画でロビン・ウィリアムズが演じていたのがオリバー・サックスという訳です。 ロバート・デ・ニーロのような人物が実際にいた訳ではないようですが、原作のAwakeningsはノンフィクションです。

投稿: axbxcx | 2010.10.17 08:17

axbxcxさん、

あ、英会話フォーラムのシスオペさんだったんですか。懐かしいですね。京都オフで一度お会いしたことがありますが、今はどうされているんでしょう。英辞郎はもはやスタンダードな辞書になりましたからね。そちらの関係で忙しくされているかな。

「レナードの朝」はとても好きな作品で、クローズドキャプションが見たくて、初めてアメリカのアマゾンからVHSを買った作品でした。

投稿: じゃりんこ | 2010.10.17 09:17

 日本語字幕付きのテレビドラマの「テンプル・グランディン」はネットで見られます。「2011テンプル・グランディンFC2動画」で検索しますと見られます。 なお、この情報は2012/03/18のものです。

投稿: ma | 2012.03.18 19:57

ma さん、情報ありがとうございました(^^)。
早速本文にも反映させました。

投稿: じゃりんこ | 2012.03.18 20:23

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