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米がイスラエルのガザ侵攻を支持する論理

今朝、P-navi info を読んでいたらイスラエルで反戦運動をした人たちが逮捕されている、というコメントがあり、記事をさがしたら「デモクラシー・ナウ!」(北米500局以上で放送されている非営利の独立系ニュース番組)というサイトで以下の人たちがイスラエルのガザ侵攻について討論している記事 を見つけた。アメリカがイスラエルの侵攻を支持する論理、そしてその欺瞞性がよくわかる記事だと思ったので、翻訳してみた。かなりの量があるため、逐語訳ではなく、少し端折っているけれど(それでも長い(^^;))、大筋に間違いはないと思います。(もし間違いに気づいたら教えて下さい)なお、文字の色を変えているのは私であって原文では同じです。また、記事は1月12日のものなので、死者の数はここで言われているよりさらに増えています。

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討論者:
エイミィ・グッドマン(以下):デモクラシー・ナウ!の司会者
ラニー・デイビス(以下):元クリントン大統領の特別顧問弁護士。イスラエルプロジェクトのスポークスマン。
ニーベ・ゴードン(以下):イスラエルのベングリオン大学政治学部長
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:ラニー・デイビスさん、あなたは今回のイスラエル侵攻を支持しておられますが、どうしてですか。

:自衛権です。テロリズムが無実の市民を意図的に殺害しようとしたら、それを防ぐために攻撃を仕返さない文明国なんてないでしょう。あるグループが無実の市民を意図的に政治的な目的で殺すために攻撃し、また自らの市民をも政治的な目的のために死の危険にさらす、そういうのをテロリズムと呼んでいるのです。こんなことが起きたら自衛するのは当然の権利です、アメリカだってそうするでしょう。もしロチェスターがモントリオールから攻撃されるようなことがあったらアメリカはじっとしていませんよ。自衛権というのはテロに対する第一の基本的な権利なんです。

:均衡の問題についてはどうですか、つまり死者の数の違いです。900人近いパレスチナ人が殺されています。200人以上が子どもだし、亡くなっているのは圧倒的に市民です。それに対し、イスラエルの死者は13人。10人が兵士で、そのうち4人は二次的な火事の被害者です。

:確かにたくさんの無実の方がガザで亡くなっておられます。人間として、アメリカ人として、子どものころからパレスチナ国家を支持し、そうではないイスラエル政府に対して批判的であったユダヤ人として、深い悲しみを覚えます。しかし、「不均衡」という言い方は解せません。
まず第一に、もしあなたの子どもがテロリストに意図的に殺されたとしたら、自国の政府に対応を迫るでしょう。それに対して、ロケット攻撃をしている人たちは、その発射台を学校とか病院の近くに置くわけですよ。それこそがハマスのしていることなんです。悲劇的な死は、市民を死の危険にさらそうとするハマスの計算された作戦であり、ハマスに責任があるんです。もちろん、だからといって無実の市民の死を悼む気持ちには変わりはありませんが、イスラエルでは一人の子ども、パレスチナでは100人の子ども、というような問題じゃないんです。どの死も等しく悲劇なんです。数の問題ではありません。

:ニーベ・ゴードン教授はハマスのロケット攻撃にさらされているベングリオン大学の爆弾シェルターで一日の大部分を過ごしておられるわけですが、この侵攻をやめるべきだとおっしゃっていますよね。なぜですか。

:そもそも侵攻など始めるべきではなかったんです。ここではつい一時間前にロケットが着弾したばかりですが....ラニー氏のおっしゃることのいくつかには同意できます。まずは自衛権ということです。自衛権が基本的な権利であるということには賛成です。自衛権というのは暴力から自分を守る権利です。そして私たちが理解しなくてはならないのは占領そのものが暴力である、ということなんです。150万人もの人を、基本的な食糧も移動の自由もなしに監獄に閉じ込めておく、というのは暴力です。電気もない、清潔な水もない状態で。だから人々は抵抗しているんです。彼らの抵抗の仕方には反対ですが、彼らの暴力は私たちの暴力に対して行われているという点を見逃してはなりません。

ガザからイスラエルへのロケット攻撃が始まって8年間の間にイスラエルでは10人から20人の人がそのために亡くなりました。その間、交通事故で亡くなったイスラエル人は4000人です。でもだからといってイスラエルの路上でテロに対する暴動は起きていませんよね。しかしこの20人が亡くなっているということで、私たちはガザに侵入し、監獄にいる人たちに空から爆弾を落とし、275人の子どもを殺すことが許されているというわけです。ラニー氏は数の問題ではないとおっしゃいますが、数は問題です。不均衡というのは国際法上の用語であり、ラニー氏がそれに同意されないのだとすれば、それは国際法を無視しているということになります。

イスラエルは、国際法や国際条約、国際的な決定などを1967年、あるいはそれより以前からずっと無視してきました。そのひとつが「イスラエルはこの領土を返さなければならない」ということです。この地を暴力的な方法で支配下におくことによってイスラエルはガザ地域のほとんどすべてのドアが閉じられているような状況を作り出してしまった、と、ハマスの創設者であるアハメド・ヤシン氏が言っています。イスラエルはガザのすべてのドアを閉じてしまった、モスクのドアを除いて。教育のドア。経済のドア。医療のドア。それらをみんな閉じてしまって、そしてびっくり、私たちはハマスに対峙することになった、というわけです。

ですから、こうした暴力的なやり方を変えなくてはならないと思うのです。政治的な問題や外交上の問題は交渉や話し合いによって解決すべきです。イスラエルが席についてハマスと交渉を始めるべき時です。ハマスはパレスチナの人たちによって選ばれた政府です。彼らのことを好きになる必要はありません。私だって好きではありません。でも彼らが選ばれた政府なのですから、私たちは彼らと話し合うべきであって爆弾を落とすべきではありません。

:ラニー・デイビスさん、いかがですか?

:まず第一にゴードン教授に感謝します。私たちはおそらく同じ心情を持っていると思いますし、ふたつの国家建設という同じ目的を持っていると思います。ゴードン教授はご家族とともに爆撃の危険にさらされているのに、私はこうしてワシントンでのうのうとしているわけで、批判的なことを申し上げるつもりはないのですが、事実に即して見た場合、教授はいくつか誤解なさっている部分があると言わざるをえません。

まずは国際法の問題です。市街地からロケット弾を発射するのは国際法違反です。これはジュネーブ条約53条に規定されていますが、教授はこのことについては触れられませんでした。意図的に市民を狙わないのであれば、自衛することは国際法違反ではありません。ハマスは意図的に市民を狙っています。教授は自衛することと意図的に市民を殺すことの違いについては述べられませんでした。

そして最も重要なことは、教授がおっしゃったように私も交渉をしたいと思っているのです。先ほども述べましたように、私は子どものころからパレスチナ国家の独立を支持してきましたし、今もそうです。しかし、ハマスの公式見解はイスラエルの破壊なんです。テロリストを送り出しているグループと交渉の席に着く文明国なんて世界にありません。「おまえたちを認めない、おまえたちをつぶしてやる、おまえたちの子どもをテロの歯牙にかけてやる」と言っている相手と話し合いをするなんて不可能です。ファタハとは交渉の席につきました。アブー氏(原文のまま)と交渉を始めたのですが、ハマスの軍事クーデターによって追放されてしまいました。

ですから、教授と私が討論していることについて、少なくとも現状認識を一致させなければならないと思うのですが、とりわけ、ハマスの意図がテロリズムであり、無実の市民を殺すことであるということ、彼らのめざすものはイスラエルの承認ではなく破壊であり、パレスチナとイスラエル、ふたつの国家の共存など望んでいない、ということについては教授も否定されないのでは、と思います。

:ゴードン教授、いかがですか?

:問題はーそうですね、「意図」は大切です。しかし、「事実」はもっと大切です。そして事実は、イスラエルがハマスより多くの市民を傷つけている、ということなんです。この2週間で275人の子どもを殺したのはイスラエルであってハマスではありません、意図はしていなかったかもしれませんが。学校のことをおっしゃいましたよね。学校からロケット弾が発射されている、というビデオをばらまいているのはイスラエルです。そしてこれは2年前に撮影されたものなのに、あたかも2日前に撮られたものであるかのように宣伝している。確かにハマスは市街地から戦闘をしかけています。しかし、イスラエルはそれに対し、市街地に爆弾を落とすか落とさないかの選択をすることはできるわけです。そして、市民の上に爆弾を落とすことを意図的に決定している。ですから、「意図的」ということを問題にするのであれば、イスラエルはテロリスト国家ということになります

そして、私はというと、親イスラエル派です。私はイスラエルが中東地域において、最初の60年間だけでなく、今後も存在していてほしいと思っています。そしてイスラエルが中東で存在し続けることのできる唯一の方法はこの地域に対するアプローチの仕方を変えることです。私たちは敵と対話をしなければなりません。たとえイスラエルの存在を認めないような相手であっても。ファタハのことをおっしゃいましたが、PLOだって長年イスラエルを認めていませんでした。しかし最終的には私たちは彼らと話し合いをして、今では彼らは私たちのパレスチナ人のパートナーです。ハマスにも現実的に考えられる人がいれば、そして私たちが彼らと交渉を始めれば、何年か後には彼らもイスラエルの存在を認めて共存できるようになるのではないかと思うのです。もし彼らと話し合いを持たず、暴力の応酬を続けるのであれば、やがてイスラエルは滅ぼされるでしょう。現在私たちが彼らよりも技術的に上回っているということは最終的には意味のないこととなるでしょうから。私は100年後もイスラエルが存在していてほしい。そのためにはシリアやレバノンやパレスチナの人たちと平和的な関係を築いていかなくてはならないんです。

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ここでいったん休憩となる。ハマスが意図的に市民を殺害している?ハマスにとって市民を殺すことが目的なんかじゃない。2005年にイスラエルがガザにプレスセンターを設けてガザから「撤退」する様子を大々的に報道させた後も、国境はイスラエルに管理されてガザの人たちの暮らしは悪化する一方だった。ガザは巨大な監獄となったのだ。討論の後半部分では、こうした封鎖の実態や、イスラエルが報道機関をガザに入れていないこと、この攻撃に反対したイスラエル人が逮捕されていることなど興味深いことが述べられています。かなり長くなったので、後半部分の翻訳はパスします(--;)が、これ だと、英語の知らない単語にカーソルを合わせると日本語が出てくるので読みやすいかと思います。(グーグルツールバーで辞書を有効にしている場合だとややこしいことになるかも)

イスラエルは一方的に停戦を宣言したけれど、ガザの封鎖を解除しようとはしていない。ガザの人たちは最低限命の保証はされたからよかった、と胸をなでおろしてはいられない。何百人の人が命を失って初めてニュースになるガザ。封鎖解除を求める署名も、この攻撃が始まる前までは毎日ほんの少しずつしか増えなかった。攻撃が始まってからさすがに署名も増えたけれど、イスラエルが攻撃をやめたことで忘れられてしまっては何もならない。封鎖が解除されない限り、ガザの人たちが人間らしい暮らしを取り戻すことはできないのだ。

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ハマスとイスラエル

昨日のPARC自由学校「アメリカ離れする世界」の講師は、アラブ文学が専門で、パレスチナに関して積極的な発言を続けておられる岡真理さん。パレスチナがこんな状況になっているため、急遽、講座はオープンクラスとなり他のクラスの受講生にも開放されたので教室は満員。私は11月末、映画「ルート181」を見たときに岡さんの講演を聞いたばかりで内容的には重複することも多かったのだけど、あのとき冷静にわかりやすい解説をされていた岡さんがやや熱くなっておられて、この状況に本当に心を痛めておられることが感じられた。

(以下の文は、岡さんの話やそのほかの資料をもとに私がまとめたもので、すべて岡さんが言っておられたことではありません。)

岡さんは「イスラム教原理主義」という表現の問題について触れておられた。もともと「イスラム原理主義」というようなものはない。「キリスト教原理主義」はあり、これは聖書の文言を文字通り信仰しているグループ(と、単純に言ってはいけないのかもしれないけど。岡さんは「でも、聖書では「殺すな」と言っているのにね」と話しておられた)。wikipedia を見ても、イスラム教においてコーランの教えに忠実であろうとするグループをアメリカなどでIslamic Fundamentalism と呼ぶようになったことの訳語、と説明されている。そして「原理主義」という場合、批判的なニュアンスがこもっている、と。これは「キリスト教原理主義」という場合も同じで、こういう呼び方をすることで私たちは納得してしまうのだ。これらのグループは特殊な人たちであり、私たちとは違う。普通ではない人達、狂信的な人達は何をするかわからない、と。だからハマスの説明として「イスラム原理主義組織」とつけていたら、そこでまずその記事に対して注意してかからなければならない。

実際、ハマスはそんな狂信的なグループなのか。「イスラエルと対話の用意がある」と言っていたハマスの指導者はイスラエルによって暗殺されてしまった。イスラエルにとっては反ユダヤ主義の存在が必要なのだ。世界の人はユダヤ人を憎んでおり、いつまたナチスのホロコーストのようなことが起こるかもしれない。そのためにユダヤ国家は必要である、という論理。しかし、現実にはハマスは「封鎖をやめ、入植地から撤退すればイスラエルと対話する」と言っているのだ。テロリストたちと話をしない、と対話を拒否したのは誰だったか。

1948年、イスラエルの建国によって多数のパレスチナ難民が発生したことについて、国連は難民の即時帰還を促し、帰還を望まないパレスチナ人に対しては補償をすることをイスラエルに勧告している(国連決議194号)。しかし、イスラエルは難民の帰還を決して認めなかったし、補償もしていない。1993年のオスロ合意ではイスラエルとパレスチナが相互承認をした。しかし、現実にはその後もイスラエルはパレスチナ自治区への入植地を増やし続けた。2002年に始まったイスラエルによるヨルダン川西岸の巨大な分離壁の建設に対し、国際司法裁判所が違法判決を出したが、イスラエルはそれを無視して壁の建設を続けている。国際社会の声を無視し続けているイスラエルに対し、私たちは何もできないのだろうか。

私が疑問に思うのは、イスラエルは「ハマスを完全非武装化するまで戦い続ける」などと言っているようだけど、自分は武器を持っているのにどうして相手は持ってはいけないのか。相手に武器を捨てろというのなら、自分もそうすべきではないのか。これは核拡散防止についても思うことだ。どうして一部の国や人だけに特権が許されるのか。

こうしている間にもガザでは爆撃が続いている。現在ガザにはマスコミが入れないけれど、インターネットではガザからの声を伝えているサイトがある。たとえば、パレスチナ子どものキャンペーンでは1月15日の攻撃で逃げ惑う人の声を載せている。病院や国連施設が攻撃されていて、逃げ惑っているのは私と同じ普通の人たちだ...

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ガザに光を!ピースパレードとシンポジウム

イスラエルの攻撃に反対して「ガザに光を!即時停戦を求めるピースパレードとシンポジウム」が昨日行われた。私もパレードに参加したかったけど、午後、次女の高校のPTA役員会があり、結局途中で抜け出せなくて、会場に着いたときにはすでにパレードは出発した後だった。ルートがわからず、とりあえずゴール地点をめざしたものの、これも見つけられず(^^;)、少し早めにシンポジウムの会場へ。

シンポジウムが行われたのは聖アンデレ教会で、聖堂の正面に掲げられている茶色いキリスト像が印象的だ。(写真はここ)パレードには1500人が参加したということで、6時過ぎくらいから続々参加者が教会に集まってきた。教会の聖堂内はいっぱいになり、通路に座る人や、中に入れなくてホールに移動した人も100人くらい。パレスチナ関連の催しでこんなに人が集まる、というのが心強かった。

シンポジウムはまず、仏教、キリスト教、イスラム教それぞれの関係者が一言述べる、という形で始まった。まずは、袈裟を着た浄土宗の僧侶の方が、「希望はある。この(聴衆の)中にはベトナム戦争に反対を唱えた人がいるでしょう。アパルトヘイト反対を訴えた人がいるでしょう。そしてそれらは終わったじゃないですか。パレスチナ問題も終わらせることができる。」と発言された。そしてキリスト教の牧師さんが、「パレスチナでは1400年以上も、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の人たちが共存してきた。その共存が破られ、パレスチナの人たちが追い出されたのは60年前だ。神がそんなことをしたのではない。人間が作った壁はこわすことができる。」イスラム教徒の方は、「自分はパレスチナ人ではないが、イスラム教徒はみな兄弟であると感じている。そして私たちの兄弟のためにここに集まってくれた人たちに感謝する。」と話された。異なった宗教が共存していた地パレスチナに連帯するのにふさわしい始まりだった。

続いて、パレスチナについての映像を見たり、パレスチナ現地からの電話を録音したものを聞いたりした後、何人か著名な方たちの話を聞いた。
まずは写真家の広河隆一さん。「マスコミには暴力の連鎖、などという言葉が躍っているが、こういう言葉には注意しなくてはならない。ハマスのロケット弾がものすごい脅威であってイスラエルは仕方なく攻撃に出た、というような書き方がされているが本当か。イスラエル首相官邸のホームページで見るとハマスのロケット攻撃によるイスラエル人の死者は2004年から2008年までの5年間で10人だ。そしてこの数日間で、イスラエルは何人のパレスチナ人を殺したというのだろう。」
「世界がもし100人の村だったら」の池田香代子さん:「イスラエル国内でもパレスチナ攻撃に反対する1万人のデモがあった。各地で抗議行動が起こっている。アメリカが国連の停戦決議に際して拒否権を発動しなかったのは、こうした私たちの声があるからだ。黙るな、私たち!」
元外交官の天木直人さん:「テロとは何か。それはすべてを奪われたパレスチナの人たちの最後の抵抗なのだ。抵抗することすらできず、イスラエルにおとなしく従わなければならないのか。」
放送大学の高橋和夫先生:「イスラエルはなぜ12月27日に攻撃を始めたのか。クリスマスが終わり、マスコミや官庁が休みに入っている時期を選んだのだ。しかし、そんな時期にも関わらず、私たちはこうして反対の声をあげた。私がこのニュースを聞いたのは上海だったが、翌日のニュースでは東京での抗議行動の様子が放映されていた。私たちの声は世界に届く。」...などなど。

そして、ノルウェーでの抗議集会の様子が映し出された。ものすごい数の人たちが集まっている。ノルウェーではイスラエルに抗議して、鉄道が止まり、労働組合によるイスラエル非難声明があがっている。私たちの集会はこの規模にはとても及ばないけど、世界各地でパレスチナを支援している人がいるのだ。

最後は李政美さんという方がギターを弾きながら「イマジン」を歌われた。主催者のほうから、「イマジン」は歌詞に問題がある(There's no countries というところがパレスチナの人たちにとってはつらい)から、と言われたけど、やはり今日はこの歌をこんなふうに訳して歌いたい、と日本語で歌われた(歌詞はこちらのページ で、「イマジン」のところを見て下さい)。とても澄んだきれいに響く声で、会場はしーんとなり、私もじーんとしてしまった。

主催者側からの終わりのあいさつで、この攻撃は決してハマスが原因なのではないこと、マスコミの方たち(たくさん取材に来ていたらしい)にはぜひ、記事を歪曲せずに伝えてほしいということ(たとえばハマスにわざわざ「イスラム教原理主義」とつけるなら、アメリカにも「キリスト教原理主義国家」とつけるべきじゃないのか、など)などが話されて、予定時間を30分以上オーバーして終了となった。

イスラエルは国連の停戦決議を拒否して攻撃を続けている。攻撃をやめさせるためにはアメリカの態度を変える必要があるだろう。そのために同盟国の日本ができることがあるはず。そして、私たちは集会に出かけたり、ブログでぶうぶう言ったり、ガザ封鎖解除を求める署名をしたりして、イスラエルの行動にノーを表明することはできる。今はたくさんのノーが必要だ。自分にできることをしていきたいですね。

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ガザからの声

「パレスチナ子どものキャンペーン」からのメールに、キャンペーンのスタッフでエルサレム駐在の方からの報告が載っていた。たくさんの人に伝えてほしい、とのことなので、転載します。

**********引用ここから**********
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ついに恐れていた地上戦が始まりました。

攻撃が始まった4日の夜10時過ぎに携帯電話にメールが届きました。

「電力や電話線が破壊されたため、携帯電話がいつまで使えるかわからなくなりました。携帯電話は私たちが外の世界とつながっている唯一の通信手段です。
電気も水も物資も完全に閉ざされた、寒い冬のガザでは、かろうじて自分の家や地元にいる人でさえ、孤立化することになります。
イスラエル軍の戦車が攻撃し、家や建物を壊し始め、何一つ残らなかったらどうしたらよいのでしょう。
負傷者がいても、どうやって救急車や助けを呼ぶことができるでしょう。
家族や友人、知人が亡くなっても、どうやって知らせたらよいでしょうか。どうやって知ることができるでしょうか。
現在唯一の通信手段である電話が使えなくなったら…。
そのような最悪のシナリオを考え続けて、頭が痛くなります。
今の自分にできることは少ないですが、この私の声を届けることで、あなたが行動し、攻撃に異を唱え、ガザの人々を助けられるかもしれません。」

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このメールを送ってくれたのは、ガザに住むモハンマドさんという青年です。
日本のジャーナリストの通訳をしていたので昨年知り合ったのです。
急いで彼の携帯に電話しました。

モハンマドさんは次のように話してくれました。

「いま私は、ガザ北部ジャバリアにある赤新月社の病院にいます。
私の家は、ハン・ユニス中心部から更に離れた場所に位置する村にありますが、いてもたってもいられず、病院にきてボランティアをしています。
元々NGOなどのボランティアをしていたので、こういう事態にこそ何かしたいと思い、駆けつけました。

(電話の向こうからゴーっという重苦しい音が聞こえる)

地上戦が始まって、北部は更にひどい状況になっています。
今も空ではイスラエル空軍が活動していて、いつ空から攻撃されるかわからない状態です。
今まで生きてきた中で、何度も辛いことがありましたが、今が一番ひどい状況です。
今のところ家族はみな無事ですが、電話が使えなくなったらどうやって安否を確認できるかわかりません。
ガザの外にいる人に、少しでも現地の声を届けられればと思いメールを送りました。電話をくれて、ありがとう。
次に会うときは、平和なガザで会いましょう。」

**********引用ここまで**********

パレスチナの情勢に関して私が頼りにしているのはP-navi info だ。
相変わらず、新聞には「イスラム原理主義組織ハマス」というような書き方がされている。そういう形容が正しいのかどうか私にはなんとも言えないのだけど、この形容が「ハマスはなんとなくこわい」というイメージを作り出しているのは否定できないと思う。「イスラエルはホロコーストの犠牲になったユダヤ人の国であり、ハマスはそういうかわいそうなイスラエルを攻撃するテロリスト集団」というイメージを持っている人も少なくないのではないだろうか。
もし、そんなふうに感じている方がおられるなら、P-navi info 1月5日の記事”新しいナブルス通信:「とうとうガザへの地上侵攻が!1」”の中に書かれている「イスラエルの嘘に抗するために」という記事が大変参考になるので、ぜひ読んでください。

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海外ニュースの伝わり方

昨日の夕刊を今日のお昼に読んでいて、次の記事を見つけた。

麻生首相:機械故障に「日本製じゃないよね」 国連演説中断、冗談でかわす

演説を始めて約3分後、壇上の首相に国連職員が近づいた。(通訳の)機械の不具合によって演説を聞くことができない人がいたため、最初からやり直してほしいという依頼だった。これに対し、首相は「日本の機械じゃないよね」とマイクに向かって発言し、会場の大爆笑を誘った。

へぇ、そんな場面でジョークが言えるなんてなかなかだな、と思い、でも、いったいどこの機械だったんだろう?と、ちょっとくだらないこと(^^;)が気になって調べてみたら、2ちゃんねるでこのことが大きな話題になっていて、スレッドの発言数があっというまに1000を超していた。

それで気づいたのだけど、報道の仕方で、ずいぶんと印象が変わるものだ。
私が引用したのは毎日新聞の記事だけど、ヤフーニュースでは

約5分ほど進んだところで高須幸雄・国連大使が壇上に駆け寄り、機器の故障を耳打ちすると、首相はすかさず英語で、「メード・イン・ジャパンじゃないからこうなる」。

日経だと

この機械は日本製じゃないな」。麻生太郎首相が25日に国連総会で一般討論演説した際、通訳の機械がうまく機能せず、演説の途中で最初から読み直すハプニングがあった。機転をきかせた首相はジェスチャーとともに通訳の機械について英語でジョークをとばし、会場の笑いを誘った。

ヤフーや日経の書き方だと、麻生さんが日本製以外の製品をばかにしたような印象があるけど、実際の演説の動画(3時間4分頃スタート、問題のジョークは3時間7分頃) を見てみると、「日本製じゃないですよね?」("It's not Japanese macinery. No?")とおずおずとした感じで聞いていて(でも、ジョークのつもりで言っている)、傲慢な印象はまったくないのだ。

海外のニュースが日本に伝わってくる場合、こんなふうに、勝手に意訳されて、報道する人の解釈が入っている場合が多々あるんだろうなぁ。

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災害救援募金

ミャンマーでのサイクロン、中国四川省の地震など、自然災害による大きな被害が相次いでいる。今の私には直接何か行動を起こすことはできそうになく、せいぜい、いくらかを募金するくらいだ。同じ思いの人もいるかもしれないので、私が使っているユニセフの募金サイトを紹介しておきます。(この記事を書いたのは先週だったのですが、「ユニセフにリンクを張るには事前の連絡が必要」ということで、連絡して返事を待っていたら結構時間が経ってしまいました。でも、ミャンマーも中国も、支援が必要な状況に変わりはないと思います。)

募金の方法がいろいろ選べて、ネットからクレジットカードですることもできるし、コンビニでも可能。個人情報をネット上に入力することに抵抗のある人には、郵便振替口座や銀行振込口座も書かれているので、それをメモして郵便局や銀行に行くこともできるし、もちろんネットから送金することもできる。支援先も、ミャンマー、中国など指定することもできるし、「自然災害緊急募金」などのようにまとめることもできる。

日本赤十字社でも同様の支援方法がある。ヤフーや毎日新聞など、他にも募金活動をしているところはあるので、自分の支援したい団体を選べばいいと思う。私の場合、やはり、子どもの支援を第一義に考えているユニセフに共感するところがあるので、何か災害があって自分にできることを考えるときに、とりあえずユニセフにお願いすることが多い。

お金を送ればすむ、というものではないだろうけど、お金が必要なのも確かだ。わずかな額でも、たくさんの人が協力すれば,、少しは役にたてるのだと思う。

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廃油で世界一周

ガソリンにかかる暫定税率復活ということで、私も、値上げ前に今日、給油してきた。本当は極力車を使わない生活をすべきなんだろうけど...。

と、先日来た「通販生活」夏号でおもしろい記事を見つけた。「使用済み天ぷら油で世界を走破できるか」というタイトルで、廃食油を集めて精製しながら、それを燃料として車で世界一周しようという計画だ。山田周生さんという写真家の方が他2名の方とチームを組んで、今年の2月にトヨタのランドクルーザーでカナダのバンクーバーを出発、シアトル、ロサンゼルスを経由してアメリカ東海岸のほうへ移動。ブログによれば、4月11日、ノースカロライナ州のピッツボロという町を訪れておられる。

バイオ燃料は途上国の人々の食料を奪うことになるなどの問題点が指摘されているけど、廃油ならそんなことにはならない。BDF(バイオディーゼルフューエル)というのが本当に環境に優しい燃料なのかどうか、くわしいことは知らないけど(このプロジェクトの担い手によるBDFの説明などはここ)、二酸化炭素増加に加担しない燃料が廃油を利用してできるなら、うまい話だなぁと思う。しかも、レストランとかで交渉して廃油をもらいながら旅をするなんておもしろそう(^^)。私は車よりは電車が好きだけど、アメリカの道路を車で旅するのには憧れる。

ブログの更新が4月11日で止まっているけど、現在はニューヨークに向けて移動中なのかな。通販生活に載っているルート予定では、その後、船でセネガルの首都ダカールへ向かわれることになっている。人の旅ながら、なんかわくわくする(^^)。

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レバノンで何が起きているのか

レバノンでまた戦闘が起こっている。レバノンのパレスチナ難民キャンプに、武装組織「ファタハ・イスラム」がたてこもっていて、レバノン政府が攻撃しているのだ。そのため、難民キャンプに住んでいるパレスチナの人たちが巻き添えになっている。

ニュースを聞いて、「ファタハ・イスラム」って何?ハマスと対立しているというあのファタハ?と思ってしまうのだが、基本的にパレスチナ人とは関係のない組織らしい。くわしいことは P-navi info: レバノン報道の裏側 「ファタハ・イスラム」って? を読むとよくわかる。アルカイダ系の組織などと報道されていたりするが、そういう冠がつけばテロ組織ということになってそれへの攻撃が正当化されてしまうのだ。テロ組織がパレスチナ難民キャンプにいるのだからキャンプを攻撃してもいい、と。そうして、組織とは何の関係もない難民の人たちが犠牲になっていく。

パレスチナ子どものキャンペーン」では、レバノンへの緊急支援をよびかけている。先日、放送大学の面接授業で戦争の映像をいろいろと見たが、少なくとも日本に関しては過去の話だった。でも、これは現代の現実なのだ。理不尽な戦争をなくすのは簡単ではなく、できることはほとんどないけど、少なくとも関心を持つことはできる。

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2006年の悪役とヒーローは?

「2006年の悪役とヒーローは?」と訊かれたら誰を思い浮かべるか。AP通信が昨年末に実施した世論調査によると、アメリカ人が1位に選んだのはともに同じ人だったそうだ。
その人とは

続きを読む "2006年の悪役とヒーローは?"

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ガザへの国際介入を!

先週、パレスチナ子どものキャンペーンから、「ガザの犠牲をこれ以上増やさないため、国際社会は介入を」という声明を出した、というメールが届いた。

11月1日からイスラエル軍は、パレスチナのガザ地区北部ベイトハヌーン一帯で、『秋の雲』という軍事作戦を展開しています。その結果、11月6日までに50人以上のパレスチナ人(女性と子どもが多く含まれる)が犠牲となり、負傷者は350人以上に達しました。11月7日にいったんイスラエル軍はベイトハヌーンから撤退したものの攻撃は続き、11月7日に8人が死亡、11月8日未明には戦車の砲撃によって民家4軒が破壊され、4歳から70歳までの19人が死亡、55人が負傷と報じられています。
という文で始まる声明は、昨年夏にイスラエルがガザ地区から一方的撤退をした後、現実には、ガザ地区全体の包囲封鎖はかえって強められた実態についてふれている。
7月8月と続いたイスラエルのレバノン侵攻による破壊と犠牲は記憶に新しいところですが、その影で、ガザへの軍事侵攻と封鎖はあまり注目されないまま現在も継続し、犠牲者が日々増え続けています。ガザでは、あまりにもひどい状況と国際社会の無関心さに人々の怒りは行き場をなくし、NGOなど外国人に対する敵愾心さえ生まれてきています。
私の胸にささったのは、「国際社会の無関心さに人々の怒りは行き場をなくし」という文だった。なんとも不合理な攻撃を受けてとても怖い思いをしているのに、国際社会はどうして何もしてくれないのか。北朝鮮が核実験をしたら、誰一人犠牲が出ていなくてもあんなに大騒ぎをするのに、ガザでこんなにたくさんの人が毎日殺されていて、どうしてそれは見過ごされてしまうのだろうか。映画「ホテルルワンダ」で、「虐殺の模様が世界に放映されれば、世界の人たちが助けにきてくれるだろう」と期待する主人公に対し、「人々はこの報道を見て、『まあひどい』と言ったあと、普通にご飯を食べ続けますよ」と言ったジャーナリストの言葉が思い出される。

"P-navi info" の「犠牲者の割合を比較すること」という記事によれば、

アルアクサー・インティファーダ開始(2000.9.29)以来、これまでで平均した犠牲者数の比率はパレスチナ人3.9人に対してイスラエル人1。 (中略) ところがハマスが選挙で勝った2006年1月になってからは、パレスチナ人26人に対してイスラエル人1人。さらに「夏の雨」作戦が始まった7月からとなると、パレスチナ人76人に対しイスラエル人1人の割合となっている(実数ではパレスチナ人381人に対し、イスラエル人5人の犠牲者)。

のだという。...

しかし、このような圧倒的な犠牲者の差、また武器などの差に関係なく、(特に米国では)パレスチナ側がイスラエルを脅かす存在として捉えられている...
その事実を知っても、すぐに何かできるというわけじゃない。私もやっぱり普通にご飯を食べているひとりだし、毎日を楽しく過ごしたいと思っている。でも、こんな事実が見過ごされているのはやっぱりヘンだ。スクールバスにさえミサイルが当たってしまったというガザ。ガザの人々を苦しめているのが国際社会の無関心であるなら、少なくとも関心を持っていたい。多くの人に関心をもってほしい。関心を持っている人がいるのだとガザの人たちに知ってほしい。

国連安保理でのイスラエル非難決議は、またアメリカの拒否権発動により採決されなかった。ただ、こんな実態を知る人が増えてきたら、多分、アメリカも今のような態度をとり続けることはできなくなるんじゃないかと思うのだ...

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